4.夜の町と新生活
第四話、よろしくお願いします
気がつくと僕はソファーの上に寝ていた。
「あ、起きた!よかった~いきなり倒れたからびっくりしたよ」
僕の傍に座っていた真昼が飛びついてきた。
「ここは?」
「ここはわしの家の地下だ。」
そこには大介さんが居た。
「ここはもうお前の家だ、ゆっくりするといい」
ここは大介さんの家の地下室、真昼たちはここをシェルターと言っていた。シェルターは、
大介さんが僕たちのために作った隠れ家らしい。
「じゃあこいつも起きたことだし、自己紹介しようぜ!俺は昼河太陽!よろしくな」
太陽は3人の中で唯一の男で俺にも積極的に話しかけてくれた。
「次は私ね、私東条真昼よろしくね」
「夜久藍です…」
藍はこのときから、内気な性格だった。
「僕は、夜森深夜です」
「深夜くんの部屋に案内してあげるね!」
真昼は俺の袖を掴み部屋へ案内してくれた。
「深夜くんの部屋はここだよ!」
このシェルターには、部屋は2つしかなかった。つまり、僕の部屋は太陽と同じ部屋だと思ったのだがその予想は見事に外れた。僕の部屋は太陽と同室ではなくなぜか、真昼との二人部屋だったのだ。
「男部屋とかじゃないの?」
太陽の方を見ると太陽は笑いながら泣いていた。
「実は、藍がどうしても一人部屋じゃないと嫌だっていうから、今までは私だけでこの部屋だったから、深夜くんも一緒に使お!」
となると、太陽には部屋がないことになる。
「畜生、なんで俺ばっかり…深夜―助けてくれー」
僕はただ苦笑いをするしかできなかった。
ここでの暮らしは楽しいものだった。大介さんは、俺たちに生き抜くために必要な知識や力を教えてくれ、真昼たちはホントの兄弟のように接してくれた。みんなは僕の家族になった。
僕は特に同室の真昼と親しくなっていた。真昼は四人の中で一番明るくて、それでいてすごく強い。同じ部屋で過ごして一週間が過ぎた頃、僕は真昼の本当の木街を知った。
「……お姉ちゃん」
隣で寝ていた真昼が泣いていたのだ。まるで姉にもう一度会いたがっているようだった。僕もあの時から兄ちゃんに会いたい気持ちは残っている。だからこそ僕は、真昼に声をかけた。
「大…丈夫だよ…」
この頃の僕には、この一言しか出てこなかった。だけど、真昼少し笑った。真昼といると、なんだか寂しさが少しなくなったように感じた。
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