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古代兵器三

八、月パパ驟雨

 氷さんに部屋の外に呼ばれた。月ちゃんはベッドに寝転がっており、既にうとうとし始めている。


「・・・大変なことが起きた。」


 やっぱりですか・・・・・あなたのそんな顔を見ていると僕はとっても不安な気持ちになりますよ。気分的には船のそこに穴が開いた挙句、目の前に海竜が飛び出てきている感覚です。


「月ちゃんの家族が捕まった!!」


 海竜の群れに直撃した気分です、はい。


「な、なんでですか?」


「・・・どうやら、月ちゃんの家族は世界的な泥棒だったらしく、あらゆる物を盗んできたそうだ・・・・しかし、とうとう年貢の納め時だったらしく、役所に忍び込んだときに捕まったらしい・・・。」


 はは、笑っていいところなのか?僕が黙っていると、今度は氷さんが僕の目を真剣な目で見ていた。そ、そんな目で見られるとっても緊張します!


「で、警察が君を呼んだそうだ。」


「うぇぇ!なんでですか!」


「正確に言うと、そら 一騎いっきさん・・・・月ちゃんのお父さんが君を呼んでいるらしい。」


 そして、僕は氷さんに付き添われて警察に行ったのであった。なんだか、悪い事をしていた気分だ。自首か?僕は今から自首でもするのであろうか?


「・・・・やぁ、はじめまして、驟雨君。」


「あ、どうも・・・」


 どこからどう見ても、人のよさそうな人物であり、泥棒と言うより、どこか、被害者側のような感じのする人物であった。近くには、警察の人がおり、なにやらノートに書き込んでいる。


「・・・さて、話をする前に・・・ちょっとこの監視さんには眠ってもらおうかな?」


 一騎さんが指をぱちんと鳴らすと、警察の人は机に突っ伏し、カメラは変な音を出し始めた。


「・・・驟雨君、私が刑務所から出てくるまで、月を引き取ってもらえないだろうか?」


「・・・え!?」


 驚いた。非常に驚いた。男だと思っていた友達が実は女だったといわれるぐらいに驚いてしまった。と、僕が黙っていると一騎さんは話を進め始めた。


「・・・実はな、月は私の子どもではないんだ・・・。私が月と会ったとき・・・それはな、とある人物・・・伏せる必要がないので言わせてもらうが、君のお父上と一緒にとある遺跡に忍び込んだときだ。」


 って、おい、僕の父親は実は泥棒だったのか?じゃあ、捕まるべきじゃないのか?


「・・・とても興味深い遺跡だったらしいが・・・私は金目の物を手当たりしだいとは言わないが・・・・右のポケットに入れるだけ、入れることにしたのだよ・・・。君のお父上は何かに取り付かれたかのように遺跡の文字を解読していたな。それでだ、彼が何かを唱えると・・・・天窓から美しい、月の光が差し込んで遺跡の中央にある空のゆりかごに赤ん坊が現れたんだ。」


 うわ、そりゃ凄いや・・・・。


「・・・君のお父上はその赤ん坊を見ていたが・・・興味を失ったらしく、抱きかかえ、私に育てるように命じたのであった。それで、私はその子を月と名づけ、育てていたのだよ。・・・・そうだな、氷ちゃんが外国に行ったときに月についてわかったことがあったんだ。」


 氷さんがいなくなり、月ちゃんが外に出れなくなったわけがこれから、話されようとしていた。僕はそれを直感的に気づき、黙って一騎さんの顔を見た。


「・・・・月はな、実は地球を侵略しに来た宇宙人だったんだ!!」


「・・・・は?」


 力をこめてそういった一騎さんの顔をまじまじと眺め病院に電話するべきかと考えた。月ちゃんが宇宙人?ありえないだろう・・・・。


「ええと、根拠になるものでもあるんですか?」


「ああ、実はな、月を正確に表現するとだ・・・古代兵器だ。」


「・・・・は?」


 古代兵器?なんじゃそりゃ?何かの冗談だろうか?


「・・・・おっと、これ以上のことは君の父上から他言無用でな、月のことを知りたければ、君のバックにいる巨大な組織に調べてもらうといい・・・・そうだな、月は太陽の光を受ければ受けるほど・・・・」


「どうなるんです?」


「世界を滅ぼすぐらいの力を手にすることとなるだろう・・・・」


 こりゃまた、すんごい話となってきた。いつの間にか、世界というのはおままごとが好きだろうと思われる女の子にでも滅ぼすことが可能となっていたらしい・・・・。


「では、もっと知りたいなら君たちで調べてみてくれたまえ!」


 外では、氷さんが待っており、何かを知った感じであった。その目は、僕に何か聞きたげであった。


「・・・・驟雨君、教授から電話があったのだが、古代兵器む〜んとは何だ?」


 多分、月ちゃんのことなんだろう・・・・いや、認めたくないな。


「・・・・ええっとですね、一騎さんからもそんな話をされました。・・・聞いた話では月ちゃんのことらしいですよ。それでですね、詳しく知りたいなら自分たちで調べろといわれました。」


 氷さんは狸に化かされたような顔になり僕の顔をまじまじと眺めていた。


「・・・・そうか、ならば・・・・佐薙あたりに調べてもらおう。」


「そうですね・・・僕も色々とがんばってみます。あ、一騎さんが月ちゃんを悪いけどお世話して欲しいといってました。」


「うむ、そのくらいお安い御用だ。」


 二人して、狸と狐に騙されたような顔で帰宅。迎えてくれた月ちゃんはちょっと不満そうな顔であった。


「むぅ、私だけ仲間はずれなんてひどいですよ、驟雨さん!!」


「あ、ごめんね。ちょっと君のお父さんから呼ばれてたんだよ。」


 氷さんが僕の前に出て事情を説明し始めた。


「・・・・なるほど、私は今度から驟雨さんの子どもですね?」


「そうだ、君は今日から私と驟雨君の子どもだよ?」


「ちょっと、何を言っているんですか、氷さん!!」


「驟雨パパぁ!!」


 月ちゃんにタックルされ、僕はしりもちをついた。そんな僕たちを氷さんはほほえましい顔で見てらっしゃる・・・・。一騎さん、早く、戻ってきてください。脱獄でも何でもいいから、今すぐにでも、よろしくお願いします・・・・。



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