パーティーはまだ始まらない1
この辺で、エブリスタ様で投稿している分に追いつきました。
何が言いたいか…そう、ストックが切れました。
ただでさえ定期更新もままならない状況で…うーん、この。
ですが、できるだけ週に1,2頁…いや3,4頁は書くように頑張ります!
太陽が頭上から燦々と街を照らしている。
時期は真夏だが、今日は少し肌寒い風が吹き、太陽の暖かさが丁度いい感じに体感温度を保っていた。と、言っても-本の蟲-の店内には関係なく、喋っていれば聞こえず、少し耳を傾ければ優しく耳に入ってくる程度に流れているBGMと…
「それでそれで!リュコスさんは本当の所どうなんですかぁ?」
横で饅頭に齧り付いて無視を決め込んでいる男に、それはもう楽しそうな表情を見せた女子高生の声が店内に2つ目のBGMとして響いていた。
「黙示さんはどう思います?
私的には、お似合いだと思うんですよ!」
「だそうですよ、リュコス君」
「マスター…俺は酒癖は気にしないっすけど、そこから発展する脱衣癖はどうかと思うんすよ」
昨日よりも窶れた様子のリュコスは、ジョッキに注がれた牛乳を一気に飲み干しカウンターテーブルに伏した。
それを見ていた黙示は、リュコスの様子など気にすること無く聞く。
「でも、しっかり見たんでしょう?」
「はい」
「よかったですね」
「……はい」
黙示に言われ、リュコスはその時の事を思い出したのか照れた様に顔を別の方向へを向けると、ニヤニヤとした女子高生の林檎と目が合い、さっき向いていた方向へとすぐに目線を戻した。
それでもニヤニヤと林檎がリュコスを見ていると、カランカランと店の扉が開き雪が入ってきた。
「ただいま戻りました。
あら、林檎ちゃんもリュコス君もいらっしゃい」
「あ!雪さん!」
「どもっす」
「おかえりなさい。
ごめんね雪さん、お使いを頼んでしまって」
雪は、いえいえと返しながらカウンターに移動し、氷水を飲み始めた。
「雪さん、どこにいってたの?」
水を飲んでいる雪に、朝から珍しく居なかった雪に聞く。
リュコスは、林檎の気が雪に向いた事にホッとし刺さる視線が開放されや事で牛乳の味がやっとしてきた。
「呂呂ちゃんの所にね」
だが、その不意打ちの言葉に体がビクッと反応し戻ってきた牛乳の味と共に、あの日の酒と料理の味までもが脳内から戻ってきた。
ついでに林檎の視線までもが…
なんとかその視線から逃れたいとリュコスが居心地悪く悩んでいると
再度、店の扉が来客の音を告げた。
そして、店に入ってきた中年ぐらいの人物がぐるりと店内を見渡しズカズカとカウンターへと近づき
「黙示殿で間違いないかな?」
赤い虹彩と縦裂けた細長い瞳孔の猛禽類の様な瞳が黙示を見つめた。
「いらっしゃいませ。
私が黙示ですが…何か御用ですか?」
その眼光を鋭く、体も筋肉で引き締まりスーツを纏った客は、近くにいるだけでも圧迫感があった。
自分が見られているわけではないのに、その中年の眼光に林檎はビクッと恐怖を感じるが、それを正面からいつも通りの接客の笑みで見返している黙示。
「ふむ…族長より風貌は若いとは告げられて居たが…」
中年の男は、黙示を見続けながら何かをブツブツと呟き考えて居る様子だった。
その男の様子を見て黙示は、いつも通りに冷水を一杯用意しカウンター前に立っている男に差し出す。
「よろしければどうぞ」
「おぉ…すまない」
男は差し出された冷水を受け取り、一気に飲み干すと勢い余って大きな音を立てつつコップをカウンターへと置いた後、姿勢を正し懐から二枚の封筒を取り出した。
「黙示殿、私は龍族の'ゴード・バリオン'
此度は族長より黙示殿へと言付けを預かり参じた」
「これはまた懐かしい方が出てきましたね。
それで、要件は?」
黙示の言葉に、ゴードは喉を一度ならし頷いた後、取り出した二枚の封筒のうち一枚を開き
その内容を読み始める。
「失礼して
'やぁ、黙示 元気にしてるか?
久々の連絡が直接で無い事を許して欲しい。
こう手紙を書いているだけでも昔を思い出し、語りたい所だが手紙が多くなってゴードが困ってしまうから控えるとしよう。
会った時にでも語り合いたいものだ。
さて、早く会うために要件をさっさと伝える。
此度、龍族族長である私'リドル・ドラゴニア'は族長を娘に譲る事となった。
それに伴い、族長の引き継ぎの儀を行う。
黙示には招待状を送る故、よかったら来て欲しい。
娘も会いたがっている。
とまぁ、こういう訳だ。
引き継ぎの儀とか言っても、堅苦しいものではなくパーティーみたいなものだから気軽に来てほしい。
来るのではれば、ゴードが送り迎えはする。
急だったから準備もあるかもしれない、ゴードはそっちに数日は滞在する様に伝えてあるから、決まったら伝えてくれ。'
以上だ。
そして、これが招待状となる」
そう差し出された招待状を受け取った黙示は、招待状をしっかりと見てみると確かに龍族の焼き印が押されていた。
黙示は、先程ゴードが読んだ手紙も受け取りもう一度内容を読み返し、大きなため息を吐く。
「彼も変わらないなぁ」
ため息の後にそんな言葉を漏らし
「少しお店はお休みだね」
黙示は雪を見てそう言い、雪も笑みを見せ頷いた。
-自己紹介-
-喫茶店-本の蟲-のマスター-
明示 黙示
性別:男
喫茶店-本の蟲-の店員(厨房担当)
雪
性別:女
いつもの:アイスティー
-常連客-
橋本 林檎
性別:女
いつもの:ミルクティー
高校生
月無 リュコス
性別:男
いつもの:饅頭
補足:コンビニ店員 狼男
-客-
ゴード・バリオン
性別:男
補足 龍族




