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混世界  作者: 慧瑠
なんてことは無い所詮は顔よな
50/140

あのオークになら抱かれてもいいって言われたい13

勘違いって放置すると悪化することってありますよね。


すっかり騒々しくなったギルド内には、次々と行方不明者となっていた者達が運ばれていた。

フェリシテは、やはりその者達に覚えがあった。

自分の方を見ていた視線は既に無く、運ばれてくる雌達を眺めながらフェリシテは考える。


(黙示さんが言っていた、俺が知っている事とはなんだ…

俺は何を知っている)


いくら考えても今回のスタンピード発生に重要な事が思いつかないフェリシテが、追加でアンナが用意してくれたお茶を飲んでいると、今回見つかった最後となる行方不明者がギルドに入ってきた。


「レミア!」


その入ってきた者を見てオレイアが駆け寄ると、レミアと呼ばれた女性は気が抜けた様にオレイアへと倒れこんだ。

オレイアは、それをしっかり受け止めギルド員達が用意した濡れタオルで顔を優しく拭く。


「すまない。

私がしっかりしていれば…」


「団長のせいではないです。

自分が未熟だったばかりの結果…しかし、眼も無事に戻りました」


「眼などいい…。

お前が戻った事が大事なのだ。

ここまで疲れたろう。騎士団の方は整理が着くまで休むといい」


冷静に話してはいるが、体が震え力が入らない様子のレミアに優しくオレイアが汚れたタオルを綺麗な者と取り換え、手や足などを吹き始める。

それを見ていたフェリシテは、オレイアが拭いていた雌と目が合う。


(なるほど…剣が使えると言っていた奴か…)


フェリシテは、あの時に剣を使える奴と聞いたら、手を挙げた雌が目の前に居る事に驚き本当に一日半で森を抜けてきた事を認めた。

だが、やはりその方法は分からない。

川を下ったとしても、もっと時間が掛り、出てくるのはリスコッチェ国の方ではないはずなのだ。


「しかし、本当に良くぞ戻ってきてくれた。

オークに捕まったと聞いたが…何があった」


オレイアに聞かれたレミアは、捕まるまでの流れと捕まった後の流れ、そして逃げてきた事を話した。

オークの集落に居た間の言い辛そうな所は、オレイアが気を利かせ言わせなかったが大体の事は分かった。

聞き耳を立てていたフェリシテも、大まかには理解し後半は自分が見て知っている事と変わりなかった。


流れは、こうだ。

レミアは、重役護衛の命令の為にリスコッチェ国からアミリアとは別のルートを通り避難国まで移動していたそうだ。

その途中で、アミリアと同じようにシルバーウルフの群れとソレを率いた数体のオーク。


だが、レミアは事前にオーク達が向かってきている事が分かっていた為、遭遇する前に移動速度を上げ逃げ切る予定ではあった。

しかし、一人の騎士がシルバーウルフに不覚と取り、それを庇いレミアがオークの強打を無理矢理受け止めたが、その一撃で一瞬隙が生まれシルバーウルフの対処が遅れシルバーウルフに意識が向いた瞬間にオークに捕まりそのまま集落へと持ち帰られたと言う。


そして、翌日に別の集落に移動させられ、数日後に何故かアミリアが集落に現れた。

始めはオークに捕まり集落の中央へと連れて行かれたが、その翌日には何故かオークが脱走の手助けをしてくれた。

剣を受け取ったレミアは、すぐに行動に移したという。


よくまぁ、即座に切り替えて行動を起こせたとフェリシテが関心していると、レミアが何故早々に着けたかを聞いて冷や汗が流れた。


彼女の眼は少し特殊であり、'鷹の眼'と言う所謂魔眼の類である。

その効果は、魔力を消費して視界を上空から見れると言う。

空間把握能力が高い人物が似たような事を感覚で出来ると言うが、彼女の場合は消費魔力によって範囲も時間も調整でき、本当に視えているのだ。

樹々が生い茂っていても、樹々とその影に隠れてモノを区別して見分ける事が可能なレミアの眼は、発動していたならば奇襲などを完全に無効できる代物なのだ。


そして、彼女は言った。

オークを追って川に出たら、アミリアが屈強な男と森を抜けていったと。

自分は、一定の距離を取りつつ魔眼を使い見失わない様に着いて行ったと…。


(なるほど…俺が通ったルートを、そのまま通ってきたのか)


納得をしたと同時に、フェリシテは思った。

川に行く所を追って見ていたと言うのなら、自分が本当はオークだと知っているのではないかと…

レミアを見ていたフェリシテに、何か耳打ちをされたオレイアの視線が移る。


「フェリシテ殿」


「なんだ?」


レミアをアーナムに預けたオレイアが立ち上がり、バレたか?と思っていたフェリシテに頭を下げた。


「レミアを助けてくれて感謝する」


「まて、俺は何もしていないぞ」


「いや、話したくないのならばそれでいい。

だが、フェリシテ殿がレミアに剣を渡した事で、彼女達は助かった。

本当にありがとう」


まさか、自分がオークと知って頭を下げているとは思っていなかったフェリシテは、驚きすぎてキョロキョロとどうしていいか見ていると、アーナムに連れられたレミアが近付きアーナムにも聞こえないように耳打ちしてきた。


「あの時は、驚いてすいません。

まさか、人間がオークに化けているとは思っていませんでした。

団長には話しましたが、他には内緒にします。

移動の時も、わざわざ最短ルートを使って、私達が追いつけるギリギリの速度で移動していただいたようですし…

本当に、ありがとうございました。


そのすべには知的好奇心が擽られますけどね。」


最後にふふっと笑うレミアに少しドキッとしたフェリシテは、適当にあぁ…と返事しながらレミアと自分との認識の差がある事を理解した。


(まず、人間がオークに化けているのではなく、オークが人間に化けているわけで…

移動に関しても、アミリアが酔うとか煩かったから駆け足気味だっただけで…)


アーナムに連れられ、ギルドの奥に用意されている治療室に移動するレミアを見ながら、不意にドキッとした事と違うぞと言えない気持ちでドギマギしていると、フェリシテの肩に手が置かれる。


「レミアは可愛いだろう。剣の腕も悪くない。

両親が小さい時に盗賊に殺され、孤児であったレミアは幼い頃から騎士として我が騎士団に居た。

飯もそれなりに美味い」


「へぇ…よく知ってんな」


「レミアは、騎士団でも愛されていてな。

攫われたと言われた時は、騎士団全員で森を一掃するつもりだったのだが、スタンピードのせいで別国からの許しがでなくてな…


本当に助かった。

命令違反までしても、レミアを助けに行くつもりであった者達を抑えるのも限界だったのだ。

無論、その時は私も出るつもりだったがな…」


本当か嘘か分からないオレイアの言葉に苦笑いをしていると、オレイアはフェリシテの方を見ること無く一言だけ、低めの声で言った。


「娘はやらんぞ」


「団長殿の娘じゃないだろ」


独り身故に、一度は言ってみたかったのだ。と笑っているオレイアを見て、一人で考えても答えが出ないのであればと、フェリシテは自分が知っているオークの生態を軽くではあるが話した。


何故知っているのか?と聞かれれば、化けてオークの集落に居た時期がある。とフェリシテがレミアの証言を利用するとオレイアは納得したように聞いていた。

-人物紹介-


フェリシテ

性別:雄

備考(人型)

イケメン…ではない。ダンディでも無かった。

声のイメージはバリトンヴォイス。 濃い顔に茶髪 鋭い眼光 緑色の瞳 二メートルはあるムキムキ巨漢

おじさんとお兄さんの間ぐらいの見た目


オレイア・ホンベルド

性別:男

備考 リスコッチェ国第一騎士団長 本当に歴戦の猛者です。 おじ様っ!って言われそうな雰囲気。


レミア・フランド

性別:女

備考 騎士団所属 魔眼'鷹の眼'所持 キリッとしたかわいい系


アーナム・ヘイリスカ

性別:女

備考 獣人 狐族 ギルド長 雪嫌い 黙示好き ギルド員からは、姉御やお姉様と呼ばれている。


アンナ・イガール

性別:女

備考 ギルド受付 ギルド職員古参 気の利く人

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