それは、信じた証2
お、おぉ…文章とストーリの評価を初めて頂きました。
ちょっと、ニヤつきが止まりません。
かなり嬉しいです。
本当に少しずつですが、ブクマしてくれている方も増え、そうでなくとも読んでくれている方も増えているようです。
本当にありがとうございます。
どうぞ、これからもお付き合い頂ければ感謝の極みです。
いつの間にか寝ていたフェリシテは、眩しさを感じゆっくりと起きた。
部屋に備えられている窓から外を見れば、既に朝になっており、人々は活動を始め賑やかになっていた。
それに気付いたフェリシテは、慌てて赤い飴玉を取り出し口に含み人型へと姿を変える。
鍵付きの部屋とは言え、宿主などが何かの拍子で入ってきたりしていれば危なかった。と、自分の無警戒さに呆れていると、部屋の扉がノックされた。
「フェリシテ殿、起きているかな?」
「騎士団長か…起きている」
向こう側から聞こえた声は、フェリシテが知っている数少ない人間の声であり何と威厳を感じる声。
その声に、まだ少し眠っていた脳が覚醒し手早く着替え、姿見で一通り自分の姿に問題がない事を確認すると部屋の鍵を開ける。
「王が戻られた。
スタンピードの件もある故、早々で悪いが謁見の時間が今しか取れなかった為、迎えに来たが…大丈夫かな?」
宿と一緒にアーナムが用意した服を着ていたフェリシテは、問題ないと伝えるとオレイアに案内され宿を後にする。
移動中にした会話で、アーナムは既に数人を連れて魔王の封印を解きに行ったと言う。
封印の解き方は、昨日の内にアーナムへと伝えており、その後に宿へと案内された。
本当であれば、フェリシテも着いて行くべきだ。と思っていたが、王との謁見があった為にアーナムに全て任す形となった。
「慌ただしくてすまないな」
「あぁ…もし、今度来る機会があれば、もう少し落ち着いた時に来よう」
「その時は、行きつけの飯屋にでも案内するとしようか」
フェリシテとの約束にオレイアは嬉しそうに笑い返してくれたが、そのオレイアの様子にフェリシテは適当な事を言ってしまったなと少し後悔をした。
そうこうしているとフェリシテ達は、城へと着き門をくぐると広い玄関ロビーで待機していたメイドに案内され、客間へと通される。
「エンベル様から、こちらでお待ち頂くよう申し付けられております。
何かございましたら、扉の前で待機しておりますのでお申し付けください」
そう言うと、メイドは開閉の邪魔にならないよう扉の横に立った。
フェリシテは、とりあえず待つ為に部屋の中に入り、用意されていた椅子に腰掛けた。
それから少しすると、扉の向こう側でメイドの声が聞こえ部屋の扉が開かれる。
入ってきたのは、少し窶れ目の下に濃い隈が浮かぶ初老の男だった。
「遅くなってしまってすまない。
君が、フェリシテ君だね?私はエンベルだ。
君の事は黙示君から話は聞いている。
現在人手不足故、新人のメイドしか案内に当てられなかったが何か失礼はなかったかな」
入ってきた男は、この国の王であるエンベルだった。
本当に疲れている様で、フェリシテに苦笑いを向けながらフラフラと向かいの椅子まで歩いてメイドが引いた椅子に座った。
一緒に入ってきた新人メイドは、自分の事を言われているのに椅子を引き、エンベル王が座ると澄ました顔のまま淡々と紅茶を用意してく。
「メイドの良し悪しが分からない。
別に不愉快では無かったから失礼は無かったと思う」
「そうか。
それにしても君にはアミリアが世話になった。
返す前に、何か褒美を渡したい」
エンベルは、そう言うとメイドが用意した紅茶を一口飲んで一息ついた。
「もちろん安心してくれ。
帰り際で君を討伐するなんて事はしない。
それをしては、我が国が無くなってしまうだろうし、それ以前に恩人に対してする行為ではない。
アミリアからも、しっかりお礼をするように念を押されてしまったしね」
最低限しか休まず、限界を超えて移動してきたエンベルは、今にも寝てしまいそうに目を閉じ背もたれに寄りかかる。
その前に、態度が悪くて失礼と謝ってきたがフェリシテは気にしていない。
それよりも、褒美と言われても何を願えばいいのか思いつかず悩んでいると…何やら外が騒がしくなりはじめた。
「何かあったのか?」
「君、確認をしてきてくれ」
その騒がしさに気付いたフェリシテがエンベルに聞くと、エンベルも心当たりが無かったのだろう。
横で控えていた新人メイドに命令をすると、メイドは一礼をして部屋の外へ出ようと扉へ向かう。
だが、メイドが開ける前に扉は勢い良く開かれた。
「エンベル王、話中に申し訳ありません。
急用故、無礼をお許し下さい」
息を切らしながら開いた扉の前で傅き言うのは、門で会った若い兵士だった。
その様子から、かなり急いだのだろう。
エンベルは許しを出すと、その急用を伝える様に言う。
「ハッ!
ご報告します。スタンピードが始まりました!
現在、防衛で残っていたギルド員とオレイア騎士団長が全騎士を率い対処に当っています。
国民達は、ギルド員達が避難誘導を開始。避難指定国ホドロミア国までは距離があるため、一時的にリスコッチェ国とホドロミア国の中間点に拠点を築き、そこへ誘導をしています。
国民全員は不可能な為、戦闘の意思がある者は騎士団から武器を配布し後衛に参加させ、王妃とアミリア王女は優先して中間拠点まで護衛しています」
騎士の報告を聞いたエンベルは一瞬目を見開いた。だが、すぐに平常心に戻り先程とは違う雰囲気を纏い席からしっかりと立ち上がる。
「すまないフェリシテ君。
褒美の件は後日どうにかして話そう。
君は、フェリシテ君を案内して避難してくれ」
それだけ言い残し、エンベルは騎士を連れて部屋を出て行った。
-人物紹介-
フェリシテ
性別:雄
備考(人型)
イケメン…ではない。ダンディでも無かった。
声のイメージはバリトンヴォイス。 濃い顔に茶髪 鋭い眼光 緑色の瞳 二メートルはあるムキムキ巨漢
おじさんとお兄さんの間ぐらいの見た目 紅茶の味に驚きを感じた
エンベル・リスコッチェ
性別:男
備考:リスコッチェ国の王 寝不足




