パーティーは楽しんでなんぼ1
応援や評価、ありがとうございます。
爆発的に増えたりは、ありませんがVPとやらも少しずつ増えていき、かなり励みになっています!
トイレの中に一読み…みたいな読みやすさを目指し、暇を潰せる程度には…を最低目標に頑張っていきます。
もちろん、最後には伸びていく鼻を伸びきらして高らかに掲げる為に書籍化!なんて夢も持っていますがねフフフ
ゆっくりと、ジャンル問わずにやりたいことをやっていく作品ですが、末永くお付き合いください。
高い天井に広い空間、きらびやかに装飾されたその部屋は龍族族長本館のリビングルーム。
部屋の一番奥には、美しい赤きドラゴンの姿になっているレリーアが人型の龍族に囲まれ祝いの言葉を受けていた。
今は、族長交代のパーティーの最中であり黙示も参加し右から左からと喋りかけられアワアワしているレリーアを肴に龍族産のフルーティー風味を持つエールを飲んでいた。
「賑やかですねぇ…」
レリーアの周り以外でも、商人や招待された者達が雑談を楽しみ親睦を深めている。
横に立つ雪に何度かダンスの誘いが来たりと黙示の周りも些か賑やかだ。雪も少し困った様に断りと入れる様子を耳に視界ではアワアワとするレリーア、黙示は飽きない肴に満足しながら追加のエールに手を伸ばす。
「よぉ」
「これはこれは、先程はお疲れ様でした」
「嫌味か」
「そんなつもりは」
一人、酒を飲んでいた黙示に近づき少し不機嫌そうに話しかけてきたのは、先程武闘会でも相手をした極執。
本人に嫌味のつもりなどは無かったのだが、相手にとってはそういう風に聞こえたらしく、極執は不機嫌な顔を一層顰めて黙示の横に立ちワインを口にした。
「…そろそろ一回帰る事にしたわ」
「それはいい判断ですね。
そのまま隠居も考えては?」
「馬鹿言うな。
俺は最強になると誓った。
お前と雪、それにまだまだ上は居る。隠居なんて先の先だ」
「もういい歳でしょうに…
彼女達も落ち着いて欲しいと思っていると思いますよ」
「理解ある嫁達だ。
俺の我儘に付き合ってくれて感謝しても足りねぇよ」
横でコクコクとゆっくり飲んでいる黙示に視線を送ると、持っているワインを一気に飲み干し黙示と同じエールを取っては一気に飲むを繰り返す極執。
黙示は、極執を気にせずに自分のペースでゆっくり空にしては次に手を伸ばした。
「モテる男が言うと、カッコイイですねぇ」
「たまには、黙示も家に来ればいい。
あいつらも歓迎すると思うぞ」
「遠慮しておきます。
行っても惚気と愚痴しか聞けないので」
極執が近くに居るせいか、黙示はチラチラと視線を感じる。
極執の容姿は、爽やかで十人に聞けば十人がイケメンと答える程に整い異性を魅了する。そのせいか、ちょっと押しに弱い極執は嫁を五人、愛人を二人とハーレムを築き、噂では現地妻まで居るのだとか。
その極執が横に居るのだ。武闘会を見ていた者達も含め視線は黙示も捉え本人は少し鬱陶しさを感じていた。
「黙示」
「なんですか?」
その視線に慣れている極執は、気にすること無く話を続ける。
「この世界になって、もう三百年は経つ。
お前は俺と同じで始まりから居る。だが、これ程までに強さに差がある。
どうやったら、そこまで行ける」
真剣な目で極執は黙示を見つめ聞く。
「貴方と同じですよ。
守りたいモノがあったから強くなろうとした。
結果が今…それだけです」
黙示は、自傷気味に笑い、極執の方を向かずに空になった木製のジョッキの中を見つめながら答えた。
その返答に納得がいかないのか極執は不満気だ。そんな極執の雰囲気を感じたのか、今度は黙示が聞いた。
「極執さんは、何歳でしたっけ?
あぁ、その姿と言いますか、止まった年齢でいいですよ」
「…二十歳だ」
「そうですか…あまり、僕と変わりませんね」
ふふっと笑い、新しく酒をテーブルから取り一口飲みながら黙示は言った。
この世界では、不老不死は珍しくない。
多いわけでもないが、居ないわけでもない。
不老は、その名の通り老いを忘れ。不死は、死ぬ事を許されない呪縛。
不老不死を求める者は今の世界でも絶えず居るが、不死性と言うのは普通には死なないだけで不死殺しと言う矛盾も存在するのが当たり前。
それ故に、不老不死が死んだと言う事も珍しいだけでありえる話。
極執も黙示も、不老不死ではあった。
黙示は、この世界に来てから。極執は、異世界転移を繰り返す内にスキルとして得た。
無限の時間を有する二人は、世界が混ざり初の出会いからも何度か刃を交わす事もあった。
その中で、極執は黙示に執着を見せる。
初めて会った時から、今まで一度もたったの一度も攻撃を入れられた事がない。
極執にとって、それは異例の事で認めたくない事実でもあった。
化物と戦った事もある。世界を救った事もある。神を殺した事もある。
不死だろうが、超高速回復を持つものだろうが、なんだろうが…
敗北もあった。だが、それは接戦の中で、攻撃を与え与えられ経験がスキルの差を埋め、スキルが経験を補い後一歩が足りず敗北したり、引き分けたり。
「俺の方が、強いと思っていたんだけどな」
隣で飲む黙示に言うわけでもなく、一人呟く。
圧倒的なまでの差は、どこで生まれたのか…
埋まらない差は、いつまでも埋まらないままだった。
今日は一撃決めたと思った。手加減をしている黙示が相手であっても陰陽モドキしか使わない黙示であってもだ。
それでも、黙示には当たらない。大きな壁。
劣等感にも似た何かを黙示に抱き、大きな溜め息を吐いた。
「溜め息は幸せが逃げるそうですよ」
「お前に言われてもな」
「それもそうですね。
あぁ、そうだ…」
極執の言葉に、確かにと頷きつつ黙示は思い出したかの様に極執に向け笑みを見せ、来ていた服の肩口を少しズラして極執とへと見せる。
「ちょっと悔しいので黙っておこうと思いましたが、何やら落ち込んでいる様なので、言っておきます。
僕から言われても嫌味に聞こえているでしょうが…以前より強くなりましたね」
黙示がズラし見せた肩には、強く何かに打ちつけられた様に縦に赤みを帯びた痕の様なものが見えた。
それを見て極執は驚く。
届いていないと思っていた攻撃が届いていた。
切るまでには至らずとも、その刃は確かに壁に傷をつけていた。
それは、極執にとって大きな一歩。実感する進歩だった。
「本当、嫌味だわ」
そう言い、酒を一気に飲む極執の声は、落ち込んでいた様子など無かったかの様に張りを取り戻し。
見える横顔は、少しニヤけていた。
「それはどうも」
新しくテーブルから酒を取った極執が木製のジョッキを黙示に突き出すと、黙示は単純なのか何なのか…と少し呆れた様に半分程残っているジョッキを軽くぶつけ、二人とも一気に飲み干した。
-人物紹介-
-喫茶店-本の蟲-のマスター-
明示 黙示
性別:男
補足:不老不死? 陰陽師モドキ
藤堂 極執
性別:男
補足:人間 ハーレム持ち
ステータス称号:
探求者 精霊使い 精霊の加護 剣聖 etc.
スキル:
重力魔法(重力操作) 不老不死




