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15 プレゼント

「セリア、実はセリアにプレゼントがあるんだ」

「私に、ですか?」

「うん!」


 毎度お馴染みとなったセリアとのお茶の時間。オレは用意していたプレゼント用に布でラッピングした長いものをセリアに渡した。


「大きいですね。本当に私が頂いてもいいのですか?」

「もちろんだよ」


 オレの目の前で丁寧にラッピングを解いていくセリア。ちょっとドキドキする。セリアは気に入ってくれるかな?


「これは……」

「魔法の杖だよ。セリアも魔法の授業がんばってるからね。あった方がいいかと思って。大したものじゃないけど、よかったら使ってよ」


 そう、全然大したものじゃない。序盤では使えるけど、所詮は第五階層のボスドロップ品だ。


 できればオレだってダンジョンのクリア報酬である最強装備とか贈りたかったよ。でも手に入らないものは仕方がない。


「いい杖ですね……。あの、高かったんじゃ……?」

「気にしない気にしない。それよりもどう? 気に入った?」

「はい。ありがとうございます、レオンハルト様」


 セリアが笑顔を浮かべてくれるだけで、オレは幸せな気分になれる。


 なぜかはわからないけど、あの生誕祭から明確にセリアはオレに対してよく笑ってくれるようになったと思う。


「その、ついでというわけじゃないけど、オレのことはレオンって呼んでくれないか?」

「…………」


 セリアが驚いた顔で固まってしまった。その顔もかわいいなんてズルいよね。


 スクリーンショットしたい!


 あぁ! なんでオレの目にはスクショ機能が無いんだ!?


「その、よろしいのですか? 貴族の方にとって、名前は神聖なものと聞いております」


 そうだね。貴族にとって自分の名前とは神聖なものだ。平民に呼び捨てにされたから殺したが普通にまかり通ってしまう世界である。ましてや、奴隷が主人の貴族の名前を略称で呼ぶなどありえない。


 でも、それでいったら王族であるセレスティーヌのことをオレは略称で呼んでいるしね。


 それに、お互いあだ名で呼び合うなんてかなり親密じゃないか!


「もちろんいいに決まってるよ! オレが許してるんだしね」

「ですが……」


 セリアがちょっと困った表情を浮かべている。もちろん、セリアの事情も考えないといけない。ただの奴隷が、貴族を略称で呼んでいたら、周囲が黙っていないだろう。


「わかってる。当面は二人きりの時だけでいいよ。オレはもっとセリアと仲良くなりたいんだ」

「私と仲良く……」

「うん。だから、よかったらでいいから、呼んでくれないか?」

「わかりました、レオン様」

「うん! これからもよろしくね、セリア!」


 なんだかセリアとの距離がグッと近づいた気がするな。いいね。


「そうだ。今度デートに行こう」

「で、デート、ですか?」


 セリアがちょっと顔を赤くしている。かわいい。スクショしたい!


「うん。杖の調子を確かめるのもいいかと思ってね」

「杖の……?」


 オレはセリアをダンジョンに誘ってみせるつもりだ。もちろん杖を使う機会を作ろうという意味もあるし、今はちょっとエドガーのことが不安だしね。できれば、セリアと一緒にダンジョンに潜りたい。


 実は、オレが剣を習いたいと言ったのもセリアをダンジョンに誘うための布石である。オレが剣を持って前衛を務めて、後衛からセリアが魔法を使う。これならセリアも少しは安全に魔法を使えるだろう。


 そして、セリアが強くなれば、エドガーなんてすぐに敵じゃなくなるだろう。すぐにオレが駆け付けるまで時間を稼ぐくらいできるようになるはずだ。


 セリアの正体は、滅ぼされたルクレール王国の最後の王族。ルクレール王国の正当な統治権を欲している王家が血眼で探している以上、セリアは早いうちに自衛手段を持った方がいい。


「まぁ、デートはもうちょっと先になるかな。がんばろうね」

「がんばる……?」


 不思議そうな顔をしたセリアもかわいいなぁ。スクショしたい!



 ◇



「チッ」


 目の前に置かれた幅三センチほどの隙間が空いた二本の木の板。その前でオレは舌打ちを繰り返す。


 オレはオイゲンに教えてもらった練習法を地道に続けていた。


 手刀をクリアし、今は鉛筆くらいの短めの木の棒を使って練習しているのだが、これがなかなかに難しい。本当に自分の体なのか疑わしくなるほど狙いとズレるのだ。


 悔しいが、オイゲンがオレにはまだ素振りは早いと言っていた理由がわかる気がする。


 早く木刀を振りたいぜ!


 しかし、オレは双剣を使うので右と左両方を鍛えないといけないのでかかる時間が単純計算で二倍だ。木刀を扱えるようになるまで長い時間がかかりそうだな……。


 早く剣を扱えるようになって、セリアをダンジョンに連れていきたいのだが、まだまだ時間がかかりそうだ。


「レオン様、お茶のお時間ですよ」

「ああ、すぐに行く!」


 セリアに呼ばれてしまったら仕方がない。オレは木の棒をテーブルに置くと、ソファーにどっしりと座る。


「今日のおやつはなにかな?」

「本日はガトーショコラです。とてもおいしそうですよ」

「やった!」


 オレはウキウキ気分でセリアが給仕してくれるのを待っていた。

お読みいただき、ありがとうございます!


本作品は、1月30日に大幅改稿・加筆の上でHJ文庫より販売されます。

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よかったら、買ってね!


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