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【小説講座】かんたん正統派ダークファンタジーの書き方

作者: はまさん
掲載日:2026/05/10

■条件

 ダークファンタジーを書くに当たって。まず、どうすればダークファンタジーになるか?

 これをボクは悲劇であると仮に定義しておく。


 つまり、剣と魔法のファンタジーで、なんか悲劇的になれば、ダークファンタジーと呼べる感じになるんじゃない? というわけだ。

 実際、喜劇的ではダークファンタジーとは言いづらそうだし。


 では悲劇とは何か。

 これは簡単だ。発見的再認とバッドエンド。

 これで悲劇になる。


■起点アイデア

 まず大胆な仮説。

 ダークファンタジーのベースを、騎士道物語だとする。

 そして騎士道物語とはやってることが基本、ヤクザものと一緒である、とする。


 これは戦国ものでも割とヤクザものと一緒。

 戦乱の世なんて、みんなヤクザなのだ。


 そしてヤクザものの基本構造はよく知られている。すなわち「義理と人情」。

 義理とは「やらなければならないこと」、社会的な義務。

 人情とは「やりたいこと」、個人的な欲求。


 キャラの中で、この義理と人情とが一致しないからこそ、葛藤が生まれドラマが起こる。


 というわけで「義理と人情」とでアイデアを出そう。

 ここはタロットを2枚使うと便利だ。例えば「義理」が「太陽」、「人情」が「星」だったとする。

 すると「義理」は皆からの期待、「人情」は自分の夢とか。


 これでキャラクターが決定。

 ダークファンタジーは悲劇である。ならば悲しむ人が必要。

 ダークファンタジーの根幹は「人」だ。


■展開

 さて、幸せだったり大変だったりする主人公が、物語の中で酷い目に遭う。

 ここが悲劇の最も盛り上がる場面だ。


 それをどう起こすか。

 ギリシャ悲劇で「発見的再認による逆転変」などと呼んだりする。

 今まで気づかなかったことを知り、全ての意味が変わってしまう。絶望に陥る。


 一応、『物語論辞典』からの引用も記しておこう。


 発見的再認・アナグノーリシス(anagnorisis):そのときまで知らなかった(隠されていた)ことに気付くこと。とくに人間関係に影響を及ぼす(愛するか憎むかするようになる)ようなものについて。ペリペテイア(逆転)になっている場合が効果的。


 逆転・ペリペテイア(peripeteia):予想されたのと逆の結果が生じること。意外な展開。


 変転・メタバシス(metabasis):幸福から不幸に、又は不幸から幸福になること。ペリペテイア(逆転)のない単純な筋にもメタバシスは必ずある。特に最後に来るメタバシスは、ある意味では、ドラマの結論に相当する部分。


 またこの時にファンタジーなのだから、それっぽい小道具を使うと効果的になる。

 魔剣に実は恐ろしい力があったとか。妖術の効果によって。全ては神の試練など。


 まだ、ここが設定を細部まで練り込みどころとなる。なぜなら物語の中心だからだ。

 他は蛇足になる。

 

■バッドエンド

 発見的再認による逆転変を経て、主人公は酷い目に遭う。そしてバッドエンド。

 バッドエンドは深く考えなくて構わない。


 別れる。死ぬ。滅びる。狂う。行方不明になる。

 以上の中から適当なものを選ぼう。

 

■実作例文

 騎士は無双となる夢を叶えるため、武者修行の旅に出た。だが立ち寄った城にて驚くべき知らせを聞く。自分の故郷は悪しき魔法使いによって滅ぼされたというのだ。


 馬鹿な。すぐに馬を走らせようとして立ち止まる。故郷はどこにあった?


 これぞ魔法使いの術。人々の記憶からも故郷は消え失せたのだ。こんな自分に期待し、送り出してくれた人がいたはずなのに、もう思い出せない。騎士は無くなった故郷へ涙するのみだった。


■シメ

 これに以前ボクが書いた『【小説講座】おきらく幻想文学の書き方』を組み合わせると、さらに本格ファンタジーっぽくなるかもしれませんね。

 

https://ncode.syosetu.com/n8558md/


 ダークファンタジーというと、身構えてしまうかもしれませんが。

 紹介した技法は割と基本的なものばかり。皆さんも気楽に作ってみましょう。

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