【小説講座】かんたん正統派ダークファンタジーの書き方
■条件
ダークファンタジーを書くに当たって。まず、どうすればダークファンタジーになるか?
これをボクは悲劇であると仮に定義しておく。
つまり、剣と魔法のファンタジーで、なんか悲劇的になれば、ダークファンタジーと呼べる感じになるんじゃない? というわけだ。
実際、喜劇的ではダークファンタジーとは言いづらそうだし。
では悲劇とは何か。
これは簡単だ。発見的再認とバッドエンド。
これで悲劇になる。
■起点アイデア
まず大胆な仮説。
ダークファンタジーのベースを、騎士道物語だとする。
そして騎士道物語とはやってることが基本、ヤクザものと一緒である、とする。
これは戦国ものでも割とヤクザものと一緒。
戦乱の世なんて、みんなヤクザなのだ。
そしてヤクザものの基本構造はよく知られている。すなわち「義理と人情」。
義理とは「やらなければならないこと」、社会的な義務。
人情とは「やりたいこと」、個人的な欲求。
キャラの中で、この義理と人情とが一致しないからこそ、葛藤が生まれドラマが起こる。
というわけで「義理と人情」とでアイデアを出そう。
ここはタロットを2枚使うと便利だ。例えば「義理」が「太陽」、「人情」が「星」だったとする。
すると「義理」は皆からの期待、「人情」は自分の夢とか。
これでキャラクターが決定。
ダークファンタジーは悲劇である。ならば悲しむ人が必要。
ダークファンタジーの根幹は「人」だ。
■展開
さて、幸せだったり大変だったりする主人公が、物語の中で酷い目に遭う。
ここが悲劇の最も盛り上がる場面だ。
それをどう起こすか。
ギリシャ悲劇で「発見的再認による逆転変」などと呼んだりする。
今まで気づかなかったことを知り、全ての意味が変わってしまう。絶望に陥る。
一応、『物語論辞典』からの引用も記しておこう。
発見的再認・アナグノーリシス(anagnorisis):そのときまで知らなかった(隠されていた)ことに気付くこと。とくに人間関係に影響を及ぼす(愛するか憎むかするようになる)ようなものについて。ペリペテイア(逆転)になっている場合が効果的。
逆転・ペリペテイア(peripeteia):予想されたのと逆の結果が生じること。意外な展開。
変転・メタバシス(metabasis):幸福から不幸に、又は不幸から幸福になること。ペリペテイア(逆転)のない単純な筋にもメタバシスは必ずある。特に最後に来るメタバシスは、ある意味では、ドラマの結論に相当する部分。
またこの時にファンタジーなのだから、それっぽい小道具を使うと効果的になる。
魔剣に実は恐ろしい力があったとか。妖術の効果によって。全ては神の試練など。
まだ、ここが設定を細部まで練り込みどころとなる。なぜなら物語の中心だからだ。
他は蛇足になる。
■バッドエンド
発見的再認による逆転変を経て、主人公は酷い目に遭う。そしてバッドエンド。
バッドエンドは深く考えなくて構わない。
別れる。死ぬ。滅びる。狂う。行方不明になる。
以上の中から適当なものを選ぼう。
■実作例文
騎士は無双となる夢を叶えるため、武者修行の旅に出た。だが立ち寄った城にて驚くべき知らせを聞く。自分の故郷は悪しき魔法使いによって滅ぼされたというのだ。
馬鹿な。すぐに馬を走らせようとして立ち止まる。故郷はどこにあった?
これぞ魔法使いの術。人々の記憶からも故郷は消え失せたのだ。こんな自分に期待し、送り出してくれた人がいたはずなのに、もう思い出せない。騎士は無くなった故郷へ涙するのみだった。
■シメ
これに以前ボクが書いた『【小説講座】おきらく幻想文学の書き方』を組み合わせると、さらに本格ファンタジーっぽくなるかもしれませんね。
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ダークファンタジーというと、身構えてしまうかもしれませんが。
紹介した技法は割と基本的なものばかり。皆さんも気楽に作ってみましょう。




