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混世界  作者: 慧瑠
なんてことは無い所詮は顔よな
43/140

あのオークになら抱かれてもいいって言われたい6

更新遅れと、まだ気力があったので二話更新。


何かありましたら、報告ください。

「ありがとうございます」


「本当だ。

なんで、俺があんな事をしなきゃならんのか…」


担がれているアミリアが嬉しそうに小さい声で言うと、フェリシテは謙遜すること無く疲れたように言いながら樹々を避け草を踏み潰しながら川へと歩いて行った。



「さてと…」


周囲の空気が涼しくなっている川に着くと、フェリシテはアミリアを肩から下ろし腰に付けていた木の実入れから赤い飴玉を一つ取り出した。


「…食べればいいんだよな…」


何の疑いも無く黙示の言葉に従ってはみたが、いざ謎の物を食べるとなるとオークである彼も少し抵抗を覚えた。

きっと大丈夫だと分かっていても、フェリシテは何回か匂いを嗅いでみるが、少し甘い匂いが漂い魅力的感じ、食べたいと言う欲求がどこからとも無く湧いてくる。


「よし…。

おい、そこから動くなよ」


「え?あ、はい」


勝手に自分を岩場に置いて、何やらしているフェリシテに突然声を掛けられ間抜けな返事をしたアミリアを横目で確認しつつフェリシテは、赤い飴玉を口に含んだ。


「お、おぉぉ?おおっ!」


「ど、どうしたんですか!」


飴玉を口に入れた瞬間、甘さが口の中に広がり味わったことの無い甘味を堪能していると。突然飴玉が熱を持ち勢い余って飲み込んでしまった。

飴玉を飲み込んだフェリシテは、体が熱を持ち始めその事にフェリシテ自身驚いている。

だが、それよりもフェリシテのやることを見ていたアミリアは、突然体中から煙を発し始めたフェリシテにフェリシテ以上に驚いていた。


「ちょちょっと!大丈夫ですの!」


どうしたら良いか分からず焦り狼狽えているアミリアに、フェリシテは自分の頭を抱え目を見開き驚いた様子で黙っているだけだ。


「煙がっ」


もう、アミリアにはフェリシテの姿が見えず立ち込める煙だけでキョロキョロと周りを見渡す。

そうして、どれぐらい経っただろうか…煙は少しずつ晴れ、その中に立つ人影をアミリアは見つけた。

しかし、その人影にアミリアは違和感を覚えた。

確かに大きい…だが、オークにしては小さいその人影に。


「なるほど…世界にはこういう道具もあるのか」


人影は呟いた。

その大男は、短めの茶髪の頭を抱えながら緑色の瞳を見開き上半身裸で、腰に一枚布を巻いているだけだった。


「キ、キャんぐっ!」


突然現れた変態にアミリアが驚きの声を上げようとすると、まだ晴れきっていない煙から腕が伸びアミリアの口を塞ぐ。


「叫ぶな」


「んん!」


その大男から告げられた言葉に一生懸命頷いていると、煙が晴れ大男と目が合った。


「まぁ、でも驚くよな…」


「んぐ……ま、まさかオークですか?」


濃い顔に、鍛え上げられた肉体の男が少し困ったように苦笑いとすると、その口元から見えた鋭利な牙と声に覚えがあったアミリアは何度目かも分からない驚きの声をあげた。

その言葉に一度頷いた大男、フェリシテは持ってきていた布を肩から羽織ると、元々オーク用で大きかった布はマントの様になり二メートルちょっとはあるフェリシテの体を隠しきった。


「それで…どうしてそんな事に…

オークが人間になるなんて…」


「なんと説明していいか…」


驚きすぎて逆に冷静になってしまったアミリアが聞くと、フェリシテはやはり困ったように頭を掻きながら少し考え答えた。


「俺の親父の友人から貰った飴玉が、他種に肉体を変える道具だったらしくて…

あと、足りない思考を補ってくれる様な感覚もある。突然、頭が良くなった感じだ。


これからどうしたら良いかも考えついた。

今から、リスコッチェ王国に最短距離で向かう。

森を突っ切るから俺がアミリアを抱えて寝ずに移動するから、朝になる前にはリスコッチェ王国に着く」


「え、貴方が…」


「フェリシテだ。

俺の事は、フェリシテと呼んでくれ。

ちょっとの間だが、よろしく頼む」


「は、はい。

アミリア・リスコッチェです。

よろしくお願い致します」


鋭い眼光を持ちながらも少し暑苦しい笑みを見せ紳士的なフェリシテに、どう反応していいか分からず、差し出された手を握り返しながらアミリアはペコッと頭を下げた。

それを見て、フェリシテは満足そうに頷くとアミリアの手を少し強めに引っ張り、突然の事で体勢を崩したアミリアをそのまま肩に担ぐとフェリシテは、リスコッチェ王国へ向け駆け足で走り始めた。


「あの、ちょっと…この体勢は…」


「さっきからこうだっただろ?」


オークの時とは違い、何故か少し恥ずかしそうに言うアミリアに、フェリシテは少し意地悪をしながら笑い走り続けた。


途中で休憩を挟み、アミリアの抗議により肩に担がれる体勢から、肩に座る体勢に変わったが支えられていても思ったより不安定でフェリシテの短髪をガッシリと掴んでしまい、フェリシテが少し不機嫌になりかけた。


少しするとアミリアは座る事に慣れたのか、フェリシテの肩に座りながら鼻歌を歌い始め、その様子に微笑ましく思いながらフェリシテも走る速度を上げた。

-人物紹介-


フェリシテ

性別:雄

備考(人型)

イケメン…ではない。濃い顔に茶髪 鋭い眼光 緑色の瞳 二メートルはあるムキムキ巨漢

おじさんとお兄さんの間ぐらいの見た目。


アミリア・リスコッチェ

性別:女

備考 現在驚きはありつつもご機嫌 割と図太い神経の持ち主 フェリシテに対して少し話せる様にはなってきた。

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