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異世界なんて大嫌いって言ったら彼にお前、矛盾してるって言われました

作者: 来留美

私は異世界が大嫌いです。

私の彼は異世界の話を私にしてきます。

最近の彼は異世界の話を気に入ってしまい、毎日のように異世界の本を読んでいます。

私は彼の隣にいるのに私なんて見えていません。


「まだ?」

私は彼に言います。


「まだ」

彼は本に目線を向けたまま言います。


「もういいでしょう?」

私は彼の本を取り上げます。


「何するんだよ」

彼は怒って言います。


「私はここにいるよ。異世界にはいないよ」

私は泣きそうになりながら言います。


「知ってる」

彼は面倒そうに言います。


「異世界の何がいいの?」

私は彼を見つめて言います。


「魔法が使えて、何でもアリだし、やっぱり可愛いヒロインがでてくるところかな?」

さっきまで怒っていたのに彼はニヤニヤしながら話します。


「それなら私はいらないよね」

私はそう言って立ち上がります。


「はあ?」

彼は何故かイライラしています。


「私は異世界なんて大嫌い。そんな異世界を好きなあなたも大嫌い」

私は彼に背を向けたまま言います。


「あっそ」

彼の顔は見えないのでどんな表情をしているのか分かりませんが声で分かります。

呆れています。


「それだけ?」

私は振り向いて彼に言います。


「じゃあ言わせてもらうけど、お前は異世界が大嫌いだって言ったけどそれ、矛盾してるからな」

彼は真剣な顔で言います。


「矛盾?」

私は首を傾げて言います。


「だってお前は異世界の王子様は格好いいって言ってただろう? それにそんな人がいたらいいのにって言ってただろう?」

彼は悔しそうな顔で言います。


「その話ってまだ付き合ってないときの話でしょう?」

私は昔のことを思い出しながら言います。


「俺はあの時思ったんだ。異世界の王子様ってどんなやつなのかって。それで本を読むようになっていつの間にか好きになってたんだ」

彼は恥ずかしそうに言っています。


「私のせい?」

私は驚きながら言います。


「お前のせい」

彼はふざけながら言います。


「それなら異世界より、私の方が好き?」

私は“仕事と私、どっちが大事?”見たいな言葉を彼に問いかけます。


「どっちも好き」

彼は意味深に答えます。


「私じゃないの?」

私は悲しそうに言います。


「異世界の中のヒロインはいつもお前だと思ってるし、この世界のお前は誰よりも可愛い」

彼は甘い言葉を私の耳元で囁きました。


「なっ何、言ってんのよ」

私は恥ずかしさの余り、彼を叩きます。


そんな私の手を取ると、彼はもっと甘い言葉を私にくれました。


「お前がいない世界は俺の中にはないんだ。いつでもお前は俺の隣で笑ってるんだ。俺のお姫様」



彼の言葉で私は嬉し過ぎて泣いてしまいました。

そんな私を彼は頭をポンポンと撫でます。

彼の優しさが伝わってきます。




「ねえ、今の異世界の本で、ヒロインの私はどんな人なの?」

「すごく可愛い……」

「すごく可愛い何?」

「猫」

「猫?」

「転生して猫になったって言う話だからな」

「猫は可愛いけどやっぱりお姫様とかが良かったなあ」

「いるじゃん」

「え?」

「俺の目の前にお姫様はいるじゃん。だから異世界では猫でいいんだ」

「もう、恥ずかしいじゃん」

「その顔を見せて」


彼は私の顎を上げ、私達は見つめ合います。


「顔、真っ赤」

「あなたのせいよ」

「目、閉じて」


私は彼に言われるまま目を閉じます。

すると彼が頭に何かを乗せました。

そして私にキスをしました。

優しいキスに私の心はドキドキしています。

ゆっくり目を開けると彼は愛しい人を見るように私を見ています。


「頭に何を乗せたの?」

「ネコ耳カチューシャ」

「えっ」

「異世界のお前が現実の世界に出てきてる感じだな」

「それなら本の中のヒロイン風に言うと、私は異世界転移してきたにゃん」

「めちゃくちゃ可愛い」


彼は私を抱き締めました。



私は異世界なんて大嫌いでした。

でも、今は異世界は大好きです。

だって彼は私にメロメロだからです。

読んで頂きありがとうございます。

彼女の不安になる気持ちを書いてみました。

皆様の心が暖まるようなストーリーだったら嬉しいです。

読んだ皆様方の声を聞かせて下さい。

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