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43 レオンハルトという男

 オレにとってはイフリートはゲームで登場したキャラクターで、契約を交わした相手程度の認識だ。いろいろ厄介なことをオレに押し付けて逝ったなという印象である。


 まぁ、セリアのことなら契約するまでもなく守ると誓うが。


 だが、この世界で生まれたレオンハルトにとってはどうだっただろう?


 この世界では神をして崇められている大精霊。その最期の頼みだ。断れるはずもないし、その力を私的に使うなんて考えも無かったのではないだろうか?


 当たり前だが、力は使わなければ練熟しない。


 積極的に自分のものにしようと力を使っていたオレでも、魔法の火加減や範囲なんかを指定できるようになったのはエドガーの小指を焼失させた時のことだ。だから、ユリアンやエンゲルブレヒトを軽くあしらえてる。


 だが、そうじゃなければ?


 イフリートの力を上手く制御できずに魔法を使えば、おそらくユリアンもエンゲルブレヒトも生きてはいまい。それほど強力な力なのだ。手加減するのは難しい。


 レオンハルトは、ユリアンを殺さないために、敢えて泥を被ったのか?


 だが、ユリアンのためにレオンハルトがそこまでするのはなんだか違和感がある。相手は、自分の貴族としての威厳を地に落とした奴だぞ? なんでそんなことされてまでユリアンを庇う? 普通の人間なら、ブチ切れてユリアンを殺してしまってもおかしくない。というか、それが普通だ。


「ぁ……!」


 オレはそこでピンと来てしまった。できれば知りたくなかった事実かもしれない。だが、気付いてしまった以上、もう目を逸らすわけにはいかなかった。


「まさか……」


 レオンハルトはユリアンに惹かれているセリアの心に気が付いたのでは?


 レオンハルトにとって、ユリアンは不俱戴天の仇と言っていい。しかし、そのユリアンにセリアが心を寄せていると気が付いてしまったとすれば?


 だが、レオンハルトがあそこまでコケにされてもユリアンを殺さなかった理由がそれ以外に見当たらない。


「それは、ねえよ……あんまりだ……」


 殺したいほど憎い相手に、最愛の人が惹かれていた。


 それを知った時のレオンハルトの絶望はいかほどだっただろう。


 だが、それでもレオンハルトはユリアンを殺しはしなかった。


 たしかに、ゲームでのレオンハルトはセリアにあまり好意を表に出さなかった。オレみたいにセリアを特別扱いすることもなく、あくまで普通の奴隷として接していた。セリアにしてみれば、ただの主人以上の感情を抱くのは難しいことはわかっている。


 でも、それはセリアの存在が王族にバレないようにするためで、レオンハルトの本意じゃない。


 そう叫んでやりたかった。


「おま、どこまで……」


 気が付くと、オレは涙を流していた。


 皆に嘲笑われ、貴族としての地位どころか尊厳まで踏みにじられ、それでも守ろうと決めた最愛の人さえ奪われる。そこまではわかっていた。だが、最愛の人を悲しませないために殺したいほど憎い奴まで許したのか。


 それどころか、レオンハルトはセリアが気兼ねなく自由になれるように、その気持ちを後押しするように、敢えて道化を演じていたのだ。


 すべてはセレスティーヌのために。


 レオンハルトがただの悪役デブモブだって?


 そんなわけがあるか!


 世界一カッコいい男だ。そして、同時に世界一不器用な男でもある。


 そんな世界一カッコいい男に、オレは生まれ変わった。


「絶対、幸せになってやる。幸せにしてみせるよ、レオンハルト……!」


 これは、レオンハルトとの誓いだ。


 オレが必ず、セレスティーヌをゲームの時以上に幸せにしてみせる!

お読みいただき、ありがとうございます!


本作品は、1月30日に大幅改稿・加筆の上でHJ文庫より販売されます。

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