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混世界  作者: 慧瑠
怪談と恋話は夏の風物詩
4/140

夏と言えば怪談1

-自己紹介-


喫茶店-本の蟲-のマスター


明示(みょうし) 黙示(もくし)

性別:男


喫茶店-本の蟲-の店員(厨房担当)


(せつ)

性別:女

いつもの:アイスティー

店の料理は彼女が作っている


常連客


橋本(はしもと) 林檎(りんご)

性別:女

いつもの:ミルクティー

高校生



-本日営業中-

「ねぇねぇ、黙示さん!」


「なんですか?」


何かにハッ!と気付いたような林檎がビシッと手を上げて黙示を呼ぶ。

対して一通り仕事を終えた黙示は、自分用に淹れた紅茶を飲みながら林檎の話に耳を傾ける。


「未来も混ざったって事は、未来はもう分かってて…実は未来の私もいるの?」


「あぁ、それはね。混ざる前の未来は一緒に混ざったけど、その混ざった未来に居た無数の林檎ちゃんの中から今の林檎ちゃんが時間を経て産まれて存在してるんだよ。


だから、気にしてるように未来の林檎ちゃんも別の過去の林檎ちゃんも存在はしない。

林檎ちゃんは林檎ちゃんだよ


もちろん、昔は自分が二人以上存在する人も居たし、ちょっと大変な事があったりもしたよ。

今でも例外がいるけどね。


追加で言えば、この世界の未来は混ざりすぎてパラレルになる前に不安定だから

仮にタイムマシンが完成しても、混ざる前の時間には行けないし未来にも行けない。

そういう感じかな。」


「ふーん…黙示さんは物知りだね」


「あくまで、個人的に仮説を立てて調べた結果だよ。

もしかしたら、どこかに林檎ちゃんが居るかもしれないね。」


「えー!それこわーい!」


優しい笑みを浮かべながら黙示は、林檎の質問に答え

キャーと笑っていた林檎は、ハッ!と思い出したように別の話題を黙示に話し始めた。

忙しい子だと思いながらも、いつもの事で慣れている黙示は紅茶をおかわりしながら耳を傾け続ける。


「そういえば黙示さん!知ってます?

最近、この付近で口裂け女が出没するんですよ!」


「へぇ…口裂け女ですか」


分かっていた事なので、いきなり話題が変わったことには触れず黙示は林檎の新しい話題に興味を示した様な態度をとる。


「そうです!

なんでも魔法の言葉'ポマード'も効果が薄いみたいで、結構学校でも会った人がいるんですよぉ…」


「まぁ、今時、幽霊やそういう類いも珍しくありませんし

それなりに適応してきているのでしょう」


「うーん…でもやっぱり怖いものは怖いですよね」


まだ口裂け女に会ってない林檎は、その相手を想像しているのか笑顔が少し引き攣り

慌ててミルクティーを飲み気持ちを落ち着かせる。


そんな時、カランカランと店のドアが開く音が響く


その音に林檎は反応し体が少し跳ねるが、振り返り入ってきた人物を確認すると安心した様に、その人物へと駆け寄り飛びついた。


「雪さーん!」


「あらあら、いらっしゃい林檎ちゃん

いきなり飛びついてきたら危ないわよ?


黙示さん、ただいま戻りました」


「おかえりなさい、雪さん」


店に入ってきた雪と呼ばれた人物は、黒い長めの綺麗な髪を軽く束ね肩から前の方に流し

深い青の着物に白い割烹着

そして、透き通る様な綺麗な声とそれに相応する綺麗な白い肌と容姿をしており

男女問わず、この店に来た客であれば一度は必ず彼女に目を奪われてしまう程に魅力的な女性だった。


片手に荷物を抱えていた雪は、黙示に挨拶をして林檎の頭を軽く撫でるとカウンター横から黙示のいるカウンターの内側へ

そして、そのまま黙示の後ろにある暖簾から店の奥へと入ってく。


林檎は、撫でられてエヘヘと頬を緩めた後、暖簾をくぐる雪を見て慌ててカウンターの席に戻り雪に言った。


「雪さん!私、雪さんのパフェ食べたい!」


「380円ね」


「サービス!」


「つけにしとくね」


だが、答えたのは雪では無く黙示。

カウンター下からノートを取り出した黙示は、数ページめくり林檎ちゃんと名前が書かれたページに'380円'と書き足していく。

そのページには、既にかなりの数字と所々その数字の上から赤線が引かれている。


「も、もしかして…」


「サービスもするけど、僕は食い逃げは許さない主義なんだ。」


「しゅ、出世払いで」


「期待しているよ」


チラッと視界に入ったページの内容を見て、林檎は苦笑いを零し

黙示はニッコリと笑い、その笑顔に林檎の苦笑いに引き攣りが足され

目が泳ぎつつも将来支払いを約束する。


そのページに書かれているだけでも、数万はあると確認した林檎は両手で顔を覆いたくなった。


「黙示さん、あまりかわいい女の子を虐めてはダメですよ」


「そ、そうですよ!黙示さん虐めよくない!」


微笑みながらパフェを持ってきた雪の言葉を聞いて、水を得た魚の様に意気揚々と貯金の少ない林檎は黙示の言葉を責める。


「でも、出世払いには期待しとくわね」


「ぅ…はぃ…」


雪の追い討ちの言葉に意気揚々としていた林檎は声小さく返事を返し、目の前に置かれたパフェを口にする。

林檎の口の中でゆっくりと溶け始めるアイスが広げていく甘さに、ゆるっゆるに緩めた頬と満足気な雰囲気を醸し出しツケの事なんて既に忘れた林檎は、幸せそうに次々とパフェを口に運んでいく。


「そういえば、一体何を話していたんですか?」


美味しそうに食べてくれている林檎を見ながら軽く手を拭いた雪が、先程までの話を内容を黙示に聞く。

黙示も黙示で林檎を眺めながら雪の質問に答える、


「最近、林檎ちゃんの学校で噂になっている口裂け女のお話を聞いていたんです。」


「あら、口裂け女ですか?」


「みたいですよ。」


パフェを食べながら、その美味しさに一口食べるごとに顔がとろけた様にだらしなくなっていた林檎は、キリッとしてみるが締まらない緩んだ表情のまま黙示と雪の話に付け加えるように話し始める。


「そうなんです!

私の高校の男子達が口裂け女を討伐するんだーって深夜徘徊して、有名な撃退法とか色々試したみたいなんですけど…


どれも効果が薄かったみたいで、結局は二階に逃げて朝まで待ってたみたいですよ」


「撃退法はあくまで撃退法であって、討伐とは別物だからね。

撃退法として知られてるのは退けたり居なくなってもらう事で、討伐するなら消滅させるまでやらなきゃダメだよ。」


「それに口裂け女に限らず妖怪や幽霊は、簡単に討伐できるほど軟じゃないですよ。」


林檎の話を聞き、ニッコリと笑い言葉を返す黙示と雪にポカーンと間抜けな顔を見せる林檎は少し考えパフェを一口食べ考え

二人の知ったような言葉に気になり林檎は聞いた。


「黙示さんと雪さんは、そういうのに詳しいんですか?」

一ページ一ページ短かったり長かったりします。

申し訳ありません。


できるだけ、近い文字数で書くよう意識はします。

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