それは、信じた証9
はい。
更新遅れてごめんなさい。
PCがうっ壊れまして…代用を組み立てていたら力尽きました。
※個人的には、メイド服はロング派です。
クルリと回りふわりとして欲しい派です。
エンベルがメイドに頼みをしている時、場の空気が変わり始めてた事にソミラが気づいた。
肌を撫でる冷気。その冷たさは体内に染みこみ心臓までもが冷え落ちて行くような恐怖感を煽ってくる。
その感覚にソミラは覚えがあった。
「おいおい…なんでアレがココに居るんだ?」
「どこを向いておる。
貴様の相手は我ぞ」
大剣を振り、触手の数を倍にして猛攻を繰り出すノーヴァにソミラは少し圧倒され舌打ちを漏らしながら近くに居たフェリシテの方に寄っていく。
「おい、豚!てめぇは俺が焼いてやる。
悪い事は言わねぇ…今すぐ退け」
「怖気づいたか!大魔王様の元に貴様の首を差し出してくれよう!」
「チッ…これだから豚は…。
状況が既に変わっている事に気付いてねぇ」
数の増えた攻撃を捌き焼き払いつつソミラはフェリシテを見た。
その姿は変わらずボロボロで、今の状況についていけていない様子だ。
「おい、オーク。
そのまま動くなよ。
てめぇからはアレの匂いが薄っすらとだがする。てめぇまで巻き込むなんて事はしねぇはずだ」
ソミラの言葉に、何か返すべきかと悩んでいると、フェリシテも異常な冷えを感じ始めた。
「ここら一帯潰す気かよ…」
肌を撫でていた冷気は、急激に温度を下げ刺すような痛みを与える冷気に変わっていく。
冷気は周囲で発火し続け熱があるのにも関わらず、発火した瞬間にそれごと凍らし始めた。
そして、次の瞬間。小さく乾いた音が響き全てが凍った。
「なっ!」
「ははは…相変わらず化物かよ」
今、起こっている事が理解できず驚いているフェリシテと、その場で唯一なにが起こっているか理解でき乾いた笑いしか出てこないソミラ。
静寂の中で聞こえてくる音に振り向いた彼等は白銀の世界を見た。
白く全てが凍っている視界、その奥では雷鳴が轟音を轟かせ落ち続け。
左側の視界には幾つもの巨大な竜巻が吹き荒れ、右側の視界では圧倒的な質量を誇る岩が隕石の様に振り続けていた。
そして、その中で透き通る綺麗な声が聞こえた。
「ごちそうさまでした」
その声が聞こえたフェリシテは、今、目の前で起こった現象に自分の目を疑った。
消えたのだ。
凍りついていた魔物達が一匹残らず消え去り。場を満たしていた異常な量の魔素も同じように。
そして、ピタリと止んだ豪雷や竜巻に落石。
その場を支配していたはずの氷さえも消え去り、痛いほどの静寂がフェリシテを襲う。
そんなフェリシテに、前掛けから取り出したハンカチで口元を拭きながらメイド服の者た近づいてくる。
距離はかなりあったはず。だが、一歩一歩で進んでくる距離がおかしい。
消えては現れを繰り返し、僅か数歩で目の前に立ったメイド服の者はソミラを一瞥しフェリシテを見て優しく微笑み言った。
「こうして会うのは初めてですね。フェリシテ君。
私は雪と言います。勇敢に強者に挑む辺り、エリカちゃんに似て無茶をしますね」
メイド服を纏った雪が優しくフェリシテに触れた。
すると、フェリシテは身体に違和感を覚えた。いや、正確には違和感しか無かった身体が全快し痛みや違和感が無くなった事に違和感を覚えた。
傷一つ残らず、空いていたはずの両肩の風穴まで塞がっている。
「雪って…あの」
「はい。エリカちゃんと交換日記をしていた雪です。
お話もしたいのですが、のんびりしていると雌狐が来て煩いので手短に。
今回は、よく頑張りましたね。
黙示さんから新しく飴を預かっています。
オークの集落に戻るのもいいですし、旅をしてみるのもいいでしょう。と言っていました。
もし、旅に出た時には混沌国の中央にも顔を出していただけると、黙示さんも喜ぶと思います。
それでは、私はこれで失礼しますね」
雪は、真っ赤な飴玉がぎゅうぎゅうに詰まった瓶をフェリシテに渡すと、思い出した様にソミラと奥に居るノーヴァに目を向けた。
「そういえば、彼は私達の友人なので、今は見逃してあげてくださいね。
今度がどうであってもフェリシテ君から頼みがない限り、私達は干渉はしないつもりですが…
私の行動を無碍に今、まだ戦うと言うのなら、ここからは私が相手になります。
黙示さんからも許可は頂いているので、手加減あれど遠慮はしませんよ?」
雪は、指をスッとノーヴァに向けた。
それだけでノーヴァは戦慄した。まるで、死をつきつけられた様に、本能がそれを受け入れるかのように身体が動かない。
氷は既に無くなっている。にも関わらず動かない。
雪のその笑みが死神の笑いに見え、その指が自分の命に刃を添える鎌に感じた。
反応しないノーヴァからソミラに視線を移した雪は何も言わない。
「わーってるよ。
戦わねぇ。今はこれで終わりだ」
「ソミラは利口で助かります」
「脅しといてどの口が…いつか黙示もテメェも必ず殺してやる」
「果たして何時になるんでしょうかね。
私ならまだしも、黙示さんまでとなると…まぁ、時間はありますので何時でもお待ちしております」
挑発的に笑った雪は、そのままふわりと浮き飛んでいった。
「おい豚、てめぇも今回は退いとけ。
前と違って、この世界では俺達は絶対的強者じゃねぇ。俺達よりつえぇ奴等なんてクソなほど居る。
昔の世界の神なんざとは比較にならねぇほどの神共、地獄だか天国だかに君臨する化物、対俺達かの様に力を付けてやがる勇者なんて奴等を育成する機関までできてる始末だ。
そして、俺の知る中で圧倒的な差を一方的に叩きつけてきた雪、その雪が霞む俺を封印した黙示
魔界で補正を受けていたあの頃で一方的に負けてんだ。それでも俺は、昔と必ず最強を目指す。
てめぇにも大魔王にも忠告はしといてやる。数百年この世界で生きてんなら気づけ、強者であっても上が居る事を、魑魅魍魎と呼ばれる類は俺等以外にも居るってことを」
忌々しく雪が飛び立った後を睨み、ギリッと歯を噛みならしながら言うソミラは本当に悔しそうに抑えつけていた殺気を漏らしていた。
人物紹介 カッツ
ちょっと、フェリシテ君編が長くなり尚且つ変化が少ないので、そろそろ終わりも見えてきましたし…
最後の方で、一応まとめて紹介するためにカットです。




