あのオークになら抱かれてもいいって言われたい11
久々の風邪は辛かったです。
ブックマークや総合評価が増えていたり、読んでくれた方が居ると、やる気がグンと上がりますね。
本当、嬉しい。
これからも、よろしくお願いします。
「お前ら、朝っぱらから飲むのは良いが、しっかり依頼はこなせよ」
「「「「へい!姉御!」」」」「「「「はい!お姉様!」」」」
静まり返ったギルド内を軽く見回したアーナムが言うと、その場に居た者達が立ち上がりギルドが揺れたのかと錯覚する程の大声で返事をしたと思ったら、テーブルに残っている飲み物や食事を綺麗に胃の中に流し込むと皆がアーナムに一礼してから出て行った。
外から'ギルド長の御姿が見れたぞ!今日は良い日な気がする!'や'お姉様のお声が聞けたわ!今日のヤル気は増々よ!'などと騒がしい声が聞こえる。
店内に残った客やギルド員達は慣れている様で、気にすること無く食事や仕事を続けていた。
いつの間にか戻ったアンナも書類を纏めたりしている。
「相変わらず慕われているな」
「悪い奴等じゃないんだが、ちょっと声が多きすぎるのがな。
たまにクレームが来るから落ち着きを持って欲しいわ」
「君を見習って居たのなら無理だろうな」
声を殺して笑うオレイアの言葉に、頭の上でピクピクと動いている狐耳を掻きながら本当に困ったように返すが、それに返って来たオレイアの言葉に少し不機嫌そうな顔に変わったが、すぐにハッとして蒼い綺麗な目を輝かせながらオレイアへの肩をガッシリと掴んだ。
「そんな事よりだ!本当に黒のマスターから手紙が来てるのか!」
「あ、あぁ…それより、先に私の話を聞いて欲しいのだが」
前後に揺らされ凄まじい勢いで聞いてくるアーナムに引きつつも、持っていた手紙を見せる様に持ち上げながら自分の要件から済ませようとしたオレイア。
だが、オレイアの言葉虚しく手紙はひったくる様にアーナムに取られた。
「お前の話なんて聞かなくても分かっている。
どうせ、スタンピードの事だろう?
ギルドの連中には伝えてあるよ。半数は国内で避難誘導と護衛に、もう半数は門前待機で発生と同時に発生地へ先行後、そのまま前衛と後衛に分かれ前線維持をしつつ負傷した者は後方まで下がり避難誘導側と交代して前線に戻れるまで休養だ。
もちろん、連合軍の援護もする。だが、どうせ各国どこも自国優先だろう?だから、独立しているギルドは横の繋がりを利用して避難が完了して連合軍が前線に出てくるまでの時間稼ぎた。
他の国にある支部のギルドマスターも既に了承済みで準備は終わってる。
別の支部からの連絡では、スタンピードの発生予想は、ひと月の間だそうじゃないか。騎士団様達も用意しとけよ。アタシ等だって、限界は来るんだからな」
アーナムは、呆れたような口調で話しながらオレイアから奪い取った黒い封筒を惚けた顔で裏表と何度も見回した後に、そっと壊れ物を扱うより丁寧に封に使われていた蝋を小指の爪を使って剥がし中から一枚の手紙と薄い板を取り出した。
「んー…ほぉ…おぉぉ!」
手紙を読むアーナムは嬉しそうに声を漏らし、手紙と薄い板を交互に見比べている。
うんうんと何度か頷いたアーナムは、手紙を大事そうにワイシャツのポケットにしまうと薄い板に手を当て目を閉じた。
大切にしまわれたが、無情にも豊満な胸により曲線に曲がったであろう手紙を横目に、フェリシテとオレイアはアーナム行動を黙ってみている。
するとアーナムの手が淡く光り、その光は薄い板に吸い込まれていった。
「魔力を送っているのか」
「魔道具の一種なのか?」
アーナムの行動を見ながら、オレイアとフェリシテが不思議に見ていると、薄い板はアーナムの送る光りとは別の光を放ち始め、薄っすらと空中に枠が浮かび上がり始めた。
その様子をフェリシテもオレイアもギルドに残っていた者達も興味深そうに見て、アーナムだけは待ち遠しそうにワクワクした様子で見ている。
少し時間を掛けてクッキリと空中に枠が浮かび上がったと思ったら、枠内にノイズが走り一人の人物が鮮明に浮かび上がり言った。
「黙示さんだと思いましたか?残念、私でした。
ねぇ、今の気持ちはどうですか?雌狐さん」
「フンッ!」
「「!!」」
枠内に出てきた雪の言葉にアーナムが腕を振るうと、枠を挟んで向かい側に立っていたフェリシテとオレイアの間を何かがすり抜け、後ろのテーブルが粉々に砕け散った。
「あれ?もしかして私に攻撃でもしようとしましたか?
これ、映像ですから私に攻撃なんて出来ないんですよ?無駄です。無駄。
あぁ…狐には難しい話でしたかね?」
再度腕を振り上げたアーナムが、ぷるぷると震えながら振り下ろすのを耐えている。
ここで振り下ろしてしまえば、あのクソ女の挑発に乗ったことになる。と、既に挑発に乗ったアーナムは耐えている。
「雪さん、あんまりアーナムちゃんを煽るのはやめてあげてください」
「…すいませんでした…」
シュンと落ち込んだ雪の前から、映像内に現れた黙示。
その姿を見ると、ぱぁぁぁっとアーナムの顔は笑顔に変わった。
「さて、雪さんが失礼しました。
改めて、ご無沙汰しております。アーナムちゃん、お元気ですか?
今回は、倉庫を漁っていたら以前作ったビデオレターが出てきたので使ってみました。
こちらからは確認できませんが、きっとアーナムちゃんも以前よりお綺麗になっているのでしょう。
本当は、リアルタイム通話を使っても良かったのですが、こういうのも一興かなと思ってビデオレターにさせて頂きました。
お話を続けてもいいのですが、如何せん独り言になってしまうので本題に入らせてもらいますね。
まず、これを届けた彼は私の友人なので、よろしければニ、三日程度滞在するための宿の手配をお願い致します。
本来僕の要件は、これだけ終わりだったのですが…エンベル王から少しお話を聞きまして、気になった事があり調べて分かった事をお伝えしようと思います。
と、その前に、この話は少し長くなるので飲み物でも用意してからにしましょう」
「おい!飲み物を!」
「はーい」
その枠内から黙示が消えると、ハッとしてアーナムは受付に戻っていたアンナに慌てて言うと、アンナは既に飲み物の用意を始めており、別のギルド員と客が枠の周りにテーブルと椅子を集め、あれよあれよという間にフェリシテとオレイアも座らされ、目の前には飲み物も用意されていた。
そして、残っていた客とギルド員達も席に座り、いつでもどうぞと聞く準備は万端だ。
準備をしている間、チラッと枠内に出てきては勝ち誇った笑みを見せる雪にアーナムが怒りを露わに震え一生懸命暴れ回りたい衝動を抑えていた。
準備が終わり、ある者は食事をしながら、ある者は奥から持ってきた仕事をしながら待っていると、枠内に、コップとウォーターポットが乗ったトレイを持ちながら現れ、椅子に座ると話し始めた。
-人物紹介-
フェリシテ
性別:雄
備考(人型)
イケメン…ではない。ダンディでも無かった。
声のイメージはバリトンヴォイス。 濃い顔に茶髪 鋭い眼光 緑色の瞳 二メートルはあるムキムキ巨漢
おじさんとお兄さんの間ぐらいの見た目
オレイア・ホンベルド
性別:男
備考 リスコッチェ国第一騎士団長 本当に歴戦の猛者です。 おじ様っ!って言われそうな雰囲気。
アーナム・ヘイリスカ
性別:女
備考 狐族 ギルド長 雪嫌い 黙示好き ギルド員からは、姉御やお姉様と呼ばれている。
アンナ・イガール
性別:女
備考 ギルド受付 ギルド職員古参 気の利く人




