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暗闇

一、

 僕は今、教室にて勉強中だ。


「はぁ、彼女でも出来ないかなぁ・・・・」


 僕、以外誰もいない寂しい教室に僕の声が反響する。

はぁ・・・・寂しいものだ。

全く、一人で勉強するなんてなぁ・・・・・。

今日の古典の小テストで零点を取ってしまった僕は・・・・いや、昨日は夜更かししてて・・・眠かったんだ。

ちょうど、五時間目だったのでうとうとしてしまい・・・・・一門も解いてないままに回収。

結果、先生から古典の問題がずらりと並ぶ恐怖のプリントを渡されたのであった。

クラスから声も聞こえなくなってから何分が経ったのだろう?一応、まだ外では運動部の部活が色々やっているようだ。一年生の声が聞こえてこないのはまだ、入学式があってから一週間しか経っていないからだ。そろそろ、辺りも暗くなりかけており・・・・どうやら、半分もいっていない古典のプリントは家でしたほうがよさそうだ。く、わからねぇ!!

 家に帰るため、荷物をまとめて鞄の中に入れ、教室の電気を消す。ま、先生の怒った顔が簡単に想像できてなんだか・・・・まぁ、どうせ、なんとかなるさ。

 期待を持って下駄箱を開ける。はぁ、今日もピンクの手紙は僕の下駄箱の中にいなかったか・・・・まぁ、今の時代で手紙を下駄箱に入れる人が何人いるだろうか?ぶっちゃけ、怪しむほうが先だと思うが・・・・・。まぁ、僕としては何とかならないもんかね?一度でもいいからそんなものが下駄箱に入ってたら嬉しいんだが。

 帰り道・・・・ほとんど沈んでいる太陽を見ながら家に帰るとしよう。ああ、春は来たのだが・・・・僕に春は来るのだろうか?どこかに美少女でも転がっていないだろうか?まぁ、転がっているのなら・・・・この世に彼女のいない男なんていないだろうが・・・。

 この辺りの帰り道は夜は物騒だそうだ。

よく、女子高生が襲われているらしい・・・女子中学も襲われているそうだ。

まぁ、僕はもともとここに住んでいたわけではないので分からないのだが・・・・とりあえず、ここいら辺には変質者が続発中で、不審な行動をしている人物はすぐに警察に連絡される。

ええと、この前は・・・道で美少女が出てくる漫画を見ていたおたくっぽい人が警察に連行されてったな。

僕としてはあれはただ単に家に帰って読むのが面倒だったからではないのかと思うのだが?まぁ、入学してから割合良く見かけていた男性だったが・・・・今では一度も見ていないな。と、僕がそんなことを考えていたのが間違いだったのか・・・・それとも、人気のかなり少なく、学校でもそこは通らないと決められていた・・・主に女子だが・・・道を通っていたのが間違いだったのかもしれない。まさか、男を襲う奴なんていないと思っていたのだが・・・・


 僕が襲われてしまった。


 電柱の暗闇から現れた相手の行動は素早かった。さっさと僕の後ろに回りこみ、一撃。結果、僕の意識は面白いように暗闇の中に放り込まれたのであった。く、金目的か?



 吹っ飛んでいった意識が戻ってきたのはいつぐらいだったのだろうか?まぁ、意識がなかったのでどんなことを考えていたのかさっぱりだったが・・・・なんだか、いい夢を見ていた気がする。うん、もって帰りたいぐらいの可愛い子が・・・僕をどこかよくわからない土地で拾ってくれた夢だ。うん、ちょっと自分の脳みその中がやばくなってきたのではないだろうか?夢の中まで女の子が出てくるなんてとうとう、僕の頭も御陀仏かもしれん。とりあえず、目を開けることにしよう。


「ん・・・・。」


 頭がすんごい、柔らかい。そして、僕の体には布団が重ねてあった。うん、とっても高そうだ。僕がこんなものをかぶっていたら罰が当たりそうで怖い。


「・・・・・?」


 しかし、ここはどこだろうか?そして、何でこんなところに寝ているんだ?そして、僕は誰だ?・・・・・名前が思い出せん。・・・・あれ?


「・・・・???」


 !はエクスクラメーション・マークと言って、感嘆符と呼ばれているものだ。いや、こんなことは覚えているのに・・・・自分の名前が思い出せないなんて・・・・。


「・・・・。」


 ああ、気になるなぁ・・・・。


「だいじょうぶか・・?」


 く、今度は幻聴まで聞こえてきたか。うん、渋い声だが・・・どうやら、女性のようだ。名前も思い出せなくなってしまった挙句、幻聴まで聞こえてくるなんて・・・・てか、僕は何歳だ?


「ええと、大丈夫かね?」


「はい?」


 顔を上げる。そこには、どこかで見たような顔があった。ふむ、これは夢に出てきた人だな。うん、可愛いというよりかっこいいというほうに部類するのかもしれない。・・・・今度は幻覚まで見えてきたか・・・・疲れがたまっているのかもしれん。


「・・・・さっきから、首をかしげたり、頭を抱えたり、目がうつろになっているが・・・大丈夫かね?」


「・・・いえ、どうやら・・・幻聴や幻覚が見えているようなので・・・・大丈夫じゃないようです。どうやら、僕の脳みそは真夏のアイスクリームのようになってしまったようです。」


 はぁ、やばいね。ベッドの上にのって僕を眺めている・・・・というより、僕の上に馬乗りになっているなんて・・・・ほら、なんだか・・・襲われている感じだね?・・・・!


「・・・うぐぅ!!」


「ど、どうした?」


 急に、僕の頭が痛くなった。いや、すんごい痛い。どうやら、何かの言葉に反応したようだ。関係している事柄が再び起こった場合に消えてしまった記憶が戻ってくるって誰かが言っていた気がする。しかし、洒落にならんぐらいの痛さだ。く、死ぬ前に・・・・せめて、せめて・・・・。


「ちょ、何するのだね?」


「・・・・・。」


 目の前にいる女の子に抱きついておこう!!え?変態?いえいえ、荒療治ってやつです。この後の展開を見ていれば分かりますからね。

 案の定、女の子は抵抗・・・してくれなかった。おい!!少しは抵抗しなさい!あなたが暴れた結果、あなたの手が僕の頭にあたってもしかしたらいたいのが治るかもしれないでしょ!え?テレビを叩く時代は終わったって?く、僕の頭の中は古臭いのか?


「・・・あの、その・・・お手柔らかにしてくれ。」


 うぉい!!何顔を赤くして目をつぶってんですか!!く、何がお手柔らかにか知らんが・・・この頭痛をどうにかしてくれ!!ええい、この人はどうやらあてにならんようだ。何か・・・何か・・・頭を叩くものはこの部屋にないのか?

 見ると・・・いや、頭痛がしているのに冷静だな、僕。

まぁ、それはいいとして、辺りは純日本なお部屋であった。

部屋には掛け軸や木刀などが置かれており、うん、障子もいい味を出している。さて、状況把握はこれでいいとして・・・・僕は木刀を自分で持って思いっきり頭に打ちつけたのであった。それはもう、その音に目を空けた女の子が僕をびっくりしたまなざしで見ていたから間違いなく、凄かったに違いない。

 さて、その御蔭で段々、気が遠くなってきた。これでこの嬉しいが・・・いや、かなりいい感じの夢から抜け出すことが出来るに違いない。ああ、さらばだ・・・・・この世の天国よ・・・・。


 次に目を開けたら、自分の部屋だった。うん、まだ誰も・・・・いや、僕と親父しか住んでいないが・・・しかも、親父は五年ぐらい前に見たきりで・・・いや、一応、写真では元気な顔を見せてくれている。まぁ、どこかわからねぇ文字で手紙を書いてくるのもあり、手紙の最後にいつも『日本語以外も勉強しろよ。』と書かれている。


「あ、起きたか。おとうさんから手紙が来ていたよ?」


「あ、どうも。」


 ええと、今度はどっから来てるんだ?全く、自分の息子の入学式にも顔を出さないなんて酷いもんだ。


「・・・・はぁ、どっから送ってきてんのか全然、わかんねぇ。」


「それはだね、きっと、中南米辺りだと思われる。」


 はぁ、そうですか、博学ですね。全く、それならそうとちゃんと書いてくれればいいんだ。そうすれば僕もこうやって他人に教えてもらわなくて良かったのに・・・・?


「・・・・あなた、だれですか?」



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