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混世界  作者: 慧瑠
怪談と恋話は夏の風物詩
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夏といえば恋話3

一気に予約投稿。

-後日 本の蟲にて


カランカランと音を響かせ店の扉が新しい来客が来た事を知らせる。


「マスター、お元気ぃ?」


「いらっしゃいませ、元気ですよ。

おや?何やらご機嫌ですね」


元気に手を上げ'良いことがあったから聞け'と、傍から見てもちょっと面倒なテンションである事がすぐに分かる。

それ程にご機嫌な呂呂が入店してくると、カウンターに座った。


「んふふー、わかる?」


「えぇ、それだけニヤニヤしていたら分かりますよ」


そんなテンションの呂呂の相手に慣れているのか

黙示は、いつもと変わらず接客用の笑みを張り付け、慣れた手つきで緑茶を淹れ始めた。


「ご機嫌な理由をお聞きしても?」


「んーもぉー、しょうがないなぁ」


このまま聞かずに流してしまおうかと黙示は思ったが、カウンター席で自分の前を陣取り。

'さぁ!はやく聞け!'と言わんばかりに黙示を見つめ、ニヤニヤそわそわしている呂呂を見てしまい。

少し困った様に眉を顰めながらも笑みを崩さずに呂呂へと聞いた。


すると、呂呂は待ってました!と言わんばかりにニヤつきを増し、何があったかを話し始める。


「昨日、ちょっとムラッとしちゃってね」


「あぁ…またですか…」


「むっ」


「すいません、続けてください」


聞かせてくれとは言ったものの、最初に言われた言葉に呆れを言葉にして出してしまう。

それを聞いた呂呂は、片方の頬を膨らませ黙示を睨む。

黙示は、その様子に適当に謝罪をして緑茶を呂呂の前に差し出すとカウンター内にある自分用の椅子に腰掛け、最後まで聞く体勢を取った。


「マスクは、大丈夫よ。

しっかり外したもの…」


「それは何よりです」


いつもそうすればいいのでは?と思いつつも、これを言ってしまっては更に不機嫌になりかねないと黙示は言葉を飲み込む。

対する呂呂は、黙示の様子に気付く事など無く話を続ける。


「でね!

ムラッとして、コンビニの袋を持って歩いてた仕事帰りっぽい男を見つけてね!

いつもみたいに声をかけたのよ!


アタシって綺麗?って!


そしたら、どうなったと思う?」


「どうなったんですか?」


「その人!私より口が大きかったのよ!」


呂呂の話を聞いて、黙示の頭には一人のお客さんの顔が浮かぶ。


呂呂の活動範囲からして、もしかしたらと思い昨日の夜に忠告をしに行ったが、まさかその日に…と表に出さない様に苦笑いを零す。

いや、活動範囲内で相手をしてくれそうなのが彼だった為に、彼に頑張ってもらおうと仕向けたが昨日の今日とは黙示も思っていなかった。


「それでね!その人が'自分より口の小さい奴に怖がる理由なんてないだろ'って!

もう、最初は少し驚いてたみたいなのにキリッとした姿がもうもうね!」


呂呂は興奮気味に身を乗り出しながら黙示に強めよる。黙示は苦笑いを崩さず今にもカウンター席からこっち側に落ちそうになる呂呂の肩を抑え落ち着かせ、カウンター上にまだ残っているお茶を呂呂の前へとずらした。


それを受け取り未だ興奮気味にお茶を飲んでいる呂呂を見ながら、黙示は完全にロックオンされたであろう常連である彼を思い浮かべた。


しかし、昨日の今日…違うかもしれないと少し考えた後に思った黙示は呂呂に聞く事にした。


「お相手の名前を聞いたのですか?」


「ん?聞いたわよ!

月無君!月無リュコス君って言うのよ!


もう、名前から優しさを感じるわっ


でね!でね!リュコス君と私の家って11軒隣だったのよ!これは運命ね!

もう、近いしと思ってとりあえずリュコス君を家に招待してご飯して…

それから…えー…お酒飲んで………?」


名前を聞いただけだったのだが、答えるだけには留まらず次々と進展していく話に頷きつつ聞き流しつつ話を聞くしかなかった黙示は、突然首を傾げた呂呂を不思議そうに見た。


「お酒を飲んでどうしたんですか?」


「えーっと…朝起きたらリュコス君は居なくて、私は裸だった」


「おや…それはそれは」


もう完全に自分が思っていた相手で合っていると自分の中で答え合わせをしていた黙示は、その相手がいきなりの発展をした事に普通に驚いた。


いや、彼だって男だ…目の前の彼女も色々と問題はあれど悪くないお客さんだと知っている。しかし、まさか彼が…と黙示が苦笑いを続けていると

再度、店内にチリンチリンとお客が来たことを告げる音が響いた。


「マスター…牛乳といつものをく…れ…」


「あっ」

「げっ」


「あら?いらっしゃいませ」


店に入ってきたのは、先程まで話にでていた彼こと月無リュコス君。

リュコスは呂呂と目が合うと気まずそうに店から出てこいこうとするが、振り返ると店の出入り口には雪が紙袋を幾つか持って立っていた。

振り返れば、見慣れた笑みではないが、それでも見慣れている苦笑いを浮かべるマスターと、満面の笑みと共にハートが飛んでいる様に見える呂呂。


-退路は断たれた-


リュコスは、戦場で奇襲を受け仲間は居ない事に加えては手持ちに武器はない…そんな状況で残酷にも告げられた無線の様にそんな言葉が脳内で響いた。


「いらっしゃい。

えっと、昨日はお楽しみだったね?」


「マスター…弁解をさせてくれ…」


黙示の言葉に、くたびれた声で返事が返ってきた。

-自己紹介-


-喫茶店-本の蟲-のマスター-

明示(みょうし) 黙示(もくし)

性別:男


喫茶店-本の蟲-の店員(厨房担当)

(せつ)

性別:女

いつもの:アイスティー


-常連客-

朽木(くちき) 呂呂(ろろ)

性別:女

いつもの:緑茶

補足:口裂け女 化粧品会社創設現経営者


-常連客2-

月無(つきなし) リュコス

性別:男

いつもの:饅頭

補足:コンビニ店員 狼男

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