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やらかしていた男子ぼちぼち頑張る。  作者: ぐっちょん


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125/140

第125話(肥田竹人視点)

ブックマーク、評価ありがとうございます。

 共演する女がとてもいい顔する。剛田武人の動画を繰り返し見る度に、それがなんだか羨ましいと思うようにもなり……

 切り抜き動画なんかも見るようにしていれば、他にも沢風和也という男がいたことに吃驚したが、あれは気取っていて俺には合わなかった。


 やっぱり剛田武人。彼のようになってみたい。


 それから俺は姉に対する態度を少し改めた。とは言ってもスケートボードを持ち歩く姉を小馬鹿にしたり、罵声を浴びせたりすることをやめただけ。


 妻たちは妊娠しているので会うことはないが、武装女子のチャンネルを薦めておいたら、剛田武人がモデルをしている男性服専門店あゆの服を贈ってきてくれるようになった。


 早速その服を着て剛田武人風の髪型を保護官にしてもらい撮った写真を妻たちに送る。


 すると、妻たちがすごく似合っていると褒めてくれるじゃないか。この感じは悪くない。

 剛田武人が女性に優しくしている気持ちが少し分かってきた気がした。


 それから参加するようになってたお見合いパーティー。最近お気に入りの剛田武人ファッションで身を包み会場に入れば、スーツ? そんなのもあったな。

 でも俺は剛田武人ファッションだな。みんな(女性たち)が俺に注目する。

 いつもの俺だったらこっちを見るなと、腹を立てていただろうが、今日の俺は剛田武人ファッションで決めている。

 俺の選んだファッションが認められている気がして少し気分いい。


 しかし、いきなり司会者が握手しろとふざけたことを言い出し、さすがに無視してやろうかと思ったが、


「きゃー」

「やった」


 俺を見て嬉しそうに喜ぶ女たち。ほう、今日は気分がいいから握手くらいしてやるか。


 ただ話をするのは面倒なので女どもが勝手に話していることを適当に聞き流しておく。


「きゃー肥田様」

「竹人様」


 話題が武装女子になり、俺は剛田武人ではないと言うのに、俺の歌が聞きたいという女たち。やれやれ、と思う反面、俺も剛田武人のようにみんなの前で歌ってみたいとも思っていた。ちょうどいい。


 ステージに上がり驚いている司会者からマイクを借りると歌を歌った。


「聞いて驚けよ、俺(肥田竹人)が歌う『微笑みを君に』を」


 ふんふんふん♪


 歌い終わると拍手がある。なるほど。これは気分がいいな。お、その中に1人だけ拍手をしている男がいたぞ。あいつも剛田武人のことを知っているのだろうか? 気になったがちょうどフリートークは終わりとのことだ。


「すごくよかったよ肥田様」


「ふん。そうか」


 俺にはすでに2人の妻がいたので今日はただ暇つぶしのつもりで参加したのだが、ま、まあ、決して、剛田武人ファッションで外出してみたかったからではない。


 ふむ。気づけば婚約したい女性の欄に、俺が歌って1番喜んでくれていた小柄の女(32歳)の名前を書いていた。


 それからは女の名前を書いた紙をスタッフに提出してから俺たち男は休憩でも使った控室に案内された。


 あとは自分の部屋に名前を書いた女が現れれば婚約が成立するらしいが……俺がやったことといえば歌を歌っただけ。話なんてまともにしていない。


 柄にもなくちょっとドキドキしている自分に驚く。女の反応に興味なんてなかったはずなのに……


 コンコンコンッ!


 来た。と思ったら案内人だった。そっか。認めたくないが、これが現実。柄にもなく俯き肩を落としそうになったところで、


「肥田様、ご婚約おめでとうございます」


 え、案内人の言葉に驚き再び案内人の方に顔を向ければ……案内人の背後から小柄な女が顔を出す。俺が名前を書いた女だ。


「肥田様! あ、ありがとうございますっ」


「お、おう」


 これで婚約成立となるが、なんだろうこの気持ち。俺が、女を見てうれしく思うなんて……


 あとは案内人が婚約が成立した俺たちの写真を撮れば長かったお見合いパーティーは終わりだ。

 好きに解散していいのだが、希望すればこの後すぐに婚姻の手続きができる。手続きと言っても案内人(市の職員)が準備している書類にサインをするだけ。


「あ、あの……」


 女は結婚するき満々だったらしい。手提げ鞄から指輪と細いブレスレットを取り出してきたので、すぐにサインをした。


 この日俺は3人目の妻を迎えることになった。


 ——えっ!


 新たな妻と分かれてから保護官と帰路につくが、その帰り道、俺はある人物と遭遇して思わず声を上げる。


「剛田武人!」


 剛田武人だ。剛田武人が前から歩いて来る。俺の目指している男。ネッチューブで何度も何度も見ていた男。その男が今目の前を歩いている。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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