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混世界  作者: 慧瑠
怪談と恋話は夏の風物詩
6/140

夏と言えば怪談3

誤字脱字などが目立つかもしれません。

教えていただければ嬉しい限りです。


未熟者故、読み辛い事もあると思います。

ですが、めげずに書くので、お付き合いください。

今度はハッキリと見えた。見間違いなどではなかった。

その顔は、口元が耳のギリギリまで伸びており、先程まで話題に上がっていた口裂け女そのものだった。


「ん?あぁ!あなたは人間だったのね。

驚かせてしまったかしら?」


呂呂は、アハハと大きな口を開き笑う。

その光景に、林檎は恐ろしさよりも、いきなりの光景に理解ができない。


「え、あ…あれ~?」


林檎は、もう何がなんだか分からず。

黙示と普通に話している所を見ているため、どこかで安心はしているがショートしている思考では逃げる事も考えつかず。

既に食べ終えたパフェのスプーンを咥え、器用にスプーンを上下にゆらゆら揺らし、目を丸くして呂呂を見つめていた。


「あら、さっきのお客さんは呂呂ちゃんだったのね」


「!、雪さーん!聞いてくださいよ!」


店の扉が開く前に厨房に戻っていた雪が、奥からチョコレートパフェを持って出てきた

そのパフェを見て、今見ている事は忘却の彼方へと追いやり目を光らせている林檎に、雪は持っていたパフェを置いた。


「はい。これは、私の奢り」


微笑みながらパフェを林檎の前にずらし

林檎は、もう何も考える気は無いのか、一心不乱にチョコレートパフェを食べ始めた。

現実逃避ではない。パフェが魅力的で美味しいのだ。しかたないのだ。と謎の呟きと共に…。


「それじゃ、僕は少しメイクマスクを直してくるので、雪さん呂呂さんの相手をお願いしていいかな?」


「はい、もちろんです」


「それじゃ、お願いしますね」


微笑む雪の返事を聞いてそう言い残すと黙示は、雪が出てきた暖簾をくぐり奥へと歩いて行く


「それで、どうかしたの?呂呂ちゃん」


「…振られました」


しょぼんをした様子で言う呂呂は落ち込み気味で雪に答える。

それを聞いた雪は、あらあらと言いながら空になっていた呂呂の湯呑みに緑茶を注ぐ。


「ということは、最近噂になっている口裂け女は呂呂ちゃんかしら?」


「若い男の子を見たら…こうムラッと」


雪の問いに、数秒前とは打って変わり焦ったように冷や汗を流しな目を泳がせながら答えた。


「あらあら…」


「いや、でもね雪さん!

これは、口裂け女の本分といいますか…その…ね!」


「なんの為のメイクマスクなのかしら」


「ぅ…えーと…それはその…洗顔のし過ぎて…」


「そんなやわに黙示さんは作らないはずなんですが」


「自分で、破きました…」


呂呂は、一生懸命弁解をしたものの、ジッと見つめてくる雪に負け

口を尖らせながらイジケたように言う。


それを聞いた雪は、大きなため息を漏らし厨房に移動し

少しして戻ってくると、その手にはゆべし餅が乗った皿を持ち

それを呂呂の前の置いた。


「こうね…別れるーって言われて、こっちの返事を聞く前に出ていくもんだから

なんか、イラッとしちゃってビリッと…」


「どうして、別れ話になったの?」


目の前に出されたゆべし餅を、つんつんと突きながら

それはもう落ち込みきった声で話し始める呂呂に、雪は呂呂の頭を数回撫で話を続ける。


「私の料理に…彼、醤油をドバドバとかけてね…

血圧あがるよって注意してあげたら、お前の料理は薄味で不味いって言われて…


その時は、申し訳ないなと思ってね…

次の料理は、少し濃いめの味にしたんだけど…」


「だけど?」


呂呂は、一拍置き

うつむき気味だった顔をバッと上げ、少し驚いた様子の雪にカウンターを乗り出す勢いでせめ寄り


「今度は、味が濃い!とか言って残すんですよ!

カレーで味が濃いって何!

カレー好きとか言ってたのに!何!


もう、カレーで濃いめの味とか分からないから少し水の量を減らしてとか色々考えたのに!


何!

ああぁあぁ、思い出したらイライラしてきたぁぁぁぁ」


口を大きく開け、あぁぁと声を上げる呂呂に、距離は置いたものの横に座っていた林檎は呂呂を見てカタカタと手が震え

握っているスプーンがパフェのカップにあたりカチカチと音が鳴っている。


「ま、まぁ…呂呂ちゃん少し落ち着きましょう?

他のお客様もいるから…」


とりあえず、現状に苦笑いを零しながら雪は呂呂を宥める。


「え、えっと…あ、あの!」


「……」


雪の宥めも効かず、思い出しているのか…

あの男ぉぉやらウガァァやらと荒れている呂呂に、林檎は勇気を振り絞って声をかけた。


すると、呂呂は声は出すのをやめ口は開けたまま目線だけを林檎へと向ける


「ろ、呂呂さん!

わ、私、橋本 林檎って言います!」


「え…?あ、うん…

朽木 呂呂よ」


いきなり林檎の自己紹介に呆気にとられ、呂呂も慌てつつもとりあえず自己紹介をしかえした。


「………」


「えっと…」


意を決した様に、ジーっと林檎は呂呂と見つめる

その視線に、呂呂はどうしていいか分からずチラチラと雪を見るが、雪はニコニコと笑みを返すだけで呂呂の気持ちをしってか知らずかスルーに徹していた。

-自己紹介-


喫茶店-本の蟲-のマスター


明示 黙示

性別:男


喫茶店-本の蟲-の店員(厨房担当)

性別:女

いつもの:アイスティー

店の料理は彼女が作っている


常連客

橋本 林檎

性別:女

いつもの:ミルクティー

高校生


朽木 呂呂

性別:女

いつもの:緑茶

口裂け女

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