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やらかしていた男子ぼちぼち頑張る。  作者: ぐっちょん


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第70話

 文化祭から2週間が経ち12月に入ったけど、この間も色々あった。


 まず武装女子チャンネルだけど、これはかなり順調で、あれから新しい動画はアップしていないにもかかわらず、未だにチャンネルの登録者数が増えていて今では約300万人くらいになっている。


 順番で登録者数をチェックしているようだけど、みんな恐る恐るといった様子で登録者数をチェックしているから見ていると思わず笑いそうになる。


 ちょっと心配だったのがコメント欄なんだけど、批判的なコメントも覚悟していたけど、そのほとんどが応援してくれているものが多くてホッとしている。

 ネネさんも心配してたんだよね、俺たちのハンドは女性のバンドに男性がいるから俺以外のメンバーに妬みや嫉妬が集まらないかと。


 ネネさん曰く、たぶん男装していたのが功を奏したと思うってさ。

 男装はたまたま鮎川さんのお店のモデルをしたのがキッカケなんだよね。


 それでも傷つくコメントもあるが、そんなコメントには決まって返信が入っていて『あなたがおかしい』とか『気にしないでください』とか俺たちをフォローするようなコメントが入っていたりする。


 少数でもそのようなコメントがあるとみんなもそう思ってるんじゃないかと気持ちが沈んでしまいそうになるから、このようなフォローってホントありがたい。みんなも感謝していた。


 ネネさんもアンチはどの業界にもいるから気にしなくていいと言ってくれたのも大きいね。


 特に早く次の新曲を出してくださいって声は励みになる。


 だから2曲目となる新曲の『微笑みを君に』に対するみんなの意気込みはすごい。

 この曲は、聴いた人が楽しい気持ちになれるようにと作った曲らしく、ノリとテンポがいいからつい口ずさみたくなる曲だ。


 とはいえ、みんな吹奏楽部だから部活にも顔を出さないといけない。

 だから時間がある時にスタジオに顔を出して各々で練習して週に一度合わせてるって感じだね。


 野原家との食事会も無事に終わった。ほとんど身内の紹介だね。

 メンバーは香織さんのお婆さん、お母さん、妹さん、叔母さんが2人、その娘さんが4人。だけならよかったんけど、お婆さんの姉妹らしき人たちもいて、その人たちの娘さんとお孫さんまでいて40人くらいは居た。しかも、みんな俺より歳上。


 みんな香織さんの隣に座っていた俺に声をかけてくるんだけど、さすがに多すぎて誰とどんな会話をしたのか覚えていない。


 香織さんも気にしなくていいってことを言ってくれていたので適当なところで相槌を打ちつつなるべく聞き役に徹した。


 最後に「今後とも野原家をよろしくお願いいたします」って代表でお婆さんに頭を下げられたけど、妻の実家だもん頼まれなくても仲良くしますよ。


「私の方こそまだまだ若輩者ですので、皆さまにはご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」ってありきたりな言葉で返してみたらお婆さんにえらく感動されてしまった。


 その帰り道(香織さんの運転する車の中)、香織さんの身内に嫌われなくて良かったよって正直な気持ちを言葉にすれば、武人くんがみんなに気に入られ過ぎててちょっと怖いくらいだったよって返されて、理由を聞いたら、どうやら香織さんの親戚一同、頭の硬いお方たちが多くて普段は表情を崩すことがなく、どちらかと言えば無愛想。それが今日の食事会の間は終始笑顔だったから怖かったのだという。


 でも俺からしたら悪い印象はもたれなかったのだと少し安心したよ。


 そうそう尾椎さんたちの件にも進展があって、校長先生と新山先生、あと2年生と3年生の学年主任の先生がわざわざ俺の家まで来て頭を下げてきた。


 内容は謝罪と共に彼女たちの処分内容について。


 どうやら彼女たちは1ヶ月の停学になるらしい。途中で冬休みに入るから登校してくるのは年が明けてからになるそうだ。


 それは2年生と3年生も同じで該当者は謹慎処分となったらしい。


 生徒たちに聞き取りして分かったことは、みんな沢風くんのためになるからと、悪いことをしているという自覚もなかったのだとか。


 でも今はすごく反省しているらしく、集めていた沢風くんの応援グッズや動画に画像まで先生たちの目の前で処分したらしい。


 俺からすれば応援グッズや動画の処分まではしなくてもよかったのでは? と思ったけど、それでも同席していた香織さん納得しておらず、処分が甘くないですかとご立腹。

 でも学校側はこれ以上問題を大きくしたくないようで何度も頭を下げるだけだったけど。


 でもやっぱり香織さんは納得しておらず、どんな気持ちで私たち職人が家を建てているのか理解してもらう必要があると言って謹慎中の間だけでも野原建設でその子たちの根性を立て直したいと提案した。


 強制でなく、あくまでも彼女たちの自主性を尊重するといいつつも、人様の家に物を投げつけておいて断るような子が反省しているとは思えない、そんな子は留年でいいんじゃないかと。さらっと処分を重くしようとする香織さん。


 俺のためだと容赦しないようです。俺も気をつけないと。


 校長先生はそんな子はさすがにいないだろうとその提案を受け入れてくれた。


 まあ、野原建設は上場企業で、そう簡単に入れる企業ではないからね。


 自宅で謹慎させておくよりもよっぽど社会勉強にもなるし生徒たちのためにもなる。


 2年生になると実際にそんな授業(社会に出て実践)もあるから校長先生も慎重に考えながらも最後には首を縦に振った。


 実際、断る生徒はいなくて3年生と2年生、それに尾椎さんたちは今、野原建設で社会勉強中だ。


 不真面目な子ばかりで反発もあるだろうと気合いを入れていた香織さんは、みんなが真面目に取り組むものだから、感心しつつもちょっと拍子抜けしてた。


「そう言えば今日は朱音さん(アカネ彩々チャンネルさん)からオンラインゲームを誘われていたっけ」


 つい最近まで気づかなかったけど(朱音さん本人から聞いた)朱音さんは俺が記憶を取り戻す前から偶に一緒にオンラインゲームをやっていた人だった。


 妖怪バスターっていうオンラインゲーム。朱音さんは半妖人キャラを使っていてアカって名前だった。

 俺は無口だったけど朱音さんも無口。でも朱音さんはゲームがとてもうまかったから俺はログインする度に誘っていたんだ。


 まあ、朱音さんが無口なのをいいことに、偶にだけど、生配信をしては勝手にパーティーに誘い、こいつうまい、俺の相棒、なんてことを呟いていたりもした。

 思い出すと今でも恥ずかしくなる俺の黒歴史の一つ。


 当時は迷惑をかけてごめんねって言えば、あれはセカンドキャラで俺の成長スピードに合わせてくれていたから大丈夫だと答えてくれた朱音さんはとてもできた人。


「じゃあ私は武人くんの隣で本でも読んでおくわ」


 俺のゲーム席(パソコン席)の隣に自分が座る椅子を寄せて来る可愛らしい一面をみせる香織さん。校長先生の前での態度と大違い。


 そんな香織さんだけど、その読んでいる本は、ほとんどが資格を取るための本なんだ。しかも建設関係の資格は全て取り終えたからって今は不動産関係の資格の本を読んでいて、密かに尊敬している。


「あ、朱音さんもうログインしている」


 それは約束していた20時の5分前だった。


 最近俺と朱音さんがやっているオンラインゲームは『異世界冒険者生活』という朱音さんの姉さんの会社が発売予定のオンラインゲームだ。

 今はお試し期間で招待された人しかプレイできない。


 せっかく紹介してもらってログインしないのは失礼だと思い、お試し期間中、時間が取れる時はなるべくログインするようにしている。


 純粋にこのゲームは面白いから言い訳にしかならないけど。


「武人くん。あとで私の相手もしてね」


 ほっぺにキスをしてからそんなことを言われれば、さすがの俺でも分かる。


「あ、う、うん」


 ちょっと照れくさいのでまだ言葉に詰まるが、男としてたまには俺からも誘いたい。


 そんなことを思いつつログインすれば、すぐに朱音さんと合流できた。


 この『異世界冒険者生活』はかなり自由度の高いゲームだ。

 今日は時間があまりないから二人でゴブリン(小鬼)討伐あたりが妥当なところかな。なんて思っていると、


「武人くん。今日は紹介したい人がいる」


 朱音さんの隣に知らないキャラがいると思っていたらそういうことか。


「初めまして武人様」


 そう言ってからお辞儀をするキャラはメイド服に大きなハタキを装備していた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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