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混世界  作者: 慧瑠
景品は闘技場で、昔話は夜会で
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閑話 黙示の居ない-本の蟲-3

やっと閑話が終わるんじゃ…。

「あれ…私…」


「あ、林檎ちゃんおはよう」


「うん、おはようアルーテちゃん。

あれ?アルーテちゃん?」


「どうしたの?まだ寝ぼけてるの?」


目が覚めた林檎が辺りを見渡すと、カウンターの奥で紅蓮の髪を持つ女性と灰色の男の子達が一生懸命に天井と床にモップがけをしていた。

すると、後ろから友人の声がして振り返ると、笑顔でラトがお盆を持って自分を見ている事に気付く。


だが林檎の最後の記憶では、笑顔を見せる友人が燃えて死んだはずだった。


「アルーテちゃんはアレ?燃えて…」


「な~に~、林檎ちゃん私が燃える夢でも見てたの~」


「夢?そっか、夢かぁ!

もー、びっくりしちゃった!」


「せっかくパフェ作って来たのに林檎ちゃん寝てるし。

そしたら、まさか私が燃える夢を見てるなんてぇ」


二人してえへへーと笑い合っている様子をリュコスはミルクを飲みながら冷たい目で見ている。

同じく、二人の様子をナフルルが燃えるような赤い目で睨み殺さんばかりに見つつモップがけをしていた。


「ん?どうしたのナフルル。

早く綺麗にしないと、雪にお店の備品溶かした事チクっちゃうぞー」


「ゴキブリが…もう一度消し飛ばしてやろうか!あぁ?」


ラトの言葉に反応したナフルルは、手に持つモップがミシミシと音を立てている事など気にせずにラトの胸ぐらに手を伸ばすが、その腕はカウンターで紅茶を作っていた男に掴み止められる。


「あぁ?てめぇも一緒に燃やして「黙示に言うぞ」……ごめん」


腕を掴んだ男、ヨトの言葉にナフルルはシュンと本当に小さくなった様な錯覚が見える程に怯え、小さく謝罪を述べた後モップがけに戻った。


「ねぇアルーテちゃん。

ナフルルさんってアルーテちゃんの知り合いなの?」


二人の様子を見ていた林檎が、こそこそとラトに耳打ちをして聞く。

ちょっと耳に掛かる息にこそばゆさを感じつつも林檎と同じ様にコソコソと耳打ちを返す。


「なんか、勝手にライバル意識持ってて、私の秘密基地だった森とか燃やしたりするストーカーみたいな奴だよ。

それに、黙示に惚れてるんだよ」


「て、てめぇ!いい加減な事を言ってんじゃねぇ!

やっぱり、てめぇはいけ好かねぇ!もう一度!「ナフルル!」っ…てめぇ…この…覚えてろよ…」


ラトは、林檎の様に耳打ちをするフリだけで、わざとナフルルにも聞こえる様に最後の方はハッキリと林檎に教えた。

もちろん、それが聞こえたナフルルは顔を真っ赤にして足元からチリチリと火花を散らせながらカウンターを乗り越えんばかりの勢いでカウンター向こうに居るラトへと腕を伸ばしかけたが…

大きなため息と共に自分の名前をヨトに呼ばれ、悔しそうにブツブツと呪いの様に呟きながら力強くモップがけに戻った。


「ククッ…いやぁ~しおらしいナフルルなんて滅多に見れないから新鮮だなぁ」


「ぜってぇ殺す。いつか殺す。必ず殺す。」


「ラト、お前もそれ以上は煽るな」


「はいはーい」


ぷるぷると震え、今にも折れそうなモップに憐れみに目線を送るヨトの言葉にラトは適当に返事を返してヨトが入れた紅茶を客の元へと運んでいった。


「リュコスさんリュコスさん」


「ん?なんだ」


うーん。と何やら悩んでいた林檎は、今度は冷たい牛乳を飲んでいるリュコスの隣に座り小声で呼んだ。

必要のない疲れを感じていたリュコスは、林檎に呼ばれ死んだような目で林檎の方を向く。


「ヨトさんが一番年上なんですか?」


「いや、そういう訳でもないはずだが…どうなんっすか?」


この三人の本当の事を知っているリュコスは、答えに迷い本人に話題を振ってみた。すると、ヨトはリュコスを一度見た後、林檎の方を見てフッと笑った後にミルクティーを林檎に差し出しながら答えた。


「一番利口で優しいお兄さんだ」


「おぉ!やっぱり!ビジュアル系な優しいお兄さんなんですね!」


「あぁ。カッコイイだろ?」


と、入れ知恵をするヨトにリュコスは苦笑いしか出てこなかった。

そして同時に、素で煽て上手な林檎に末恐ろしさ感じていた。


―――

それから、ラトが作ったパフェが蠢いていたり、掃除を終えたナフルルがそのまま店を手伝ったり。

呂呂が仕事を終え来店してきてリュコスが一層疲れたりと、いつもと変わらず騒がしいとまでは行かないが賑やかな-本の蟲-。


常連達も、賑やかさに時折笑みをを見せたり困った様な顔をしたりと様々な反応が見えた。


黙示が居ない-本の蟲-は、夜まで開き来店する客も黙示が居ない事に驚きはありつつも雪が作りおきしたメニューを頼み食事をしたり。いつもと少し違う-本の蟲-一日目は深夜前に終わりを迎えた。

-人物紹介-


ヨト・ネクロ

性別:男 (本来:性別無し)

備考:神話生物ヨグ・ソトース


ラト・アルーテ

性別:女 (本来:性別無し)

備考:神話生物ナイアーラトテップ


ナフルル・ハウト/ナフル・ルハウト

性別:女/男 (本来:性別無し)

備考:神話生物クトゥグア


月無つきなし リュコス

性別:男

備考:狼男 コンビニ店員 苦労人


橋本はしもと 林檎りんご

性別:女

備考:JK 今回は被害者

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