表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やらかしていた男子ぼちぼち頑張る。  作者: ぐっちょん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/126

第15話

ブックマーク、評価ありがとうございますm(__)m

 一週間って早いね。もう学校に登校する日だよ。リモート学習の環境が整ったから行きたくないと思う自分もいるけど、さすがに一度登校しただけで、学校に行くのをやめたら男として恥ずかしいよね。


 はあ、行くしかないか……友だち一人もいないけど行くしかないよな……


「おはようございます」


「「「「「剛田くん、おはよう」」」」


 担任の新山先生が、今日も正門前で待っていてくれました。

 その横には生徒会役員の先輩たちも。たしか3年生で、生徒会長の一之宮さんに副会長の桜田さん、書紀の相川さんに会計の松山さんだったはず。


 前回登校した帰り際に、新山先生から混乱を避けるために、しばらくは登校時間をギリギリの8時15分くらいを目安に登校して欲しいと頼まれていた。


 前世の癖でつい5分前の8時10分に来てしまったが、大丈夫だよね? 周りを見渡しても正門まで駆けてくる生徒が数人いるだけだし。たぶん遅刻しそうで走っているだけだと思う。


 案の定、先生と生徒会役員の姿を見て、やばいって顔をして、呟くように挨拶して逃げるように下駄箱の方ヘ再び駆けていった。

 周りを見る余裕なんてなさそうだったし、これなら混乱になる心配はないな。


「じゃあ私たちも中に入りましょうか」


 そのまま自分のクラスに向かうと思いきや、なぜか今回も校長室に。毎回行く感じかな? 一人で首を傾げていたら、今月末にある体育祭について話を振られた。


「フォークダンスですか?」


「はい」


 もちろん徒競走や団体競技にも参加してもいいらしいけど、すぐにお断りした。

 ただ、フォークダンスだけは俺にどうしても参加してほしいのだと。


 フォークダンスと言えばオタクホンマ・ミックスカーとかコロブオキルチカサンなんかが思い浮かぶけど……『ヒク・テア・マタ』と『ヨリドリミ・ドリ』の2曲ですか。

 一瞬、知らない曲だと思ったけどちゃんと知ってた。でも踊り方は知らないと思う。


「その点はご心配なく」


 フォークダンスはみんなで楽しむためのもの。激しい動きや複雑なステップがなくてとても簡単。すぐに覚えられるらしい。

 後でその動画を先生が送ってくれるそうだ。


「そうですか」


 斬新というか思い切ったことをするなと感じるのは、この世界で過ごした記憶がちゃんとあるから。どうしようかな。以前の俺氏は一度もこんな行事に参加したことない。いや違った、そもそも男は学校に通わないから学校行事に参加しないんだ。


 また沢風和也くん絡みかと思ったがどうやら違うらしい。

 生徒会に寄せられた生徒たちの声、(特に三年生の声)を校長先生が代弁した感じっぽいね。

 体育祭まで時間がないから今回は特例にこんな形になったのだとか。


 どうりで生徒会役員の先輩たちがずっと頭を下げているはずだ。

 校長先生に頭が上がらないってやつだねって違う? 俺に? いやいや、やめてください。


 ——うーん。フォークダンスか……


 どうしようか悩んでいるとちょっともやっとした気持ちとともに、ある記憶がふっと過った……


 ——あ〜……


 それは前世の俺がフォークダンスを踊っている記憶だった。

 でも女子生徒の人数が男子生徒よりもすこし少なくて、背の低い俺が女子生徒のパートの方に回されていた苦い記憶。

 そして、それは一度ではなく学生の間ずっと続いていたとか、前世の俺もなかなか……


 ——……


 そんな事を思い出したら、ちょっとだけ男子のパートを踊ってみたいと思ってしまった。


「えーと、参加しても構わないんですけど俺と踊るのを嫌がる人もいると思うんですよね。その辺の調整は大丈夫ですか?」


「もちろん大丈夫です。お任せください!」


 ——おわっ!


 校長先生が勢いよく身を乗り出してきたからびっくりした。けど、


「剛田くん。フォークダンスは知らない人同士でも手を取り合ってダンスを楽しむことができます。

 仲良くなるきっかけにもなるかと思います。せっかく学校に通っているのです。まずは友だち、作ってみませんか」


 次の瞬間には、どこか懐かしさを感じるような優しい眼差しを向けられていた。


 やばいこれは予想外。今そんな目を向けられたら(記憶が蘇ってからずっと一人)、咄嗟に俺は上を向いた。そうしないと目から何かが溢れそうだった。


「俺、友だちは……」


 男性は優遇されている分遵守すべき義務がある。


 それは18歳までに最低1人、20歳までに3人、30歳までに10人以上の女性と結婚しておかないと、国が準備した女性と結婚することになる。


 怖いのはそうなった時に他にも何らかのペナルティーもあるいうウワサ。

 前の俺氏、こういった事にも全く興味がなかったから少し調べてみたけど、それに触れている情報を見つけることができなかったんだよね。


 それで、いまのこの国の現状はというと、ほとんどの男性は引きこもっているので国から強制されての結婚となる場合が多い、と聞いた事がある。


 そして、そんな男性は義務で結婚してやったという頭しかないからほとんどの場合、別居生活となる。


 そういった社会だからこそ、この機会を利用して気の合う友人を見つけてみないかと校長先生は言いたいのだろう。その中から結婚相手が見つかればなお良しと。


 ただ校長先生に向けられた眼差しから感じる意味はそれだけじゃない。


 純粋に家族がいなくなった俺を心配してくれてそうな……

 自業自得だけど、ふとした拍子に一人は寂しいと感じていることを見透かされているようだ。


「そう、ですね。友だちはどうやって作るかわかりませんけど、俺なりに頑張ってみます」


 努めて明るく振る舞ったつもりだけど、校長先生に新山先生、それに生徒会役員の先輩たちにまで心配そうな顔をしていた。

 いつでも相談に乗るという話の流れから、気づけばMAIN交換までしちゃってたよ。まあいいや。


 それから校長室を出て、職員室の前の廊下を歩けば職員室の先生方とバッチリ目が合ってしまったので、挨拶をしてから先輩たちとは別れた。


 新山先生と教室まで向かう途中、しんみりしながら歩くのも嫌なので、他の男子生徒はどうなったのかと尋ねてみたら、交渉は難航していると余計に暗くなってしまった。

 

 先生の様子をみるに、しばらく男子生徒は増えないかもしれないね。

 でもまあ男子生徒は気難しい人が多いっぽいから友だち付き合いは難しいかもしれないけどね。


最後まで読んでいただきありがとうございますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ