表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

一つの終わりから始まる物語

雨月が初めて書いた小説のリメイク版のようなものです。少し、暗いかもしれませんが、よろしくお願いします!

零、

とある、喫茶店。そこでは裏取引が行われていた。サングラスをかけた男と、どこかの高校の制服姿の男子高校生が向かい合って話している。ウェイトレスさんや周りの客は失礼になるかもしれないのでそんな二人を見ていない。


「・・・・・で、君が僕に何か依頼をしたいといった人ですね?」


「・・・ええ、あなたなら報酬さえ支払えばなんでもしてくれると聞いていますからね。・・・・その噂は本当でしょうか?」


 サングラスをかけている男は運ばれてきたブラックコーヒー(本日三十杯目)を一気飲みする。彼はこの男子高校生が来る数時間前からこの喫茶店に陣取っていた。(開業時間にやってきた。ちなみに今は夕方である。)そして、飲み終えたブラックコーヒーのカップを静かにテーブルの上に置き、男子高校生をそのサングラスから覗く優しそうな目で眺める。


「・・・・・確かに、僕は報酬さえもらえばなんでもしますよ。しかし・・・・まずは依頼をいってもらわないと困りますね。」


 男子高校生は先ほどやってきたレモンティーに手をつけ、優雅に飲み干す。その姿はどこかの御曹司を思い起こさせる。


「・・・・だが、噂では二人君たちはいたと聞いていたが?なんでも、君が依頼をその相方に伝えて相方が任務として解決するらしいといっていたと思うが?」


 男子高校生はふっと笑い、肩をすくめる。


「ええ、確かに昔は二人でしたが、事情があって相方は家庭を持ってましてね。どこかの王様になって今頃忙しいんですよ。全く、どこぞの愛妻家みたいでですね、たまに会ったら奥さんの写真を嫌というほど見せ付けてその後はこの前生まれたらしい子どもの写真をこれまた嫌というほど見せ付けてくるぐらいなんですよ。でもですねぇ、これも一つの終わり方、もしかしたら始まりかもしれません。・・・とまぁ、そんなことよりは貴方の依頼ですよ。」


「分かりました。実は、あなたにこの世界を滅ぼした後・・・・再び、再生してもらいたいんですよ。」


 男子高校生は少しきつい眼差しを相手におくった。


「・・・・理由があるなら教えてください。その理由によっては・・・・まぁ、報酬によって可決するか否決するかは僕が決めます。」


「・・・ええ、理由は簡単です。あなたの・・・元、相方さんはですね、少々、約束を破りすぎているような気がするのですよ。たしかに、あの人の幸せを奪うことになってしまいますが・・・・これも何かの運命と思って欲しいですね。私としては幸せを手に入れるのはきちんと約束を守ったものだけが手に入れるべきと思うのです。」


 男子高校生はふぅむと唸った後、相手の隠れている目に視線を飛ばしてみた。


「・・・・報酬は?」


「これです。どうぞ、確認してください。」


 とても大事そうな黒塗りのかばんがテーブルの上に置かれ、男子高校生はそれを開けてみる。そして、頷いた。


「・・・・分かりました。それでは・・・・何時、世界を消しますか?」


「ええ、ちょうど、インスタントラーメンが出来る時間までには消してもらいたいと思います。」


 サングラスの男は少しほっとしたような感じのため息をつき、前に座っている男子高校生を眺める。その目からは何も感じ取ることは出来なさそうである。男子高校生は自分のかばんの中をごそごそし始め、インスタントラーメンを取り出し、同じようにかばんの中から給水ポットを取り出してテーブルの上にセット。そして、相手を見据えて口を開く。


「・・・・・何か遣り残したことは?あっちの世界ではあなたは生まれないかもしれないんですよ?それとも、そっちのほうがいいんでしょうか?」


 対するサングラスの男は寂しそうに微笑み、答えた。


「そんなわけないよ、僕は・・・だからね。」


「それもそうだね。失礼!」


 男子高校生は笑い、インスタントラーメンにお湯を注いだ。周りの客はものめずらしそうにそんな二人組を見ている。


「さて、後三分ですよ。」


「ええ、ではこれで私は退出させていただきますよ。・・・・その、鞄の中にあるのは私がとても手に入れるのに苦労したものです。ぜひとも・・・・いや、あなたが粗末にするとは思いませんのでまぁ、確認として大切にしておいてください。」


「分かってます。それでは、お気をつけて・・・・。」


 男子高校生はそういってもう一度渡された鞄の中の物を眺めた。




「時雨!早く逃げなって!!」


「うぅ、腰が砕けて逃げれないよぉ〜!助けてぇ、千夏姉さん!!」


「ったく、犬が出たからってそんなに騒がないの!男の子は女の子の前で泣いちゃ駄目!分かった?」


「うぅ、だってぇ・・・」


 そういう少年のもとにだんだん近づいてくる犬。その顔は人間のような表情があればニヤニヤ笑っているに違いない。セクハラ上司のような感じだ。少年より少し後ろに立っている少し年上の女の子は腰を抜かして何も出来ないでいる少年をまるで旧型量産機に負けた新型専用機を見るような目で見ていた。


「約束して、必ず、女の子の前で涙は見せないって!」


「分かったよ!だからぁ、たすけてぇ!!」


 女の子はため息をつき、少年に告げる。


「・・・・ほら、ちょっと目をつぶってて、すぐすむから・・・」


 少年は頷き、目をつぶる。少年の視界は闇に包まれる。計りしえない何かが少年の心を不安に落としいれようとしたが(それはもう、素足でウン○を踏んづけてしまったぐらい不安である。)そんな少年の耳に安心する声が聞こえた。


「・・・時雨、怖がってもいいけど、大丈夫って信じることも大切なの・・・だから、覚えておきなさいよ?」


「うん、絶対覚えておく!!」


 少年は自分より一つぐらい年上の女の子が目を開けていいというまで目をあけなかった。そして、少女は犬を追い払い・・・・犬VS少女 開始一分 背負い投げ、一本 勝利者 素絡すがらみ 千夏ちなつの勝利となった。いまだに目をつぶっている少年の下に歩み寄り、優しく話しかける。


「ほら、もう大丈夫だよ。目を開けて結構。」


「・・・ほんとだ、さすが千夏姉さんだね?」


「ああ、お前の大好きな千夏は強いぞ。・・・だけどね、そんな私にも勝てない相手がいるんだよ?」


 少年は驚いた顔になった。どんなときでも自分と一緒だったし、少女が泣いたところを見たことがない少年は意外に思った。


「・・・誰に勝てないの?」


「・・・・それはね、泣いたときの時雨だよ。お前がね、泣いてしまうと私は不安になるんだ。だからね、お前には泣いて欲しくないんだ。・・・だから、絶対に泣いちゃ駄目だ。分かった?」


「うん!約束守るよ!」


「あとな、女の子との約束は絶対に守るんだぞ?それと、絶対に女の子を泣かしては駄目だ。それも守れるな?」


「うん!僕、絶対にそんなことしない!約束する。」


「そうか、時雨はいい子だ。ふふ、さすが私の弟だな・・・・。時雨、私が何時までもお前を守ってやれるようにおまじないをしてあげるよ。ちょっと、目を閉じて。」


 大好きな少女が言うことを少年は絶対に守る。(それがたとえ、少女の肩をもめとか、やれ、金を持って来いとか・・・宿題をしろだのも完璧にやってきた。結果、少年は以外に器用な一面を持つようになった。不幸中の幸い?)今回も少年は約束をきちんと守った。


 ふと、唇の辺りが暖かくなった。不思議に思ったがきちんといいつけ通り目をつぶったままだった。


「・・・・・時雨、いいよ目を開けても・・・」


 少年は目を開けて少女のまっすぐな瞳を見上げた。その顔は少々、赤くなっていた。


「最後に・・・形だけが約束じゃない。心に残っていればそれは約束だ。いいかい、心ってものは離れていても・・・通じるものだよ?だからね、どんなことがあっても私との約束は守って欲しい。」


「わかってるよ、千夏姉さん!」


 少年のそんな無邪気な顔を見て、少女はほっとしたのかめったに見せない優しい顔になった。普通はしかめっ面で、テレビのお笑い芸人に的確な突込みをお茶の間で連発している。


「・・・・・ふふ、時雨、私は楽しい日々を送れて楽しかったよ・・・・・」


 少年には聞こえないように声に出してみる。


「・・・・離れるかもしれないけど・・・・何時までも私はお前の味方さ・・・例え、どんなことがあってもな・・・・」


 家にある方向に走っていく少年を見つめ、少女は自嘲気味に微笑んだ。しかし、次の瞬間にはその顔は普段のしかめっ面へとシフト。


「またね、千夏姉さん!」

 「ああ、また・・・・いつかな・・・」


 次の日、少年が彼女の家に行くと、黒い服を着た人たちが彼女の家の前に続々と集まっていたのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ