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混世界  作者: 慧瑠
なんてことは無い所詮は顔よな
49/140

あのオークになら抱かれてもいいって言われたい12

本日二話目投稿。


ヤバイ…今回のオークの話が一部目の終わりに近付いていく。

ここまで長引かせる予定はなかったんです。

リスコッチェに着いて、一旦終わりにする予定だったのですが…てへっ。


夜の街にするか、学園七不思議にするか結局決まらないまま書いていたら…こんな事に…


ど、どうぞ、これからも私と作品よろしくお願いします。

「さてと…アーナムちゃん、それとこれを一緒に見ている方達に始めに言っておきたい事があります。

今回のスタンピードは、人為的だと思います」


黙示の言葉に、ギルド内はザワついた。

だが、映像の黙示にその様子が伝わる事は無く、話を続けた。


「何故?と思うでしょう。

説明するには、前回のスタンピードについて少しお話しなければなりません。


前回の大規模なスタンピードも人為的です。

スタンピードとは、長い時間を掛けて魔素が溜まり、その魔素に引き寄せられ魔物が増えます。

そして、集まってきた魔物とは別に、魔素からも魔物が生まれます。


この魔素は、本当に長い時間を掛けなければ溜まりません。

様々な場所で魔素が溜まり続け、スタンピードが各地で起こる為、その様な感覚は無いかもしれませんが…。

本来は、同じ場所でスタンピードが起こるには百年以上の時間が掛かるのが当たり前です。

前回発生したスタンピードも二百年以上前の間がありましたが、そこに'魔王'が手を加えたため規模が大きくなりあの結果になりました。


魔国に居る方々は、魔王をよく知っていると思います。

当時、魔国に存在した五体の魔王の内の一体が、手を加えた魔王です。


僕がダンジョンマスターをしていた理由は、ちょっとその魔王に用事があったのですが…発見が遅れてしまい皆様には大変な被害が出てしまった。

その事に関して、今一度謝罪させてください。 申し訳ありませんでした。


少し話がそれましたが、前回のスタンピードの際に僕は魔王を封印しました。

その地に溜まるはずの魔素を吸収、拡散させる様に封印の術式に追加してです。そのままにしておけば、本来はスタンピードが発生するには短くて二百年は見積もって良かったはずです。

ですが、魔素が急速に溜まりスタンピードの傾向が現れた。


こちらで軽く確認をしましたが、封印に異常は見られません。

つまり、通常集まるはずの無い魔素が急速に集められています。

予想はできています。おそらくですが、誰かが魔素を無理矢理発生させているのだと思います。

正直、僕にはあまり関係ないので関わらいつもりでしたが、僕の友人がその付近に居るとなれば仕方ありません。


アーナムちゃんは行動派な子なので、既にギルド員達を動かしていると思っています。

そこでお願いをしたいのですが…以前、僕がダンジョン。今は、ただの洞窟となっている覇のダンジョン跡地に行き、魔王の封印を解いてください。

方法は、僕の友人に教えるのでアーナムちゃんが確認後、信頼の置けるギルド員を連れて手順通りにしてくれれば解けると思います。


そして、封印が解けた魔王に一言だけ伝えてください。

僕が'約束を果たせ'と言っていた事を。

その後の事は、僕は関与しませんが…今回は安全だと保証します」


長々と話した黙示は、一息つき水を一気に飲み干して新しく注ぎ直し始めた。


ギルド内は、静まり返っていた。

誰もが、唖然とし動きが止まっている。

それも同然だ。自然現象だと思われていたスタンピードが人為的に起こされていると言われ、終いには魔国最大の敵である魔物と魔族を率いる'魔王'を起こしてこいと言われているのだ。


本来のスタンピードが国を潰す自然災害ならば、魔王は国を消す人為的自然災害。

それほどに魔王は脅威であり、魔国以外でも危険視されている。


流石のアーナムも目を閉じ、腕を組み言葉を発しない。


「あぁ…もう一つ言い忘れていました」


静かなギルドに、何かを思い出した黙示の声が響く。


「今回のスタンピードは魔王や魔族ではなく、どこかの国の誰かが起こしたものですよ。

ついでに言えば、エンベル王の娘…アミリア王女と王妃の馬車が狙われたのも計画通りだったでしょう。


どこが…とは言いません。ですが、そうですね…答えに近づくにはフェリシテ君が知っている事が重要だったりするかもしれませんね。


さて、僕から話したい事は終わりです。

長くなりましたが、アーナムちゃんが元気でやっているようで良かったです。


僕は、これを見ている方々とアーナムちゃん達の武運を祈らせてもらいます」


黙示がそう言うと、空中に浮いていた薄い板の光りは徐々に小さくなり、同じように枠も薄くなっていく。

沈黙の中、カランと薄い板が床に落ちる音だけが響いた。


「フェリシテ殿…貴殿が知っている事とは?」


一番最初に口を開いたのは、オレイアだった。

オレイアがフェリシテに聞くと、ギルド内の視線は全てフェリシテに固定される。


「いや、知っている事なんて無いが…」


黙示さんは、一体何を言っているんだ?と疑問しか浮かばず、今回のスタンピードの事など今知ったぐらいだ。とフェリシテは頭を必死に回転させる。

そして、ふと気になった事が浮かんだ。


「オレイア騎士団長、一つ聞きたいんだが…何故、アミリアは森の中に居た」


今回の件には関係無いだろうが…と考えつつも、フェリシテはそれが気になっった。

森の中に入ったとはいえ、オークの集落の付近まで深く潜る理由があの森には無い事はフェリシテは良く知っている。

だからこそ、他種が足を踏み入れる確立は少ないが、一日程度歩けば街道に出て雌を攫う事もできるあの場所にオーク達は集落を作っていた。


「それは…」


隠し事が苦手なエンベル王が慌てて城下町を駆け回っていた為、既に国民の大半が知っている事なのでオレイアは簡潔にアミリアが攫われた状況を話した。


そのオレイアの話に、フェリシテは引っかかった。


「オークが居た?」


「あぁ、シルバーウルフと共闘していた」


思わず漏れた疑問に、オレイアはしっかりと拾い返してくれた事を少し感謝しながらもフェリシテは頭を回転させた。


(あの周辺の集落は把握してる。

俺が居た場所を含め、三つ程ある。

残りはもっと森の奥にオークキングと共に居るはず…


ならば、どこのだ?

前後で雌を捕まえる話など聞いていないぞ…)


オーク達は雌を捕まえる際には、基本的に単体で動いたりはしない。

群れを作り、獲物を包囲して確実性を高める為に複数の集落のオーク達が協力する事が普通だ。

だが、そんな話はフェリシテは聞いていない。

仮に一つの集落だけでやったとしても、翌日には成功した自慢話か失敗した愚痴大会が開かれているはずだとフェリシテは考える。


そして、フェリシテは一つの事を思い出す。


自分の集落に居るはずのオークリーダーが居ない事に。


(集落の奴等が居なくなるなんて、日常茶飯事で疑問にも思わなかった。

食料調達中に冒険者に会って討伐されたとばかり思っていたが、もし違ったら?)


「その襲った連中は統率が取れていて、アミリアを担いだオークは迷わず森の中に入ったんだな?」


「あぁ、そうだがどうした?」


(ならば、それなりに力のあるオーク。それも、森の中に逃げたと言うなら間違いなく俺達か周辺の集落のオークだ)


オークであるフェリシテは、自分達の習性をよく理解していた。

黙示から貰い人間になった今では、オークの習性を客観的に見ることができる。


群れを作ったオークは、雌を群れに持ち帰る習性がある。

集落があれば集落に。

それは、共有をするか自慢をするかの為であり、繁栄の為の本能的ものだ。


「オレイア騎士団長…オークの被害は最近あったか?」


「…リスコッチェ国では数件あった。

他国でも数件確認されている。

私の部下も一人、オークに拉致され行方が分かっていない」


オークリーダーが不在だったフェリシテの集落では、積極的に雌を攫う事はしていなかった。

雌のストックはあったし、繁栄に影響が無い程度には周辺集落から補充もあった。

だが、さっき言ったように雌を捕えに行くと言う話は聞いていない。

オークリーダーが居なくなった数週間は確実に…。


しかし、補充はあった。

心は折れていたが、体は壊れておらず苗床として問題のない雌が…つい最近も。

だからこそ、自分の集落の檻には雌がそこそこ居た。


(まさか…)


ふと浮かんだ考えに、フェリシテは'ありえない'とその考えを無視する。

証拠も足りない。確実性に欠ける。この考えは違う。と思えば思うほど、それであれば辻褄が合うのだ。


もし、雌を攫うのに集落同士の協力が不要だったら?

もし、オークリーダーが生きていたとしてシルバーウルフを従えていたとしたら?

もし、どこかの集落のオークが人間と協力体勢を築いていたとしたら?


考えれば考える程に、そのまさか・・・が正解なのではないかと思い始めてしまう。


黙示の話とフェリシテの思考で、時間は既に夕刻に差し掛かろうとしていた。

そんな時、ギルドの扉が勢い良く開かれた。

フェリシテを黙って見ていた皆の視線は、その入り口に集中する。


「行方不明者が帰ってきた!

今、他の奴等が護衛しながら向かっている!衰弱してる上に精神面が危うい奴等も居る!

温かい飯と風呂!あと、念の為に治癒魔法を使えるやつを!

オレイア騎士団長、あんたの部下も帰ってきたぞ!」


「アンナ!」


「すぐに」


相当急いで来たのだろう。

走ってきた男が肩で息をしながら大声で言うと、すぐにアーナムが反応してアンナを含むギルド員達が急ぎ準備を始めた。


行方不明者の帰還。あまりのタイミングの良さにフェリシテの脳裏では自分の集落に捕らえていた雌達の姿が浮かぶ。


(まさか…いや、まさかな…

森を知り尽くしてる俺が駆け足で一日掛かったんだぞ?)

-人物紹介-


フェリシテ

性別:雄

備考(人型)

イケメン…ではない。ダンディでも無かった。

声のイメージはバリトンヴォイス。 濃い顔に茶髪 鋭い眼光 緑色の瞳 二メートルはあるムキムキ巨漢

おじさんとお兄さんの間ぐらいの見た目


オレイア・ホンベルド

性別:男

備考 リスコッチェ国第一騎士団長 本当に歴戦の猛者です。 おじ様っ!って言われそうな雰囲気。


アーナム・ヘイリスカ

性別:女

備考 獣人 狐族 ギルド長 雪嫌い 黙示好き ギルド員からは、姉御やお姉様と呼ばれている。


アンナ・イガール

性別:女

備考 ギルド受付 ギルド職員古参 気の利く人 




-喫茶店-本の蟲-のマスター-

明示みょうし 黙示もくし

性別:男

備考 長生き

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