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「好き」なのに、

作者: 江角 稚

人間なんて、所詮エゴイズムの固まり。

どうして

「好き」なのに、

結ばれないのかしらね。




貴方さえ

「もう俺を追うな」と

突き放してくれたなら


私だって

後ろを振り返らずに

先へと進むことが出来たのに


自分の物には

したがらないくせに


そうやって

自分の傍には置きたがるから


私は何処へも行かずに

貴方の傍に居るんでしょうけど




でも、良いの

それでも良いの


それで良いから……

傍にいてよ……




好きだよ

うん、大好きなんだ




……多分。




自分でも

時々、分からなくなるの


不安になるから

抱き締めて欲しいのに


どうして不安な夜には

一人ぼっちで

泣かなくちゃいけないの?




友達じゃなくて

恋人にもなれなくて

言葉で表せなくて


「友達以上恋人未満」なんて

可愛い表現も出来なくて

ましてや親友でもない


どうして絆は深いはずなのに

改めて言い表そうとすると

「ただの知り合い」にしかならないのだろう




片想いが苦いなら、

諦めて去れば良いの?


それが簡単に出来る程、

世の中は甘くないの


人間関係って複雑

それでいて、悩みは尽きない




それだけでも厄介なのに

貴方は依存しているの

私の尽きることのない優しさに


それに加えて

私は依存しているの

貴方の気まぐれな優しさに




だから

いつも参ってしまう


そして戻るの

最初の疑問に





どうして

「好き」なのに、

結ばれないのかしらね。


だから相手の気持ちを推し量れずに、自分の感情を押し付けてしまう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 感想、ありがとうございました。 一途って…損ですよね。 良いことだとよく言われるけど… なにも良いことではない。 友達以上恋人未満… 友達以下になるよりかはマシな関係なのかもしれません…
[一言] 作者の感情(?)がにじみ出ていますね!! とてもいい作品だと思います。とても共感できました!! では。これからも頑張ってください。
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