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食事

矢は見事に命中した

ギミックが作動し、仕掛けられていた大木が轟音を響かせ地面と激突する。

あとは背後から攻撃して機動力を奪い本命の矢を射ち込む。


そう考えていて気づく妙な静けさを感じた。


実際に静かなのではない。

吹雪による凄まじい音は途切れることなく続き、

樹々の枝が波打ち静けさとは真逆と言っていい。

その答えは穴を覗き込むことで解った。


四足装獣が先程まで発していた威嚇音は鳴りを潜め、何か一点を見つめていたからだ。

それは轟音を起こしたトラップではなく全く別の方向を向いていた。


全く別の方向。


そう、四足装獣の見ていた方向は自分の家の方向だったのだ。

そうライアンが気づいた時には四足装獣は走り出していた。

ライアンは行かせてはならぬと

兎のように穴から飛び出し、

素早く狙い澄ました矢を放つ。


だが眼前の光景のもたらせた動揺から矢は一寸ずれ無情にも硬い装甲に弾かれる。


もう一射と構えた時には遅かった、

遅いと解ってしまった。


家に居るはずの子が

護るべき子に今、魔獣が食らいついた。













私は考えていた。


食べられながら


そう考え…ていた


なにをだったかな?


こんなに一面真っ白?の雪景色なんだから、

もしかしたら夢なのかもしれない…だとか


最先端VR?ゲームの最中だったかもとか?


クリームシチュー?

………

それで…なんだっけ?











ライアンは疲れ切っていた。


何故なのか、何故護らせてくれないのか


我が…己が弱いからか


己は、己は一体なんのために…


全部、全部アレのせいだ


アレのせいなんだ妻と娘は、そうなんだ


無尽蔵に湧き出ては人を執拗に狩り立て

無残な姿にかえ糧とする。


あの悪魔の…


目の前の子のように…


あの日のように


また、まただ


……そうか方法はあった


愛する妻と娘よ


己は今帰る。


ライアンは矢を放った。












………応答なし


緊急自動操縦……起動

簡易診断…………起動

損害率……………7割

補修品回収………起動


補修品にレア素材を発見

黒鉄の強弓

カスタマイズに追加


補修品回収………完了

修復開始…………

修復完了まで……9時間


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