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混世界  作者: 慧瑠
なんてことは無い所詮は顔よな
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あのオークになら抱かれてもいいって言われたい7

すいません、昨夜は諸事情により更新できませんでした。


日は暮れ、外はすっかり暗くなっていた。

座りながら寝たアミリアを担ぎ直し移動していたフェリシテは、森を抜けリスコッチェ国を囲む防壁が見えていた。


「月の位置からして、日が変わる前ぐらいか。

確かに夜には着いたが…ああいう国は、夜は門を閉じていると日記に書いていたな。

それで、親父達は野宿をしたそうだが」


フェリシテは、遠目に見える大きな門が閉まっている事に気付き思い出した。

森を抜けてすぐの今の場所から大きな門までは一時間程度で着く。だが、着いた所で門が閉まっていては中には入れない。

肩に担いでいたアミリアを起こさない様に木の元へと寝かすと、羽織っていた布を被せ腰巻き一枚となったフェリシテは日記を開き、一緒に持ってきた羽ペンで定時連絡の様な日記を書き始めた。


「人間の街に行くのは初めてだ。

何か、知っておく事はあるだろうか…」


とりあえず思いついた事を書き終えると、日記を閉じて空を見上げる。


外灯などは無く、邪魔する光が一切無い美しい月明かりと満天の星空が広がっていた。


「お?あの人は起きていたのか」


日頃、落ち着いて見る事の無かった星空をボーっと見ていると、日記が薄く光り更新を告げていた。

それに気付いたフェリシテは、日記を開くと黙示からの返事がしっかりと更新されている。


「なるほど、とりあえずは寄り道せずにアミリアを連れて城に行けばいいのか。

後は、アミリアの父親の指示に従って帰るだけで俺のやる事は終わり。


何!?入国にはお金がいるだと!…俺は、人間の金は持っていないぞ」


黙示からの返事には、フェリシテの問いへの答えと魔国の共通通貨が書かれていた。

リスコッチェ王国には二種類の金が使われており、一種類はリスコッチェ王国が発行している硬貨と紙幣。

もう一種類が魔国で共通して使われている硬貨と紙幣。


商人などは基本的に共通硬貨を使用しているが、リスコッチェ王国民達は国で発行している物を使用している。

理由としては、国内での価値の違いだ。


共通通貨の金貨一枚で買える商品があるとする。それが、国発行通貨ならば銀貨八枚で買える。

もちろん、共通通貨紙幣から国内発行通貨紙幣にするならば手数料が発生し、多ければ多い程手数料額は大きくなる。


その事から、商人達などは共通の通貨紙幣を使っている。


その様な説明を長々と書かれ、フェリシテは頭を抑えて夜空を見た。


「人間に金の概念があるのは知っていたが、こんなに面倒なのか」


一人ぼやくフェリシテは、また日記に小さい襖がある事に気付き、それを開くと中から数枚の紙幣と金貨が出てきた。

襖の下の追伸と書かれた文を読めば、それは魔国共通の硬貨とリスコッチェ王国の紙幣らしく入国するには十分な程の金額になっているそうだ。


「何から何まで世話になっているな…。

親父は、この人とどうやって知り合ったのだろうか」


フェリシテは、そんな事を思いつつ半分以上流し読みした事もあって、改めて夜が明けるまで日記を読むことにした。

一番最初にページ…そこには、出会った頃の親父と黙示のやり取りと母親の事が書かれている。

親父は、自分がオークである事を悩んでいた。

母親に出会い、恋をして愛を知ったと語られている。だが、オークである自分の醜さを理解し殴り書き気味に書かれた文からも腐しさが伝わってくるようだ。


「自分の醜さ…」


無意識に口から漏れる言葉に気付く事無く、フェリシテは親の日記を読み進める。


続きを読むと日記の流れが飛んでいる様に感じたが、次に書かれた日記を読めば理由も分かった。

実際に会って話していたのだろう。

結局、こういうのは見た目や顔がモノを言うんだ!と書かれいてる文を読めば、記憶にあまり無い親父の声で実際に叫んでいる様子が浮かんでくる程に字面から気持ちが伝わってくる。

それに対して黙示は、ありきたりの言葉で慰める様に対応している事が分かる。


「…この時は、まだ母親と恋人同士ではなかったのか」


数ページ流し読みをすると、時折『エリカ』と言う名前が出てきている。

おそらく、母親の名前なのだろうとフェリシテは認識しながら読んでいく。


そして、母親が日記参加してきた日まで進む。


その日の日記を読めば、何かに襲われていた所を親父が助け母親が親父と同行するようになったと書かれていた。

親父が、コソコソと何かを書いている所を母親に見つかり、惚れた弱みなのか聞かれれば洗いざらい答えてしまい母親も参加する事になったらしい。


「この時から、親父は母親の尻に敷かれていたのか…」


なんとも言えない気持ちになりつつもフェリシテは読み進める。


その翌日には、黙示の日記が雪と言う人物の日記に変わっていた。

黙示が雪に話し、この交換日記は四人でする事にしたと書かれている。


そこからは、親父が三人に言葉責めに合い、やけくそ気味に母親への気持ちを三ページに渡り書いている。

若干ポエム気味と黙示に笑われ、雪の'もし子供ができて見られたら死にたくなりますね'と言う一言に皆が同意していた。


「すまない…死んでいるから死にたくなる事は無いだろうけど、これはなんとも言えない気持ちになる」


所謂、黒歴史を作られ晒されている父親の気持ちになって考えると、フェリシテ自身も死にたくなる気持ちを理解した。

そして、少し喉が乾いたフェリシテは腰に付けていた袋から水分の多い木の実を食べながら親父に同情しながら読み進める。


次に読んだページには、母親と雪のやり取りが書かれていた。


母親の方も、父親にちょっと気がある様な事が書かれ、雪に吊り橋効果というやつだと言われている。

それに対して、母親は'もしこの気持が吊り橋効果で偽りと言うのなら、私は先の人生を全て吊橋に変えても彼への気持ちを本物として主張する'と反論していた。


「……親父は何から母親を助けたら、オークと言うマイナスがあるにも関わらずここまで言わせきれるんだ」


母親の台詞がカッコイイと思うと同時に、自分もこんな風に言われてみたいという気持ちが湧き上がってきた。

それに加えて、先程黒歴史を晒した父親は何をしたのだろうと気になって仕方がなかった。


それからは同じ日記帳に書いているので、当然互いの相談内容など筒抜けであり、互いに互いの日記を読み、割りとトントン拍子で父親と母親は恋仲になって、日記の中でイチャイチャし始めた…八割が父親の惚気ではあったが。


フェリシテは何故かイライラしてくる自分の感情に首を傾げていたが、黙示も同じ気持ちだったらしく父親に何かを送りつけイチャイチャ日記が日を追う事に減っていった。


「一体、何を送りつけたんだ…強制矯正ギプスって何だ…」


父親は、黙示が送ってきたのを二ヶ月程着けていたらしく、その間にドラゴンの寝床に送り込まれ母親は'私好みの肉体になってきた'と嬉しそうな報告をしていた。


その辺りまで読んでいると、結構時間が経っていたのだろう。

空が白み始めていた事に気付いたフェリシテは、日記帳を片付けアミリアが起きるのを待つことにした。

-人物紹介-


フェリシテ

性別:雄

備考(人型)

イケメン…ではない。濃い顔に茶髪 鋭い眼光 緑色の瞳 二メートルはあるムキムキ巨漢

おじさんとお兄さんの間ぐらいの見た目。

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