第54話
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文化祭当日。
早いもので、バンドの練習や模擬店で扱うメニューを考えたり、また休日には女性ネッチューバーのみなさんのところにお邪魔したりしていたらあっという間に文化祭当日を迎えた。
文化祭は準備の段階でも、普段喋らない人と話をしたりポスターを一緒になって作ったり普段とは違う学校生活にたり新鮮で楽しかった。
そして当日の今日は特に楽しみにしていた。
♪〜
ミュージックンを聴きながらいつも通り登校する。
「先生おはようございます」
「剛田くんおはよう」
正門も文化祭らしく華やかに飾り付けされていて自然と気持ちが昂るけど、こんな日でも正門で待っててくれるなんて。先生ありがとうございます。
「先生も後で買いに行くから、ミニパフェ店頑張ってね」
「はい。先生なら気持ち多めに作りますからいつでも来てください」
「あら、うれしいわありがとう。ふふ、でも先生はすぐに太っちゃうからその気持ちだけ貰っておこうかしら」
そうウチのクラスは第一希望から第三希望、すべての抽選を外して、もう一度話し合った結果ミニパフェ店になった。
俺たちが出した希望はどれも人気が高かったようだ。
逆にミニパフェ店はアイスの管理が大変だったから人気がなかったのかな?
作り方はカップにフレークとアイスを入れた後、フルーツをトッピングするだけだから簡単なのにね。
文化祭実行委員に選ばれた時任さんが「くじ運が悪くてごめん」と泣きそうな顔で謝っていた。
時任さんって結構なドシっ子で、よく物に足をぶつけたりする。それで、物によくあたるからくじも当たるんじゃないかと選ばれたらしい。
結果は残念だったけど、元々誰もやりたがらなかったから文句をいう人はいない。
バンドフェスティバルは文化祭二日目の明日なので、今日は模擬店を交代しながら頑張ることになるが、実は俺、他にも校長先生から頼まれた依頼がある。
できる限り他のクラスの出し物に顔を出して欲しいという依頼。しかも、かかった費用は全て学校側に。
元々他のクラスの出し物を見て回るつもりだったのでそこはすぐに承諾した。
でもそれで学校の経費を使うのは断った。
自分が欲しくて買うのに学校の経費で買うのもどうかと思ったのだ。
それに対応してくれた子たちも良い感情は抱かないと思うんだ……
そんな事情もあるので俺はトップバッターで担当する。
一日目の9時から11時までが俺の担当。他に4人の模擬店メンバーがいるけど、バンドメンバーの4人じゃなくお弁当仲間の小宮寺さんと早瀬さんと安藤さんと茅野さんだ。
どうやって決めたかは不明だけど、みんな張り切っていたので俺も足を引っ張らないように頑張ろう。
さき(君島)さんとななこ(深田)さんとつくし(霧島)さんとさちこ(牧野)さんがすごく残念そうな顔をしてたけど「武人くんに作ってもらったミニパフェ食べながら見て回るのもいいかも」って次の瞬間には「どこから見て回る?」と楽しげに会話を弾ませていたっけ。
うーん、女の子ってよく分からない。
——へぇ……
さすが文化祭。すでに制服じゃなくて仮装している女の子たちとすれ違いながらも、先生と教室に向かう。
教室では出席確認するだけで体育館で開会式があるのですぐに移動する。
体育館で開会式があった後、一般の生徒は自由行動だ。
俺はミニパフェ店での役目があるのですぐに移動するけど、開会式後の体育館はステージを利用して文化祭実行委員が中心となって催し物が開催される。
それにウチの学校の文化祭は、いわゆる“オープンキャンパス”的な催しも兼ねていて、教頭先生が中学生向けに模擬講座を開いていたりする。
最近では、在校生が中心となって受験者向けの新聞やイラスト満載の小冊子を作成したりもしているとか。男の俺には必要のない知識なので詳しくはしらないけど。
要するに、今日は外部からみえる来客もかなりいるってことだ。みんな気合いも入るよね。
「あ、武人くん!」
しかし、一年生は他のクラスも模擬店だったようだね。
ウチのクラスの模擬店まで歩いていると色々な子から声をかけられた。
なんなら唐揚げやたこ焼き、かき氷まで無料で渡そうとしてくる。
「ありがとう。でも……」
その場は丁寧に断り後で買いに来ると伝えた。
————
——
「そうだった……」
いつお客様が来てもいいように準備は万端だった。でも、これはさすが予想外。いや、冷静に考えればその可能性はあった。ただ浮かれていた俺たちは気づかなかったのだ。
「い、いらっしゃいませ」
思わず頬が引き攣る。ミニパフェ店なのにお客様がすごいのだ。
開店して1分も経たないのにお客様の並んだ列の後方が見えなくなった。
「ありがとうございました。いらっしゃいませ」
1時間必死に頑張ったけど、お客様が減らない。そんな混乱を聞きつけた生徒会長と文化祭実行委員の方と風紀委員の方が現れてレッドカードを出された。
「ごめんなさい武人くん。こうでもしないと混乱が収まらないから」
「ふむ。待たせて悪かったからと言ってお客様の要望通り握手のサービスは悪手だったな。ふ、ふふ」
駄洒落を言って自分で笑う水間守先輩。一之宮会長も白い目で見てますよ。
そんなわけで文化祭が始まって1時間とちょっとだけど俺は混乱が収まるまでの間一時的に生徒会室で過ごすことになった。
小宮寺さんと早瀬さんと安藤さんと茅野さん、あとはよろしくお願いします。
彼女たちに両手を合わせて頭を下げたら気にしなくていいと言ってくれたけど、依然としてお客様は多い列の最後尾が見えない。
この埋め合わせは何らかの形で必ずするから、ごめんね。
俺は普通に歩けるのに生徒会長の一之宮先輩と風紀委員の水間守先輩から両脇をガッチリと固められて……ん? いや、これは恋人同士がする腕組みじゃないのか。恋人? そうだったこの世界は恋人とか彼女とかそういった感覚がないんだった。友人、婚約者、配偶者これくらいのもの……
結局そのままの状態で生徒会室まで連行された。
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