貴方に捧げるこの思い最後ぉぉ!!
今回でラストです。
十六、貴方に、伝えるこの想い・・・
僕は彼女と共に予行演習というものを始めた。念のためだ。
「さて、まずは・・・・告白のシーンからね?」
「は、はいっ!!し、驟雨君、大丈夫ですよね?」
信井さんはがちがちに緊張しており、大丈夫なのかと僕のほうが聞きたい。ま、まぁ・・・どうにでもなってしまえばいいだろう。いや、これじゃちょっと無責任かな?
「とりあえず、何か気の聞く台詞を言ってみたら?」
「はいっ!!どうか、貴方の目覚ましに私を任命してください!!」
うーん、ちょっと違うかな・・・。
「次。」
「貴方の・・・バキューン(自主規制)を私の・・」
「ストップ!!それはやばい!!いろんな意味でストレートすぎ!!」
「そ、そうですか・・・?」
僕としては一度でもいいから言われてみたい台詞だな。ま、まぁ・・・今回は残念だとしても、いつかはそんな女の子と出会いたいものだなぁ。
僕が一人で妄想にふけっていると、氷さんがやってきた。
「驟雨君、事件が来るぞ?」
場所は屋上なので、そろそろ何処かに隠れないと僕たちが居ることがばれてしまう。僕と氷さんは慌てて屋上の一つにおいてある謎のボックスのところへと避難する。その裏には他の生徒会メンバーが隠れていた。
「遅いですよ。」
「ごめん。」
「ほら、きたっ!皆静かにね?」
僕たちが見ているところへと事件がやってきた。そして、その前に信井さんが一歩を踏み出す。
「うぅむ、的確な指示を出すために通信機でも持ってくればよかったな。」
いや、それは流石にやりすぎではないのでしょうかと僕は考えたが、既に他のメンバーはそんな生徒会長の事など放っておいており、二人のほうへと視線を固定。
「お、信井さんがとうとう愛の告白をしたぞ!!」
僕は内心、変なことを口走っていませんようにと思いながらその光景を見ていた。ま、まぁ・・・・彼女の事だから大丈夫だろうとは思う。先程ちゃんと指導はしておいたし、間違いは訂正させたし・・・。
「あ、事件が返事をしたわ!!」
事件に何をいわれたのか知らないが、信井さんは首を縦に動かしたのであった。そして、事件は屋上から姿を消した。
「よし、皆・・・返事を聞いてくるか!」
生徒会長を無視して僕以外のものたちは既に彼女の元へと駆け寄って行ったのであった。僕はいじけてしまった氷さんを立たせて信井さんの元へと向かう。
「信井さん、どうでした?」
「あ、あのね・・・ちょっとまっててくれって。そんなことを言われてもいきなりの事でびっくりしているからだって言ってた。できれば、色々な人に話しておきたいっても言ってたなぁ。」
まぁ、今回は手ごたえありって感じかな?僕としてはもっと違うことが聞きたいのだけどね。
「信井さん、因みになんて言ったの?」
僕の質問に信井さんはふと考えるような仕草を見せて答えた。その答えを聞いて、その場に居た全員が固まった。
「えっとね、一緒に死んでくださいって言ったの。ほら、日本の映画とかでよく言うじゃないですか?」
「・・・・それ、一緒に死んでくださいじゃなくて、一緒のお墓に入ってくださいじゃないかな?」
信井さんには悪いが、多分、ふられるに違いない。絶対に、この場の全員がそう思っているだろうと僕は思った。
その日の放課後、僕は公園で氷さんと一緒にブランコをこいでいた。
「返事、どうなるでしょうね?」
「まぁ、はっきりしていると思うがね。驟雨君、君はどう思う?」
「多分、ふられると思います。」
「そうだろうな・・・。」
なんだか、切ない気持ちになりながらも・・・・今の心境を他人に伝えるなら、こうなる。自分の目の前にあるケーキが実は蝋よりも食べられないであろう、物体だったときみたいだ。
「驟雨君は女の子にそんなことを言われたときはどうする?」
「僕だったら・・・事件と同じようにするかもしれません。」
「ふふ、そうか・・・・。」
氷さんが何故、笑ったのかは僕には分からない。だが、なんだかとってもうれしそうだったのでよしとしておこう・・・・。
僕たちから、少し離れている場所で・・・一人の少女が立っていた。右手には魔女っこが持ってそうな杖を持っている
「あ〜あ、魔王様から怒られちゃったよ。まさか、送り込む世界が違ってたなんてなぁ。ま、今から襲えばなんとかなるっしょ?」
彼女は右腕を高らかに掲げた後、何かをぶつぶつと呟く。
そして、その右腕はまっすぐに僕に向けられていたらしい・・・・・見事、その攻撃がヒットした僕は意識を失った。なんだ、このちゅーとはんぱなおわりかたはぁ!!〜終〜
後日談
事件に告白した信井さんはやはりと言うか、なんというか、ふられてしまった。その後、事件は他の高校へと転校までしてしまったそうだ。
「うう、ふられてしまいました。」
「ま、まぁ・・・男は星の数ほど居るんだし、もっといい男を捜しなよ。」
「・・・・そうですね。」
そして、僕のことだが・・・・綺麗さっぱり、忘れ去られてしまっている。何故かって?そんなことは知らないが、一つだけ、確かに僕がこの世界に居たことを確認させるものが存在している。
「なぁ、氷君・・・あのサンプルの入った薬はどこに行ったか知らないかね?」
「知りません。教授が何処かにしまったのではないんですか?全く、教授はいつもいつもそうやっていつもなくしますからね。あんな貴重で危険なものをなくすなんておかしいですよ。」
「そ、そうか・・・どこにやったかなぁ?」
そう、あの薬は僕の体内の中に入っているので、それだけは変わらず、そのまんまだ。
今後、どのようなことが起ころうとするのかわからないが、できれば、穏便にことは進めてもらいたい。いやぁ、意外と心臓が悪いんで・・・・。まぁ、そんなこんなで僕は無理やりに新たな世界を放り出されてしまい、前と同じ世界に戻れるのかと無意識的に思っていたが、甘かった。僕は、驟雨のままで更なる場所へと飛ばされてしまうのであった・・・・・。
さて、これから先はどうなるかさっぱりわかりませんが・・これまで読んでくれていた皆様に感謝の心を伝えたいと思います。皆様、いままでよんでくれてありがとうございました!今後共々、これからの作品にもご期待ください!!




