プロローグ
このお話は、ファンタジーです。
一種パラレルワールドの出来事となり、現実的要素が皆無ですが、夢を見たい方は駄作ですが是非お楽しみください。
作者未熟で、文法などがおかしいところも多々あると思いますが、温かい目で見守ってやってください。m(_ _)m
人殺しと、誰も云う。
ー・・とうさん、とうさぁーんっっ!!!
紅蓮の炎が一つの家を包み込む。少年は泣いていた。
紅の髪に黄金の瞳を持つ少年が、声を限りに泣き叫ぶ。赤く輝く魔法円が禍々しく家の周りを回っているのを見て、少年は愕然と己の手を凝視した。
人と寄り添い、共存するのが魔法なら。 人を傷つけ、殺めてしまうのもまた魔法だ。
誰かを助け、手をさしのべるのが人間なら。
ー・・だれか・・・だれかたすけてくれよ!とうさんが、まだいえのなかにいるんだっ!!
誰かを見捨て、拒絶するのも、人間だ。
同情の視線を向けるだけで助けてくれない人々を、少年は憎んだ。
大切な人を傷つけるような自分の巨大な力を、もっと憎んだ。
ー・・とうさん・・・・とうさんっ・・・!!
泣いても、叫んでも、炎は消えなくて。 父の声も聞こえない。
無力な少年を嘲笑うかのように、炎だけがただ大きく燃え上がっている。
炎おさまったのは夜が明けた頃だった。白み始めた空の下、声も涙も枯れ果てた少年が全焼した家の前に座り込んでいる。
父親の生死など、誰が見ても明らかで。
所々焦げて煤けた父のコートを握りしめる少年の汚れた手の上に、枯れたはずの涙がポタポタ零れ落ちていった。
紅の髪に黄金の瞳、赤いマフラーに煤けた古いコートを羽織り、少年は再び歩き出す。
小さな背中に、父親殺しの業を背負って。
まだプロローグの段階ですが、時間を見つけて続きを書いていこうと思います。
更新が亀並の遅さですがあしからずご了承くださいませ。