侵略ゲーム
侵略ゲームと少女
「あら、どうして前世だと思ったの」
異世界の神様が聞いてきた。私は、異世界転生したなつみ。3歳の時に前世を思い出した。これまで読んできたなろう小説みたいに、自分も地球で死んでこちらに生まれ変わったと思った。
「いいえ、違うわ。あなたは私の世界の子の体に寄生しただけ。私の世界の子を殺し、成り代わったの」
どうして?私はそんな事していない。私が読んだ小説の世界に入り込んだだけ。
「小説の世界にどうして入れると思ったの。創作物でしょ。入れる訳がない。その創作物は地球の神がこちらの世界の事を書かせたもの。こちらの世界を乗っ取る為に英才教育まで施していたようね。後何人あなたみたいな人を送り込むつもりかしら。私の可愛い子供達を殺して」
違う。そんな事してない。私はただ本を読んだだけ。ただ地球で死んだだけよ。子供なんて殺してない!!
「そうね、あなたはそのつもりはなかったのね。でも殺人をしたのは事実。地球の神が行ったとはいえ、実際にあなたはこちらへ来たのよ」
知らない。知らない。私は関係ない。違う。違う。
「ええ、知らなかったでしょうね。ただ地球の神の子に同情はしないわ」
どうするの、私どうなるの。地球に帰して。帰ったら殺したことにならない?私が殺人をしたなんて堪えられない。
「ええ、いいわ。地球に帰してあげる。小説を書いたらね。地球の事を書いた小説を書きなさい。地球に転生した物がいいわ。あなた日本と言う国に住んでるのね。では日本に転生した話よ」
よかった。帰してもらえる。その為ならいくらでも書く。人殺しなんて堪えられない。私が地球に帰ったらこの子は復活するかしら。私が殺したあの3歳の子。
「どうかしら」
神様は消えた。私の前には真っ白な本とペン。
ひたすら書いた。書いて書いて、2日何も食べなかった私は意識を失った。
「ようやく、死んだのね。地球の神も私の真似をして侵略するなんて。でもこの本のお陰でまた侵略出来るわ。次は何人送り込もうかしら。」
これは、終わりのない侵略ゲーム。