始まり
始まりはいつだったかと聞かれれば、殆どの人が2037年と答えるだろうが、この世界を知ってる俺たちは、2020年こそが本当の始まりであったと言うだろう。
2020年、その年の5月にそれは発見され、世界中の人たちはそれに注目した。
魔法
そう呼ぶに相応しい現象を起こしたのは、当時13歳であった神代勇気と呼ばれる少年と、その親友である、三島勇太の二人であった。彼らは、東京に住んでおり、ゴールデンウィークを使って他の県へと引っ越した友達の家へと泊り掛けで遊びに行くはずであった。しかし、彼らがの他電車が謎の事故を起こしたことにより、彼らは意識不明の重体となった。
彼らが搬送された病院で緊急手術が行われることになったが、ここで不思議な体験をすることになった。彼らの手術が開始され直前に彼らの腕に見たことのない機械が取り付けられていたのだ。医者は手術の邪魔になるという理由からそれを外そうとしたがそれは外れることがなく、困り果てた時、それは起こった。
彼らの腕についた機械に、どこからかカードのようなものが飛んできたのだ。そしてそれは、機械の上にある4つある溝の一つにはまった。そして
『リカバリー』
どこからともなく響いてきたその声と共に彼ら二人の体は光に包まれると、事故の直前の怪我一つない体へと戻っていたのであった。
これがこの世界で最初に確認された魔法であった
そしてこの時から世界の歴史はゆっくりと、しかし大きく動き出した
それから、2年が経った
あの日、確認された魔法を使えるようになったという人は5000人であった。その内の3500人は10代の人間であり、残りの1500人も20代前半という若さであった。そして彼らは必ず腕に装置をつけており、研究者たちはこの装置をPMMと名付けるようになった。
そして彼らの協力のもと、魔法の解析は行われた。
そこで分かったことは、
1、PMMは取り付けられた人、もしくはその者の許可を得た者しか動かせない
2、PMMの装着者の身体能力や蓄積ダメージ、怪我などの状況はPMMの画面に表示される
3、魔法を使うためにはカードが必要であり、カードは念じることで出現させることができる
4、カードの種類は装備、属性、攻撃・防御、補助の四種類が有り、この組み合わせによて発動できる魔法が変わる
5、攻撃・防御と補助のカードは使うとカード内の魔力が減り、その魔力が回復するまでそのカードは使えない
6、カードの出せる枚数と同時に使える枚数は、人によって異なる
7、PMMは使わない時には体のどこかにある紋章の中に収められている
8、PMMの装着者は、致命傷を負うと、どこかへ転移させられ、しばらくすると傷つく前と変わらない姿で帰ってくる
以上の8つである
この内、8番目の転移させられる場所を研究者たちが調べたところ、そこは富士山の頂上にあった。
そこにあった技術は研究者たちの予想をはるかに超えるものであり、世界の在り方を変えるものであった。
それは、装置であった。巨大な空間の中に所狭しと並んだ装置である。その装置の周りのカプセルにはナンバーがあり、その数は1万8千という凄まじい数であった。
その装置を調べた結果それは医療用のカプセルだとわかった。それと同時にそこには設計図と完成品のPMMが置かれていた。
その後調査が続けられたが、誰がどのような意図を持って作りだしたかは不明だった
その後、PMMは大量生産され、日本中に魔法が広がることになるが、さらに3年経った12月に事件は起こった。
日本だけで大規模な地震が起き、その結果、日本全土で1万8千人の行方不明者が出たのであった。