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19 考えること

「レオン様、御無事ですか!?」


 セリアが心配したように駆けつけてくれた。


 眉を下げて心配顔のセリアもかわいい。こんなかわいいなんてズルいよ。これじゃあ意味もなく困らせたくなってしまう。


「ああ、大丈夫だよ。セリアの魔法のおかげで助かったよ」

「よかったです……」

「まさか、レアポップモンスターに遭遇するとは思わなかったよ。勝ててよかった」

「レアポップモンスター、ですか?」


 セリアがコテンッと首をかしげた。


 これ、べつに狙ってやってるわけじゃなくて天然でやってるんだよなぁ。


「さっきのゴブリンみたいに普通とは色の違うモンスターだね。普通のモンスターより強いんだ。でも……」

「でも?」


 オレはブルーゴブリンの倒れた所に落ちていた剣を拾い上げる。


「レアポップモンスターは倒すといいアイテムをドロップすることもあるんだ。こんなふうにね」

「その剣が、ですか?」

「ポイズンソード。攻撃した相手を毒状態にする剣だね」


 剣としてもそこそこの性能だし、序盤では役に立つだろう。


 オレも右手の武器をポイズンソードに替えようかな。せっかくだしね。


「毒!? そんな危険な剣を使って大丈夫なのですか?」

「大丈夫、大丈夫。そんなに強力な毒じゃないから」

「そうですか……?」


 なおも心配そうな顔でオレを見るセリア。もうかわいいのなんの!


 美人の心配顔ってなんでこんなに心がぴょんぴょんするんだろう?


「セリアの魔法には本当に助けられたよ。これ以上ないくらいベストタイミングだった! すごいよ!」

「ありがとうございます、レオン様。私もレオン様に守られて安心して魔法を使えました。ありがとうございます」

「いやいや。それでどう? 初めて一発じゃ倒せないモンスターとの戦闘だったけど、なにか気が付いたことはある?」

「そうですね……。射線の重要性でしょうか?」

「射線?」

「はい。モンスターとの戦闘では、私とレオン様とモンスターの位置が一直線になることが多かったです。その時、どうやってレオン様に当てないようにモンスターを狙うのか考えました」

「なるほど……」


 オレはそこまで考えが回らなかったな。そうだよな。ここではゲームみたいにフレンドリーファイアがOFFじゃない。普通に味方に魔法が当たる。同士討ちの可能性は常に考えないといけないな。


「その考えはなかった。オレの方でも参考になるよ」

「それはよかったです。ですが、レオン様は自由に戦ってください。モンスターと戦いながら、私の射線も気にしてでは戦闘に集中できないのではないですか? 射線管理は私がしますので」

「そう? 助かるよ」


 オレはまだ前衛としてはペーペーだからな。ここはセリアの言葉に甘えよう。


「じゃあ、行こうか。もうすぐ第二階層もクリアだよ」

「はい!」


 その後、無事に第二階層もクリアしたオレたちは、杖のモニュメントのワープ機能を使ってダンジョンの入り口に戻ると、ダンジョンを後にして屋敷に戻った。セリアの魔力が残り少なくなったからだ。オレはまだ余裕があったけど、今回の目的はセリアの強化だからね。


 たしかに、セリアが戦えなくてもオレが戦えばセリアにも経験値が入るだろう。だが、それだけではダメなのだ。


 オレはセリアにレベルが高いだけの人にはなってほしくない。ちゃんと自分で考えて、戦術なども自分でトライアンドエラーを繰り返して獲得して、自分で考えて動ける人になってほしい。


 それが本当の強さだと思うから。


 だから、オレはセリアから学習の機会を奪いたくない。


 まぁ、そんな話は置いといてだ。


「レオン様、本日のお菓子はロールケーキとなっております」

「やったね! セリアも座ってよ。ダンジョンについて話そう」

「はい。かしこまりました」


 オレのテーブルを挟んだ向かいのソファーに腰を下ろすセリア。その所作は惚れた贔屓目を無しにしてもハッとするほど美しい。


「セリア、今日はダンジョンに行ったわけだけど、どうだった?」

「初めのうちは不安でいっぱいでした。初めてダンジョンですから。でも、レオン様が守ってくださったおかげで、私でもモンスターを倒すことができました」

「セリアは魔法の命中率もいいし、タイミングもいい。きっといい魔法使いになれるよ。オレが保証する」

「ありがとうございます、レオン様」


 セリアはペコリと頭を下げた。


 そんなセリアもかわいらしいけど、オレが聞きたいのは褒め合いじゃなくてセリアの経験だ。


「なにか困ったこと、たいへんなことはなかった? 他にももっとこうしたいとか、こうしたら上手くいくんじゃないかとか」

「そうですね……」


 セリアが考え込むように少し顔を伏せる。そして、考えがまとまったのか、再び顔を上げた。


「あのブルーゴブリンとの戦闘で、いろいろなことがわかりました。前衛の重要性、同士討ちの危険、どんな魔法を撃つかの選択と魔法を撃つタイミング、魔法の強さと魔法使いの弱さ、それから――――」


 セリアはオレの想像以上にいろいろと考えながら戦闘をしていたらしい。


 でも、それを言語化して声に出す場が必要だ。


 セリアの話を聞くのもオレの勉強にもなるしね。


 これからもセリアとダンジョンに行ったら話し合いの場を設けよう。

お読みいただき、ありがとうございます!


本作品は、1月30日に大幅改稿・加筆の上でHJ文庫より販売されます。

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よかったら、買ってね!


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