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爵位の継承 (注:第20章ネタバレ含む)

 ※あくまで本作における設定であることをお断りしておきます。


 爵位はその称号によってそれぞれ背景が異なり、継承のルールも一定ではない。本編に登場する爵位についても、個別に継承の規則がある。

 大別して①完全に世襲であるもの、②当主との関係性によって決定されるもの、③宗主の裁量で与えられるもの、に分類される。

 いずれの場合であっても国家君主の承認が必要であるが、①と②に関しては王や皇帝であってもよほどの事情が無い限り、覆すことは難しい。


 本編で登場する爵位についても、それぞれに継承の扱いは異なる。

 まずヴィーの持つ爵位のうち、ソーン伯とラヴィッジ伯は、いずれも世襲を前提としているため、特別な事情が生じない限り、彼の子に受け継がれることになる。前述の①に該当する。


 一方、ウォータークレス公はエレカンペイン王に帰属する称号であり、第二位王位継承者が叙されるものである。ヴィーの父シダーウッドもウォータークレス公であり、彼の死をもってヴィーが継承しているが、これは正しくは世襲ではなく、父の死によってヴィーが第二位王位継承者となったことが根拠となる(前述の②に該当)。

 彼の母方の祖父、先々代ラヴィッジ伯ヘイゼルもかつてウォータークレス公に叙されていた時期があった。当時の第二王子シダーウッドの誕生により、彼に爵位を譲り、その際あらためてラヴィッジ伯に叙され、世襲の権利も与えられたという経緯がある。

 この先ヴィーより継承順位の高い男子が生まれた場合は、その子に爵位を譲ることになると想定される。しかしあくまで慣例であって明文化された規則ではなく、移譲の時期は国王の裁量に委ねられており、自動的に移譲が発生するものではない。


 リエール卿の称号、リエール都市伯は彼の父エールコスト侯に帰属している。エールコスト侯が所有する数ある称号のうちの一つであり、それを分け与えられている形となる。

 当人の死後は再びエールコスト侯に返還されることになっており、その後は侯の預かりとなるか、一族の誰かに与えられる。その決定を行うのはエールコスト侯である。従ってリエール卿に子息があったとしても世襲の権利はなく、これは前述の③に当たる。

 ちなみにリエール卿が存命中でも、宗主が返還を命じれば返上しなければならない。

 彼の一門、ラングワート家は多くの所領を持つ有力な名門貴族であるため、四男のリエール卿にも領地を分け与えることが可能なのであるが、さほど規模の大きくない貴族家の場合、せいぜい爵位を名乗れるのは当主と惣領くらいのものである。


 ソーン伯に代わりリリー家の宗主となったフレーズ伯については、元々ソーン伯に帰属し、その惣領が代々叙される称号であった。分類としては②に該当する。

 しかしソーン伯がアイブライト家に移った際、ローゼルの祖父に譲られ、その際彼に世襲の権利が付されることとなった。つまり①に移行したわけである。


 このように、必ずしも爵位と継承ルールは固定化されておらず、状況に応じて変化していく。無論、いかなる場合も君主の承認が無くては成立しない。


 上記のほか、随時君主が直接叙爵する一代限りの称号なども存在する。


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