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古代兵器二

七、帰るところがないがな!!

 砂場にて、僕と月ちゃんの新婚生活が始まってしまった。


「はい、みそじるとごはんです!!」


 み、みそじるぅ?味噌汁のことかな・・・・?ええっと、おままごとなんてしたことないから分からないけど・・・・どうしたらいいのかな?しかも、おままごとなんてこのこの年でするものなのだろうか?


「・・・・う、うん・・・ありがと・・」


 どこから集めてきたか知らないが・・・・空の食器を僕は受け取って飲むまねをする。


「どうです?」


「うん、うまいよ?」


 そして、新婚さんにはありがちな夫さんの会社への旅立ち・・・・の前にある、お別れのキス・・・・。


「ん〜!!」


「いや、ちょっとまったぁ!!」


 近づいてくる月ちゃんの肩を抑える。しかし、彼女の進軍は止まらない。


「ほ、ほら、ちょっと落ち着いて、ね?」


「む〜!なんでですか?」


 あ、膨れた顔も可愛いなぁ・・・そうじゃなくてだ!


「ほら、今日はもう暗いから、続きは今度しようよ?」


 僕が言っていることは嘘ではない。既に太陽は墜落寸前であり、それにともなってあたりは暗くなっている。しかし、トイレにいたころの表情になってしまった月ちゃんは再び、僕を見てきた。


「・・・・嫌、です!!どうせ、家の皆みたいにまた、嘘つきます!!」


 ぐ、なんて鋭い子なんだ・・・・はぁ、こうなったら約束をするしかないな・・・・。


「大丈夫、僕は嘘をつかないよ。それに、僕は君の隣の家に住んでるからね・・・・。大丈夫!嘘だと思うんなら、指きりでもしてあげるよ?」


 軽く言ったのだが、どうやら月ちゃんは重大な意味として受け取ったらしい・・・目が真剣だ。


「・・・嘘、つかないで欲しいですよ?」


「うん、指きりげんまん!」


「嘘ついたら押し倒す!!」


 お、押し倒す?


「ゆ、指きった!!」


 月ちゃんはその白い顔にも太陽みたいな笑みを浮かべて僕を見てくれた。あ〜あ、僕の妹もこんな子だったらいいのになぁ・・・・。


「さ、途中まで一緒だから帰ろうか?」


「うん!!お願いしますです!!」


 さて、氷さんの家まで帰ってきたのはいいのだが・・・・なんと、隣の家の月ちゃんの家には電気がともっていなかった。どこかに出かけたのだろうか?


「月ちゃん、皆いないみたいだね?」


「うん、何でですかね?」


 とりあえず、氷さんが帰ってきていることを祈って家に入ってみる。氷さんの家にはメイドさんたちが多いが、いまだに僕は誰一人の名前を覚えきれていない。


「お帰りなさいませ、驟雨様。」


「あ、ただいま帰りました・・・」


 一人のメイドさんは僕になんだか物言いたげな顔をして去っていった。ううむ、どこか、おかしいところがあっただろうか?


「お兄さん、驟雨って名前なの?」


「え、そうだよ?」


 いまさらだが、名乗っていなかったことに気がついた。ま、それはおいおいとして、近くを歩いていたメイドさんの一人に話しかける。


「あ、すいません、氷さんは帰ってきてますか?」


 一瞬、メイドさんは僕を珍しいような顔で見たが・・・再び、感情を表に出さない顔になって告げた。


「はい、帰ってきてますよ。驟雨様を探しておりました。」


「あ、どうもご親切にありがとうございます。」


 再び、メイドさんは僕に不思議そうな顔を向けたのであった。ああ、多分、僕がつきちゃんと一緒にいるからそんなに不思議そうな顔をしているのだろうと勝手に解釈して氷さんの部屋に月ちゃんと一緒に向かったのであった。

 部屋には氷さんが普段着姿でベッドに腰掛けていた。その顔は何か、考えているようでもある。


「あ、驟雨君、心配してたぞ?誰かに襲われたのか本当に心配だったんだぞ?」


 その顔は既に泣きそうであった。僕は慌てて何があったのかを口早に氷さんに伝えたのであった。しかし、何かを勘違いしたのか、氷さんの顔は青い。


「・・・・つまり、驟雨君が公園で隣の家の月ちゃんをトイレに連れ込み、夜のおままごとをしたと?」


「いえ、全く違います。公園で月ちゃんをトイレで見つけて、夜になるまでおままごとをしていたんです。」


 氷さんは再び考え事をし始め、顔を赤くし煙を噴出し、平常の顔に戻った。


「あ〜、すまん、驟雨君。私がちょっと勘違いしていたようだ。すまなかった。」


「いえ、かまいませんよ。こんな時間まで遊んでいた僕が悪いんです。それで、そのぉ・・・月ちゃんの家族が帰ってくるまで、ここにいさせてはいけませんか?」


 氷さんはうなずいてくれた。


「月ちゃん、私のことは覚えているかな?」


「はい、氷さんですよね?小さいころに色々とを遊んでもらっていたのを覚えています。」


 それ以後、夕食となるまで彼女たちは昔話に花を咲かせ、その花が散るまでずっと話をしていたのであった。と、そんなときに部屋の電話が鳴ったのであった。


「あ、家の人が帰ってきたのかもしれませんよ?」


「うむ、ちょっと待っててくれないかな?」


 氷さんがその電話を取って受け答えをしている間、僕は月ちゃんと話しをしていたのであった。


「ねぇ、驟雨さんって私と会ったことある?」


「う〜ん、ないよ。」


 そんな話をしていると、氷さんが真剣な顔をしてこっちにやってきた。・・・・そんなシリアスな顔はやめて欲しい。どうせろくでもないことが起こりそうだからである。


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