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初恋は猫に似ている  作者: 久行ハル
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ソラの日記 二月十五日

 午前中からとてもぽかぽかした陽気だったので、わたしはリビングのソファの上のおきにいりの毛布の上で丸くなってうつらうつらしていた。


 わたしはまだこどもなので、寝るのもしごとだと病院の先生は言っていた。だからおひるねが最優先でつぎにごはんとあそぶことがくるくらいの順番になる。


 まだ完全にねてるわけじゃないので、あたまのなかでぼんやり色々考える。


 とうやはどうしてわたしにいじわるなんだろう。きのうも生タイプのツナ缶がいい(ほんとうにびっくりするほどおいしい!)と言ったのに、健康のためとかどうとか言って、カリカリのごはんになった。


 はるきはこっそり自分のおさしみを一切れわけてくれた。はるきはほんとうにやさしい。同じふたごでどうしてこんなにさが出たんだろう。もっとも見て見ぬふりをしてくれたとうやもほんとうはやさしいのだけど、やさしさがわかりにくいのは損だと思う。


 はるきのやさしさと、とうやのまじめさがいっしょになればいいのに……。



 気がつくとすっかり眠っていた。目にはいった時計を見ると小一時間たっている。


 ガラス窓ごしの日差しはいちばん高くなっていてちょっとあついくらいだ。そう思って移動しようとするとからだがうごかない。気がついたらソファに横になったはるきに、わたしはしっかり抱き抱えられていた。


 はるきはすっかり眠っていて、がっしりしたうではふりほどけそうにない。


 あきらめてわたしは、はるきのむねに体をあずけて大きくあくびをした。ねてもねてもまだねむい。ねすぎるとねる事で疲れてしまって体がだるくなるけど、そのときまたねてしまうともっとだるくなって、一生起きられないんじゃないかと思う。


 それでもねむる魅力にまさるものはない。はるきの体温とすっかり春めいた日差しに囲まれて、わたしはまた眠りに落ちていった。

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