表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やらかしていた男子ぼちぼち頑張る。  作者: ぐっちょん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/126

第94話

ブックマーク、評価ありがとうございます。

「正直僕は幻滅しました。残念です……本当に残念でなりません。それがあなたの本性だと知った以上、僕は今この場を借りて宣言しなければなりません……ふぅ」


 そして、一度息を整えた沢風くんは、


「僕はあなた東条麗香との婚約を破棄する!」


 そう声高らかに言い放った。


 ——はああ? 何やってんだよ沢風くんは……


 ————

 ——


 いやぁ今でも信じられないよ。俺はテレビ女性タワーを見上げて感銘を受けている。


 テレビ女性はアズマテレビに、サイキョウテレビに、ホクホクテレビに、ミナミンテレビに並ぶ5大テレビ局の一つ。


 ただテレビ女性は女性至上主義の女性が多いと香織さんが愛読している雑誌でみたことあるような……え、それはたぶんデマ? そうなの?


「沢風が何度かここのテレビ局の歌番組に出場してた。問題ない」


 デマな事は分かったけど、ななこがしれっと沢風くんを呼び捨てにしてるよ。んん? 嫌いだから当然? そ、そうなんだ。


「これ前にも言った。ここにいるみんな沢風のこと嫌いだと思う」


「あれ、そうだっけ?」


 ななこがみんなに同意を求めると、


「何の話、沢風? うん、私嫌い」


「私は大っ嫌い」


「私は大大大っ嫌いだよ」


 大きなテレビ局を見てわいわい楽しそうにしていたみんなの表情が一転、すごい形相になった。

 

 ——うわぁ、それほど嫌いだったのか。知らなかったよ。


 ミルさんは関係ないか、なんて思っていると、


『武人様、私も沢風様は遠慮したいです』


 ミルさんから突然テレパスが届いて、思わずミルさんの方に顔を向けた。


 今日もおデブスタイルのチャーミングなミルさんはこくりと頷いた。


 保護官であり身の回りの世話までしてくれるミルさん、最近はマネージャーの真似事までしてくれるようになった。ホント面倒見のいいミルさん。そこに香織さんも加わるから、俺、ダメ人間になりそうでホント怖い。


 しかし、ミルさんから遠慮したいっていう言葉が出るなんて意外だった、

 ミルさんは表情こそ乏しいけど、世話好きで優しい人だって分かっているから。


「タケトくーん」


 ん? お。『ふぉーいあーず』のゆうたちだ。俺たちって他に知り合いがいないから時間を合わせて一緒に行こうとお願いしていたのだ。


 ほら、俺たちは事務所に所属しているわけじゃないから、不安だったんだよ。


 俺たちに気づいたゆうたちが元気よく手を振りながら駆け寄ってくる。


「久しぶり! 今日はありがとう」


 俺も右手を上げて応えると、


「あはは、タケトくーんだー!」


 いつ見ても『ふぉーいあーず』のみんなは笑顔で元気いっぱいだね、特にゆう。


 沢風くんの話が出てから話が変な方向に向かっていたから正直たすかった。っとおわ。


「こらゆう。いきなり飛び込んできたら危ないぞ」


「えへへ、ごめんね。あ、そんことよりもタケトくんありがとうね! こんな大きな舞台に出れるのもタケトくんたち『武装女子』のみなさんのおかげだよ」


 そう言ったゆうがぎゅっと抱きしめてくる。


 たしかに『ふぉーいあーず』のみんなとコラボした動画がきっかけらしいけど、俺たちのおかげだというのはちょっと大袈裟だと思う。


「それはないない『ふぉーいあーず』みんなの実力だよ」


 って俺の話を聞いていないっぽいゆうは、俺に抱きついたまま……ん、なんか匂い嗅がれてる?


「くんかくんか……あ〜タケトくんはいい匂いだね」


「こら。ゆう」


「はあ、はあ、はあ。ゆう! 抜け駆けはダメだって」

「そう、だよ。約束したじゃん」

「そうだよってか、ゆうってば、足速いっ」

「はあ、はあ。ふぅ、ふぅ……ああ〜髪が乱れた〜」


 少し遅れてやって来たあい、みい、しぃ、それに他のメンバーのみんなは肩で息をしながらも、ゆうを俺から引き離してくれた。けどすごく賑やかになったな。


「あはは、みんな元気があっていいね……」


 仲間内でワイワイ言い合っているゆうたちの姿を眺めてほんわかしていると、不意に俺の両腕に柔らかな感触が……


「久しぶり」


「先日はお世話になりました」


 ななことさきだった。2人が俺の両腕に身体を寄せつつ彼女たちに手を振り名乗る。


 さちこは一瞬、しまったというような顔をしたかと思えば、俺の背中に飛びついてきて後ろから首を出す。スカートではなく男装スタイルだから遠慮なく飛びついてきたらしいけど、降りてから普通に挨拶しなさい。


 つくしだけがまともに……じゃなくて、あれ、自分の鞄をゴソゴソしてるけど、何探してるんだ? 


「はあ……みんな一旦離れようか」


「大丈夫」

「もうちょっと」

「そうだね」


 最近は油断するとこんな具合になる。遠慮がなくなってきたというか何というか、俺に触れていると落ち着くらしい。


 思い当たるのはリラクセーションなんだよね。生活環境が大きく変わってきたから彼女たちもストレスを抱えることが多くなった。


 だから余計にリラクセーションの効果を感じるようになったのだろうと思い好きにさせている。


「あーあ、同じバンドメンバーだからやっぱり仲がいいんだね。いいなぁ」


 ゆうたち『ふぉーいあーず』のみんなが羨ましそうな眼差しを向けてくるが、俺と目が合うと顔を赤くして恥ずかしそうに顔を背ける。みんな(さきたち)もこんな感じだったんだけどな……

 なんてことを考えていると、


「あ、あの。サイン下さい。お願いします!」


 目を輝かせたつくしが色紙を差し出しゆうたちにサインを求めていた。なるほど色紙を探していたのか。


 前回、つくしはゆうたちからサインを貰い忘れて酷く落ち込んでいたからすごくうれしそう。

 本当にアイドルが好きなんだろう。ってこらゆう、俺のスマホケースにサインするな。え、交換条件? 俺もゆうたちの持ち物にサインをするの? そして俺のスマホケースは『ふぉーいあーず』のみなさんのサインでいっぱいになってしまった。


 擦れてサインが消えたらもったいないから飾ってた方がいいかも。


「剛田様、その節はお世話になりました」


 サイン交換が落ち着いたところで、挨拶してきたのは森田さんをはじめとした『ふぉーいあーず』のマネージャーのみなさん。


 すかさずミルさんも前に出て挨拶していた。おデブモードのミルさんだけど動きは機敏。マネージャーさんたちとは面識があるから挨拶はスムーズだった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ