古代兵器五
十、イカVS生徒会
「・・・・驟雨君、大丈夫か?」
「ええ、まだぴんぴんしてますよ。しかし・・・・月にはウサギとイカが住んでいたんですね?びっくりしましたよ。」
ちょっと話はさかのぼる。宇宙人のイカたちに月ちゃんが誘拐されてしまった。まさか、晩御飯のイカの刺身がいきなり動き出すとは予想をはるかに超えていた・・・・。正直、トラウマになりそうだ。まぁ、白い足で月ちゃんを絡めとると、イカは僕たちにこういって去っていった。
「・・・・長かった・・・月をウサギとかけて勝負したことが昨日のように思えるぐらいだ・・・・ウサギたちを倒してしまえば、昔来たことのある地球など、侵略はたやすいからな・・・・お前たち、この娘を返してもらいたいならわれわれと地球をかけて勝負しろ。場所はこの近くの学校だ。」
と言うことだ。
そして、僕と氷さん、そして生徒会のメンバーたち(それぞれ、事情があって参加)が打倒イカを掲げて学校の校門前にやってきて、それぞれ分かれて戦闘を始めたのであった。
僕と氷さんは右から学校内を攻めている。そして、約半分まで攻め入ることに成功していた。ちなみに、武器は氷さんが家にあった包丁で、僕は後方援護として鎧王さんと靱さんから借りた麻酔銃だ。彼女たちは普通にイカのことを食料と思っているらしく、麻酔銃に倒れてしまったイカたちをビニール袋に入れているのを先ほど、見かけた。
「鎧王、一匹たりとも逃すな!!」
「了解!!」
「きゃぁ!!触手、気持ち悪いよぉ!」
「柵木さん、大丈夫です。」
「くそぉ!!全員、撤退だ!!」
「ま、回り込まれてるぞ!!」
「ぐ、ぐぁぁぁぁぁ!!」
そんなやり取りが向こうから聞こえてくる。
ここのイカは普通に喋っているから怖い。まぁ、それを除けば普通のイカとの違いなそう、ないのではないかと思われる。まぁ、種類がさまざまあって、発光していたりするものもいた。彼らの標準装備はイカ墨らしく、今のところは宇宙人っぽい武器なんかは出ていない。・・・・多分、地球人を馬鹿にしていたのだろう・・・。
「・・・・驟雨君、危ない!!」
僕のもとに一匹のイカが突進を開始・・・・。
「・・・・ガンダ○ちゃん、後は頼んだよ!!」
そういって突っ込んできたイカを僕はさらりと避けて麻酔銃を打ち込む。途端、空を飛んでいたイカはべちゃりと廊下に落ちた。そして、ピクリとも動かなくなる。
「・・・氷さん、助かりました。」
「なに、当然のことをしたまでだ。」
ここで言っておくが、イカ墨はどうやら特別せいのものらしく、ついたら、取れなくなってしまうようだ。
「・・・・・よし、驟雨君、援護射撃は任せたぞ?」
「はい!わかってます!!」
イカがたむろしている廊下に一人で入り込んだ氷さんはイカをさばき始める。そして、僕はできるだけイカが集まっているところに銃をぶっ放す。
「侵入者を始末せよ!!」
「捕まるな、連中はわれらをてんぷらにする気だ!!」
数分後、氷さんが持っている包丁は相手の返り墨?を浴びて真っ黒に染まっていた。
「よし、今入った連絡では旧校舎は占拠したそうだ。後は、人質の奪回。それだけだぞ、驟雨君。」
「ええ、そうですね、どうやら、屋上に刺身になっていたイカはいるようですね?」
未だに、月ちゃんをさらって行ったイカとは会っていない・・・・つまり、奴が首領ということになり、自ら率先して刺身になって僕たちの隙を狙っていたに違いない・・・・しかし、なぜ、僕たちを選んだのだろうか?
「・・・行くぞ、驟雨君!!」
「ええ、行きましょう!!」
屋上の扉を開けると、月見でもしたくなるような大きくて青い満月が僕たちの目の前に姿を現していた。そして、屋上の真ん中にはイカと縛られている月ちゃんがいた。
「・・・くくく、ここまでくるとは相当、強いようだな?流石はむ〜んに選ばれることはある。」
「・・・後はお前だけだ、観念したらどうなんだ?」
氷さんは蒼月をバックにたたずんでいるイカに向かってそういった。
「私たちの晩御飯のおかずのくせして生意気だぞ?」
「ふん、観念するのはそっちだ!今からお前たちに面白いものを見せてやる!!」
僕はイカが空を飛んでいるだけで十分、面白いと思うのだが?
「・・・えい!!」
バキュン!
僕は思う、ゲームのラスボスなど、そこいらの連中は御託を並べるが、勇者もそう、待っていてはくれないだろう・・・・。
「ぐ、まだだ、まだ終わらんよ!!」
「せりゃ!!」
ばばばばばばばばばばばば!!
僕が持っているありったけの麻酔銃をイカに打ち込んだ。氷さんはその隙に月ちゃんを救助。イカは力を失ったのか、その場に落ちて盛大ないびきをかき始めた。
これで終わりに思えたが、月から何かが降ってきた。そして、僕たちの目の前にそれは着陸。なかから、ウサギが出てきた。何、これ?
「・・・・あの、氷さん、このウサギさんたちはどこから来たと思いますか?」
「・・・月ではないか?」
茫然自失といった調子で、そのウサギたちを見ていると、一匹のウサギが僕たちの前に立った。二本足で・・・・。
「どうも、私たちは見てのとおり、ウサギと申します。出身は月です。」
「あ、これはご親切にどうも・・・・坂凪 驟雨といいます。こちらは、冬野 氷さんです。」
ぺこりとお辞儀したウサギに向かって僕たちは頭を下げた。なんて礼儀正しいウサギなのだろうか?
「・・・イカたちが月を征服していましたが、私たちは自力で彼らを迎撃することに成功しました。」
ウサギたちはところどころ、白い毛が黒く染まっていた。
「・・・・そしてですね、私たちは地球に残していた忘れ物を取りに来たのです・・・。」
ウサギの長い耳が月ちゃんを指差す。そして、僕と氷さんはどうするべきかと悩んで向き合うのであった。さて、ここは渡したほうがいいのだろうか、それとも、このウサギたちも鎧王さんたちに渡すべきであろうか?




