時空に降る雨
四、零
さて、ここに来てようやく、物語は分かれる。
「さぁて、と、仕事を開始しようかな・・・・。」
誰もいない夜の公園では一人の女子高校生がブランコにてアクロバットなことをやっていた。そして、空中に飛び上がって砂場に華麗に着地、十点をあげたいものだ。見事にめくれたスカートはぐっと来ます!
「うぅんと、仕事内容はここいらにいて、この前天使になったものの消去・・・・。うん、やっぱりメモにしておくべきだったな。まぁ、いつものように他の次元にでも飛ばしておけばいいや。」
どことなく、抜けたところがあるような気がしないでもないが、しょうがない。
一応、彼の紹介文を書いておこう。
名前は悪魔Aとでもしておこうか?その悪魔Aは当初のころは仕事熱心でとっても上司から期待されていたのだが、事件を起こしてそれから職務怠慢なので、だんだん、上司からの期待は激減、これが最後という仕事を与えられたのであった。その仕事内容は危険度Sの悪魔ランク達人がないといけない任務であった。というより、この悪魔の上司としては出来るだけ危険の高いものは無視する傾向があるが、お払い箱としてこの悪魔を消すはずであったが、今回はうまくいったのであった。
「・・・・ええと、相手を他の次元に飛ばす方法はどうだったかな?」
本当は、この時点でとある少年がやってきてこの悪魔を背後から強襲、襲われた悪魔はその後、記憶を失う予定だったのだが・・・・歴史は変わってしまった。
「ああ、思い出した。『あっちいっちゃえー!!』だったな、うん・・・・。」
悪魔Aは相手がろくに家にいるとも分かっていないのにターゲットとなっている人物がすんでいる家に目標を定めると、呪文を唱えたのであった。
「『あっちいっちゃえー!!』」
そして、あっけなくその少年は違う次元に飛ばされたのであった。え?あっけなさすぎ?
鋭い電子音が耳をつんざき、僕は目を覚ました。
「・・・・・あ、そろそろ学校行かなきゃ遅刻かもしれないな。あ〜あ、妹でもいたら『お兄ちゃん、朝だよ!』って起こしてくれると思うんだけどなぁ。」
そんなことを言ってはみたが、この家にいるのは僕だけだ。うぅむ、父さんは仕事でいないし、母さんはいない。妹も姉もいない。兄と弟は要らない。家具もほとんどなく、あるのは机(ダンボールを強化して作成)と小さいテレビ(土手で拾ってきた)だけだ。あと、この前寿命を全うした昭和ぐらいの冷蔵庫。そろそろ、粗大ごみとして出さないといけない。
「・・・・・朝食はどうしようかな・・・」
考えてみたが、特に何も思いつかないので考えないことにした。眠い・・・・。今なら五円玉を目の前にふらふらされるだけで寝てしまいそうだ。
「・・・・さて、そろそろ学校に行きますか・・・・」
顔を洗って朝食は食べたこととする。うん、これでいいだろう。授業中は寝てればいいだろうし・・・・。
まぁ、父さんが帰ってきてくれればこんな生活ともおさらばできるかもしれないが・・・・いつのことになるのやら・・・・。
「・・・にゃ〜・・・」
「いってくるよ、黒丸。」
近所に住みついていた野良猫の黒丸に朝の挨拶をつげる。まぁ、匍匐前進をしていたりするから本当に猫かどうかはなぞなのだが・・・・。
学校について始業チャイムぎりぎりで机に座る。
クラスメートの顔はどれもちょっとの不安が混じっているような感じだ。
あまり入学式から経っていないのもあるだろう。
あ、ちなみにこのクラスの女子たちのスタイルはまぁまぁだ。
顔も普通といったところだろう。誰かが僕のことを好きになった場合は早い者勝ちでこの中の誰かと付き合ってもいいと考えている。もっとも、僕としても特に取り柄というものは思いつかないし、顔も普通、勉強も普通といったところだから・・・・このクラスの女子たちともしかしたら縁がないかもしれないが・・・・・。
「きりーつ、れーい、着席!」
今日も、なれない教室での授業がそろそろ、終わりを迎えようとしている。
今日の授業は六時間まであり、今は五時間目の古典だ。まぁ、それはいいとして僕はこの連中と仲良くして行けるかどうか不安でたまらない。なぜなら、この教室には知り合いは一人もおらず、はるか遠くからこの高校までやってきてしまった僕のせいだ。ああ、古典の授業は別に聞かなくていいからちょっと暇つぶしに過去のことでも思い出そうかな?
たしか、中学のころに僕はちょっと辺りから腫れ物的扱いを受けていた。
それには事情があり、懐かしいな・・・・あれはちょうど中学に入りたての僕がまだ、中一のころだ。
桜が散ってしまっていたのを覚えている。
まぁ、小さなころから父さんが僕にやけに馬鹿丁寧に色々と教え込んでいた。
我が父親ながら何を考えているかさっぱりな人で、頭はいいのだが・・・・ちょっとねじの外れた人間のようだった。
そんな父さんだが、意外と正義感が強かった。
僕に毎日、正義と悪について教えてくれた。
まぁ、教えたといっても正義とは自分が正しいと思うことであり、悪とは自分が間違っていることであるといった感じだ。それでも、小さかったころの僕にはそれが大事なことだと思った。まぁ、そんなわけで、自分なりに正義とは何かと考えたものだ。結果、『女の子をいじめる奴は悪である!』となったのだ。
そして、話は戻るが中一のころだ、とある女子中学生(制服が違ったので違う中学と思われる。)が、うちの中学の男子とにらみ合っていた。たしか、何かを話していた。
「・・・・あたったって言うのに、あやまらねぇのかよ?」
「そっちがあたってきたんですよ?何で私が謝らないといけないんですか?」
そんなものだった。そして、僕はかっこよく・・・じゃなくて、近寄ったまではいいが、きれいにこけてしまい、その女の子の前に無様に登場。そして、女の子はこけた僕を睨んでこういったのだ。
「・・・あんた、何私のパンツ見ようとしてんのよ?」
そして、僕は蹴られた。
それで隙が出来たのだろう・・・・男子生徒たちは僕をけった女子中学生に襲い掛かった。完璧に隙をつかれてしまった女子中学生は、その場に押し倒された。ちなみに、男子中学生に僕は思いっきり踏まれてしまった。今考えれば、その場にあの少女が倒れたのは僕のせいだ。僕を踏んだ男子生徒が転倒してしまったからだ。
とりあえず僕は、押し倒した男子生徒をコテンパンにして、その仲間もついでにぼろぼろにし、見ていた通行人を口止めするために気絶させたのだった。今思えば、ちょっとやりすぎたと思う。そして、倒れている女子中学生に歩み寄ったのだが・・・・パンツ全開の状態だった。
みていたのが悪かったのだろう・・・・立ち上がった女子中学生は僕をにらみつけて最後の台詞を吐いた。
「何見てんのよ、このスケベ野郎!!」
うん、あれは凄かった。残像を残して動いた彼女の右足は僕の股間を狙っていてたので、足を塞いでガード。しかし、実はそれはフェイントだったらしく、下に気をとられていた僕の頭に彼女が持っていたかばんが鋭い音を響かしてヒット。
気がついたら、病院だったというわけである。
僕が通っていた中学校はこの事件を記録から抹消。あまり関わりたくなかったのかもしれない・・・結構な名門中学だったから・・・しかし、噂というものは広がるらしく、この事件の犯人は僕ということで生徒たちの間では噂となった。まぁ、中学のころには他にも色々やってしまったから仕方ないかもしれない。
「・・・・・で、ここの現代語訳は今からやる小テストに出すからね?・・・」
まぁ、そんなこんなで、中学時代は生徒からも先生からも厄介者だった。中一と中二だったころは連日、上級生の特別パーティー券(会場は体育館裏側、参加メンバーは見た目が取っても悪そうなお兄さん方)をプレゼントされていたものだ。たまに、隣町の中学からの招待状もプレゼントされたものだ。全く、僕としては女の子からのお誘いが良かったのだが・・・・。
ま、こんなもんだったぐらいとしか、想像が出来ない。
ちなみにいうなら、僕の通っていた中学はやってくる生徒に偏りがあり、極悪と超おとなしいと、両極端だったため、よく絡まれていたものだ。
まぁ、僕はどちらかというと真ん中に部類していただきたい。
中学は物静かでかわええ女の子がたくさんいたものだが・・・・僕にはあまり話しかけてきてくれなかった。
他の男子には話しかけていたのにな・・・ぐすん、まぁ、それはそれでいい思い出として僕は知らない土地に行ってみたくなった。父さんは無言で頷き・・・といっても、教えたかったのだが、居場所が分からないので教えようがない。ということで、僕は見知らぬ高校へと進学したのであった。いまだに、通っている高校の漢字を僕は書くことが出来ない。洒落にならんぐらい、この高校の漢字は難しいのだ。
さて、そろそろ真剣に眠くなってきた。まぁ、古典ぐらいは大丈夫だろう・・・・グンナイ、いるかもしれない我が妹とお姉さま・・・・・
「・・・・・・はぁ、折角、世界を滅亡させた挙句に、他の次元まで吹っ飛ばしてすべてオールキャンセルしたんだけどな・・・やっぱり、伊達じゃないな。」
どこかの制服を着た男子生徒は双眼鏡をはずしてため息をついた。そして、双眼鏡を学校から、近くのマンションに移動させる。
「・・・・おほ、たまらないね。」
顔をにやけさせながらも簡単のため息を漏らしていたが、その顔がちょっとあせっていた。
「やべっ、気づかれちゃった。俺の変装がばれるなんてな・・・・さて、とんずらするか。そろそろ、俺がいなくなったのに先生も気がつく頃合だろうからな・・・・」
男子生徒は急いで屋上から姿を消したのであった。屋上で草むら(しかも大型)をまとっていたらばれるに違いない。まぁ、そんなこんなでその謎の草むらの抜け殻はそのビルの屋上から姿を消したのであった。そして、少し経った後、一人の少女が屋上のドアを開ける。
「・・・く、一足遅かったか・・・・」
その声には悔しさも混じっていた。そして、これからどうなるのであろうか?
ええと、ここから話は変わっていきます。まぁ、どうなるかは期待してて待っててください。




