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3 愛しの君へ

 送った手紙が届いたようでなによりだ。


 正直、名前を変えた封筒をよく開けてくれたね。


 うん。僕の名前は今、アッシュ・トーキなんだ。


 なんでもこの島に住むものはみんな勇者アッシュになるんだって。


 でも字で僕だってすぐわかったっていうのはちょっとショックだな。


 ずいぶん字の練習をしたつもりなんだけど……。

 僕の字って誰が見ても、書いたのが僕だってわかるんだってね。



 押し花にしたその花は、この島では珍しくないみたいだ。

 春になると一面に咲くそうだよ。


 春の終わりに見つけた花を君に送って、その返事をもらって、

 返事の返事を書くのが今まで遅くなったのを許してほしい。


 許せないなら叱りにきてくれるかい?


 手紙は送れなかったけど、その分仕事が忙しかったんだ。


 おかげで今は、ちょっと広い家に住むことができてる。


 部屋が二つも空いてるんだ。すごいだろ。


 同封したチケットは2枚あります。君のお母さんも連れてくるといい、

 観光する場所もたくさんあるし、俺の家の空いてる部屋に泊まってくれればいい。


 花言葉だけど、その時に教えるよ。


 追伸


 帰りのチケットのことなら心配しないで。


 あと、飛行船が島に近づいたら、空をよく見てほしい。


 斧が飛んでるから。


 なんのことかわからないと思うけど、くればわかるよ。


 君のアッシュより。



次話

島の特産物、ワグ茄子。

育てるのが楽しい植物でつい時間を忘れてしまう。

・・・もう10年たった?

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