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古代兵器一

六、隣の家の白きお姫様

 僕がこっちにやってきて一週間ほど経った。

学校は変わっていて今のところは色々と忙しいが何とかがんばっている。まぁ、今のところは氷さんたちが心配しているような自体にはなっておらず、僕の体も大丈夫だ・・・・二重の意味で・・・・。そして、ある日、僕がたまたま二階の部屋の窓から近くの景色を眺めていた。この家は三階まであり、三階は今のところは何があるか知らない。

 さて、空を眺めていると、ふと、隣の家の窓が視界に入った。

何気なしにそこを凝視してしまった。

ちょっと距離があるが、堕天使が埋め込まれてしまった今の僕にはらくらくである。

どうやら、低くなっていた視力も回復させてしまったようだ。堕天使の能力にどことなく、ありがたみを感じながらもその家の中を見ていると、白いドレスのようなパジャマを着ている少女が目に入った。肌は透き通るような白だがどちらかというと病弱といったほうだろう。顔もかわええが、美人薄命といった感じだ。


「・・・・驟雨君、何をしているんだ?」


「のわぁ!な、なんだ・・・・氷さんか・・・・」


 氷さんは少しばかり眉をしかめたが、僕に再び聞いてきた。


「驟雨君、何をしているんだ?」


「ああ、ちょっと隣の家に人影が見えたんで探してたんです。」


 世間一般ではそれは覗き見というものであろうが、とりあえず、ここはスルーでお願いしたい。


「うむ、君が見たと思うのは多分、つきちゃんだ。」


「はぁ、成る程・・・・その月ちゃんは何処かからだが悪いんですか?」


「?何でそんなことまで分かったんだ?人影が見えただけなんだろう?」


 ちょっとあせった。気分的にはテストでぎりぎり赤点じゃなかった感じだ。


「ええとですね、あっちが手を振っていたようなので・・・・それで、どことなく、顔色が悪かったんでどこか悪いのかなぁと・・・・」


 氷さんは何か考えているようだが、とりあえず、納得していただいたようだ。・・・・よかった。


「ああ、月ちゃんは体が悪いんだよ。そうだな、私が小さいころは良く遊んだ気がするが、私がこの土地からいなくなってちょっとしてから体調が良くないらしい・・・・・それ以後、一度も外に出たことはないそうだ。彼女としては外で思いっきり遊びたいらしい・・・・まぁ、彼女の友達はいまだ出来ていないらしく、可哀想にな、もう中学三年生なのにな・・・」


 どこか、寂しげに言っている氷さんを見ているともしかしたら僕には関係ないのかもしれないと思ってしまった・・・・・。まぁ、事実、これから一度も顔を合わせないだろうと思ったが、次の日、話していた月ちゃんと出くわすことになったのであった。それは、近くの公園での出来事である。


「・・・はぁ、今日は氷さんがいないからなぁ・・・・ちょっと寂しいかな。」


 まるで失恋したような感じで僕は帰り道を寂しく一人で歩いていた。こんな日は公園でブランコを時速百キロぐらいでこぎたい気分だ。・・・・・出来るか知らないが・・・・きっと、堕天使なら出来るに違いない。

 かばんを持って公園の中に入ると、今日は誰もいないように見えた。どうやら、普段はここにいる小学生たちは家でゲームでもしているようだ。と、そんなことを僕が考えていたときだ。


「・・・・!」


 何かが、何かが聞こえた気がした。そうだな、感じ的にはビームが飛んできたときに○ュータイプがこう、ピピーンって感じるあれですな。うん、ちなみに僕は○ュータイプではありません。

 さて、それはいいとして、聞こえてきたのは男子トイレのほうだ。急いでそこに向かう。もしかしたら、不埒なやろうがいたいけない女性を監禁しているかもしれないからだ。く、そんなことは絶対にさせん!僕がしたいほうだ!!・・・・・僕、警察行ったほうがいいな。冗談はさておき、ここだと思ったところを思いっきり開けてみた。


 そこには、どこかで見たような小さな少女が震えていただけで、どこにも不埒なやからはいなかった。


「う、う・・・・」


う・・・・・○んこ?いや、違うな。○んちだ。うん、まちがいない。


「うわぁぁぁぁぁん!!」


 その女の子は僕に抱きついてきた。意外な行動に驚いた僕はそのまま狭かった公衆トイレの反対側の壁に頭を思いっきり打ち付けたのであった。目から火が出る、ビームが・・・・でなかった。


「ええと、確か・・・・月ちゃんだったかな?何でこんなところにいるのかな?」


 ビームは出なかったが、代わりに出た涙を流しながら僕は昨日知った美少女に尋ねたのであった。うん、近くで見るととってもいいね、こんな妹が欲しいな・・・・・義妹でもいいな。


「・・・・ええっと、念願かなってですね、二階の窓から飛び降りることが出来たんです。それでですね、監視さんの目を盗んで公園に遊びに来たんです。」


 こりゃまた、行動的なお姫様だ。勇者が倒そうとしていた魔王を先に倒して勇者を待っていそうだ。


「・・・・それで、何でここにいたのかな?」


「・・・・そしたら、誰もいなくて・・・・帰ろうとしたら・・・とっても大きな犬さんがいてですね、襲い掛かってきたんです。」


 きっとその犬は月ちゃんと遊びたかったんだろう、僕だって犬の立場だったら加えてどこかに大切に保管するかもしれない。しかし、こんなくわぁいい、お姫様をおびえさせるなんてどこの犬だ?この僕が月ちゃんに代わってお仕置きしてあげたいものだ。


「・・・ええと、危ないから月ちゃん、お家に帰ってほうがいいよ?今度は犬じゃなくて変質者に追っかけられるかもしれないからね?ほら、もう大丈夫だから、ね?」


 素直でいいこなお姫様だと思っていた僕の予想は外れてしまった。何故なら、月ちゃんは首を振ったのだ。千切れるんじゃないかといった感じだ。


「・・・・・嫌・・・です。まだ、誰とも遊んでいません。」


「でも、今日は他の人たちは誰もいないよ。それに、君は体が悪いんでしょ?無理をしてはいけないよ?」


 優しいお兄さん風に言ってみたが、月ちゃんは頑として受け入れてくれなった。・・・・うぅむ、そこまでして遊びたいのか?


「・・・・ほら、わがまま言っちゃ駄目だよ?遊ぶ人もいないんだしさ?」


「遊ぶ人なら・・・・いるじゃないですか?」


「どこに?」


「ここに!」


 彼女が自信満々に指差すほうには僕の鼻があった。・・・・・僕をご氏名ですか?


「・・・・・ごめんね、僕は忙しいんだよ。」


 うん、義妹には優しくしたいが・・・・おにいちゃんは色々と忙しいんだよ?だが、というかやはり、月ちゃんは僕に馬乗りになったまま、その綺麗な瞳に僕を捕らえている。他人にこんなところを見られたら僕が襲われているように見えるだろうか?ぜひとも、そう見えて欲しい・・・・・。


「・・・・お願いしますです!!」


 こんな可愛い子に『お願い!!』をされるのはあと、何回だろうか?


「・・・わかったよ。僕の負けだ。好きにしてくれ・・・・。」


 僕の上から軽かった体重が消えた、そして、今度は右腕を誰かが引っ張っている。


「おままごと、して下さいです!!」



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