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混世界  作者: 慧瑠
なんてことは無い所詮は顔よな
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あのオークになら抱かれてもいいって言われたい1

皆様、私は次の章をどうするか一日悩み…決まらなかったので後々に書こうと思っていた章を書くことにしました。

これが、終わる頃には 林檎と七不思議 か 夜の街の案内ロボ のどっちを書くか決まっている頃でしょう。きっとそうでしょう。

「おーい、飯はどうするよー」


「悪い、今はちょっとそういう気分じゃねぇわ」


「んだよ、またかよ」


巨体で肥えた体に、パンパンの顔に鼻先は空へ向き、口角からは牙が伸びている。

'オーク'と呼ばれる彼等は、集落を作り森の中で暮らしていた。


そのオークの一体が、食事時を伝える為に家々を周っている。そして今、断ってきたオークに文句を言いつつもその家を後にした。


「……臭いな。

水浴びをしてくるか」


断ったオークは、さっき入ってきたオークと自分の臭いを嗅ぎ、眉間にしわを寄せ呟くと

騒がしくなり始めた集落の広場をチラッと窓から覗き、集まっている者達にバレないように裏口から近くを流れる川へと移動した。


「ヒッ…」


「…」


川に移動する途中、集落の端に建てられた牢屋から声が聞こえた。

声に反応して川へ向かう途中のオークが見ると、布一枚だけを身に着け、様々な種族の女達が身を寄せあっている。


「今は、飯時だ。

お前らを使う気はない」


その言葉だけを残し、オークは川へと急ぎ向かう。


オーク、その種族は雄しか生まれず繁殖に為に他種の雌を孕ませる事ができる。そのため、他種の雌を攫う事が当たり前であり、故に他種からは疎み憎まれ多少なりとも知性ある種族にも関わらず討伐対象と言う認識が一般的だ。


そんなオークの一体である彼は、川へと浸かり来る途中で回収した乾燥した瓜を使い体をこすっていた。


「皆も日頃から体ぐらい洗えば良いだろうに」


そう呟き体を洗うオーク。


オーク自体に風呂と言う概念は無い。苗床である雌に水を掛けてある程度は清潔感を保つ事などはするが、自分達が日常的に風呂に入るなどの考えは無く繁殖時に雌が長持ちする様にと儀式の意味合いも兼ねて水浴びをする者がいる程度だ。

そのため、まったく洗わない者も当然いる。その悪臭からもオーク達は嫌われていた。


「…やはり、醜いな」


使っていた瓜を濯ぎ、その辺の岩に置いて流れる川に全身が浸かる様に体勢を整えると、瓜の置いた岩に水が溜まっていて、そこに自分の顔が映っていた。

それを見たオークは、また呟く。


オークは、綺羅びやかな物も好む。だが、それ以上に彼は美的感覚を持っていた。

彼は、生まれ成長していくと共に他のオーク達とは違う感覚と考えを持ち始めていた。


なぜ、自分達は醜いのか。

なせ、わざわざ雌を攫わねばいけないのか。

この世界では、異種婚など普通だ。なのに何故…と、日頃考えている。


「まぁ、外見の醜さは諦めてはいるんだ。

しょうがない、俺達の種族的問題だ。

いや、オーク界では俺はイケメンな方だが…」


岩に溜まった水に浮かぶ自分の顔を見て自傷気味に笑い、そろそろ戻るか…と川から上がって先程の乾いた瓜を体の表面で転がし水気を取っていく。

ある程度水気が取れたら、後は歩けば乾くため集落へ戻ろうとすると…近場の草むらがガサガサと音を立てて揺れた。


「ん?」


もちろん、音がなれば気になりオークは振り向いた。

この周辺は、自分達が居るから他種が来ることはほぼ無い。たまに外に出たオークが、逃げながら集落に戻ってくるから討伐に来てた者達が来る事もあるが…仮にもオークの集落だ。数人程度なら数の差でも自分達が負ける事はない。


ともなれば、野生の動物か何かか…そういえば、少し小腹も空いたな。と、揺れる草陰を睨みつけ出てきたら持ち帰って料理して食べようとオークは決めた。

だが、草陰から出てきたのは野生の動物ではなく…


「ここは…ッ!オーク!あぁ…やっぱり私は不運だ…」


森を移動していたのだから当然だろう。

本来は綺麗な物だったのだろうが、所々破け土汚れも付いたドレスを来た人間の雌だった。


「人間が来たと言う事は討伐にでも来たか」


しかし、相手は一人。それも人間でも若い方であろう女だ…負ける要素はないな。


近くの岩を持ち上げたオークは、臨戦態勢に入った。

普通ならば、適当に傷めつけ攫い苗床用にするのだろうが、彼はそれがあまり好きではなく来るならば攫わず殺すと決めていた。


「わ、私を攫う気ですか!や、やってみなさい!これでも王女です!けして屈しません!最悪、舌でも噛み切って死んでやります!」


「だったら早く噛み切って死ね」


でてきた女は、プルプルと震えながらもキッと怯えと覚悟を決めた目でオークを睨んだ。

睨まれたオークは、持ち上げていた岩を何時でも投げれる様にしつつも下ろし女にそう言った。


「なっ…さ、攫わないのですか…?」


「貴様に興味は無い。

自分で死ねないのなら、俺が殺す。

逃げ帰って討伐隊を送り込まれても困るからな」


「くっ…」


少し驚いた様に聞き返してきた女に冷たく言い返すと、女は悔しそうな顔をした後にガリッっと自分の舌を噛み切ろうとした…が、すぐに涙目になり


「ぃひゃぃ…」


と、噛み切る事をやめてしまった。


「……はぁ…」


それを見て大きな溜め息が漏れるオーク。

その溜め息にビクッとしながら、オークの様子をチラチラと見る女。

なんとも言えない時間が流れ、少し気疲れしたオークは集落とは違う方向に向け歩き始めた。


「こ、殺さないのですか!」


「うるせぇよ。

殺して欲しかったならそう言え」


「いやっ…死にたくないッ」


声を掛けてきた女に向け近場にあった岩を持ち上げ投げると、怯え目を瞑った。そして、オークは女に当たらない様に女の後ろの木に岩を思いっきり投げつけ、また歩き始めた。


「森は広いし…俺が向かった方向を覚えて討伐隊を差し向けても集落にはつかねぇ…

うん、あの女を殺す理由も無いな………何に言い訳してんだか」


自分のしている行動にちょっと恥ずかしさを覚えて、かなり遠回りをして集落につくと何やら広場が騒がしかった。

様子が気になった彼が広場へ向かうと、そこには身ぐるみ剥がされ一生懸命に大事な所を隠している女の姿…

そう、さっき見逃したはずの女の姿があり、女は自分を囲むオークに叫んでいた。


「オ、オークなんかにけして屈しません!最悪、舌でも噛み切って死んでやりますよっ!」


「何やってんだ…あの雌は…」

-人物紹介-

名前を出していないので、種族紹介に近くなります。



オーク

二メートルから三メートルが平均的である巨体の種族。

群れを作る事が確認。

雄しか居ない理由は、他種に子供を生ませ、それが雄だった場合は高確率でオークになり雌だった場合は母体の種に絶対になる為、オークには雄しか存在しない。

個体が名前を持つ事はほぼ無い。※いくつか例外あり。

筋肉質な者から肥えた者まで様々ではあるが、基本的に肥えている者が多い。

口の端から伸び出ている牙は武器の素材として使われる事もある。

力が強い反面鈍足という欠点もあるが、皮膚が固く防御面でも生半可では傷すら与えきれない。

科学面でも評価されるほどの皮膚には研究対象でもあったりする。


進化、派生にオークキングなど存在。


ギルド制作 種族別情報集約本より抜粋


舌を噛みきれなかった女

お姫様。



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