パーティーはまだ始まらない3
ふと思ったのですが…
この作品のジャンルは、ローファンタジーでいいのかどうか…
-二日後-
「それではゴードさん、よろしくお願いします」
「本当に準備は終わったのか?」
「はい、お店の方も友人が代わりに開けてくれるそうなので」
「そうか…しかし、荷物が見当たらないが…」
黙示達は、店の場所から交通機関を使用して20分程離れた場所で待ち合わせをして合流していた。
その場所は広い空き地の様な場所で、物が何一つなくゴード達の様な飛行可能な者や、本来巨大な肉体を持つもの達が周りに迷惑を掛けぬようとして使っている場である。
既に10m程のドラゴンの姿になっているゴードも、ここを着陸地として使って来ていた。
翼を動かし、違和感が無いことを確認したゴードは黙示と雪に最終確認をしていると、黙示も雪も荷物を持っている様子が無かった事から本当に準備が終わっているのか不安になり聞いていた。
「荷物はココにありますよ」
不安そうなゴードに黙示は自分の横の空間を撫でて見せると、空間に切れ込みが入りゆっくりと開き黒く塗りつぶされた空間が現れた。
「それは'空間魔法'…黙示殿は魔法使いであったか」
「まぁ、魔法使い'でもある'と言った方が正しいですかね」
自分の言葉に、一部分を強調して返した黙示に不思議そうな顔をするゴードだったが、リドル族長から黙示に関して言われた幾つかの内容の中に'黙示と言う男は理解の範疇から外れている。'と言われた事を思い出し、黙示は魔法使いと無理矢理ながらも納得をした。
混ざったこの世界では、'科学'の他にも'魔法'が当たり前の様に存在している。
だが、魔法使いとそうでない者が子を成しても魔法使いが生まれるとは限らない。また、魔法使いと魔法使いの間の子に必ず魔法を使える子が生まれるとも限らない。
逆に、そうでない者とそうでない者の間の子が魔法を使える事があったりもする。
ならば、何故黙示の言葉にゴードが疑問を覚えたか…
この世界には、魔法使いの他にも特殊な人間が複数存在している。
魔法を使う者。
妖術を使う者。
科学式で魔法の様な現象を再現する者。
霊力と呼ばれる力を使う者。
神力と言う神が使う力。
ゴード達の様に、種族的能力を持つ者。
その他にも様々な者が存在する世界で、確認されている事がある。
'一つの力を有している体には二つの力が宿る事はない'
これは、混ざり狂ったこの世界において確認されている一つの事実であった。
つまりは、魔法を使える者に妖術や霊力など別の力を振るう事はできない。ならば、科学の力を使えばいいではないかと考えた者がいた。
だが、それは失敗に終わった。
この世界の科学は、それに基づいた現象の再現をする際に何らかの別の力を使っている。
分かれば、簡単な事である。
科学式を使って火を起こす場合、複数のやり方が存在する。
例を上げれば、魔法を使う際に使用されている魔力を科学の道具を使い集め火をつける。
だが、それで霊力を集める事は叶わず、霊力を持っている者が魔力を使う道具を使おうとすれば魔力と反発して不発する。
この世界は、複数の力が存在して力同士は反発し合っていた。
だが、やはり科学の進歩と言うのは凄まじく、どの力でも同じ現象を起こす道具などが存在したりもしている。
別々の道具ではあるが、結果は同じ事ができる物を。
ただし、神力と枠組みされた力は神と呼ばれる存在しか扱う事ができないと言う例外はあるが。
故に、魔法使いしか使えない事をただの人間ができる道具があったりと…それぞれができるからと言って特質する事は無くなっていた。
もちろん、魔法使いがソレを極めれば道具を超えた効果を発揮する事も当然。
だから、この世界の認識では、特殊的な力はソレに長けた者。何も持たぬ者は万能者と認識されている。
万能者は、選ばれなかった器用貧乏と蔑む者も居る。
それは何故か。
世界が混ざり発展に発展を重ねた科学の現在の限界にあった。
先程黙示が使った空間魔法。
これは、発展した科学では実現できていない。
魔法使いしか空間魔法は使えず、科学で再現するならばマジックバッグと呼ばれる鞄が最も近い。
内容量を膨大に拡張した鞄、それがマジックバッグ。
その性能から高価な物ではあるが、買うだけの価値を有したアイテム。
それでも、鞄を持って歩かなければ中の荷物を取り入れする事はできない。
黙示の使った空間魔法は、高度な魔法であるが使えればどこでも取り出せ内容量は本人の力量に比例する。
その事から、ゴードは黙示が魔法使いだと結論づけたのだ。
それも、空間魔法を扱える程の実力がある魔法使いだと。
「常識的な考えでは、黙示殿は魔法使いだ」
「えぇ、そうですよ」
納得をしたものの、やはり考えてしまうゴードは一般常識を思い出し、口に出すことで自分に言い聞かせる様に改めて納得をする。
その呟きを聞いていた黙示の言葉が後押しする形となって。
「では、行こうか」
これ以上時間を掛けてしまえばまた同じ考えをしそうだとゴードは、その巨体を伏せ黙示と雪が背中に乗れる様に調整した。
「それでは、よろしくお願いします」
「黙示さん、座布団をお願いしていいですか?」
「ゴードさん、座布団使っても大丈夫ですか?」
「構わない」
一言掛けて、背中へと移動た黙示達は安定して座れる場所に移動した。
一度、腰を下ろした雪が鱗でチクチクした事に体がピクンと反応し、少し照れくさそうに黙示にお願いをすると、黙示はゴードに許可を取り自分と雪用の座布団を取り出し改めて腰を落ち着かせた。
「では、始めは多少揺れるが落ちぬように」
「はい」
返事を聞いたゴードが大きく翼を動かし、ゴードの周りには強い風圧が砂埃を巻き上げた
。
ゴードは、なるべく体を傾けないように気をつけながら高度を上げていくが直角に近い角度になりはじめ黙示達は大丈夫かと背中に意識を向ける。
気を使ってくれているゴードに対して、黙示と雪は平然な顔をして座っていた。
-自己紹介-
-喫茶店-本の蟲-のマスター-
明示 黙示
性別:男
喫茶店-本の蟲-の店員(厨房担当)
雪
性別:女
いつもの:アイスティー
-客-
ゴード・バリオン
性別:男
補足:龍族




