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クモの巣


電車に乗った俺達は、しばらく電車に揺られ続けていた

地下鉄というこもあり、景色が代わり映えせず、視覚から得られる情報はだいぶ限られてしまっていた


そんな中、定期的に駅のホームらしき場所を通り抜けるのも確認している


このまま、電車に乗り続けても意味がないので、次に駅のホームを通った際に、全員の総意で降りてみることとなった


ブォーン!!!


「よっと…」


予定通り駅のホームらしき場所へと降りて、いつもの要領で情報を集める


建物の材質。風の流れ。空気の感触。雰囲気など、些細なことかもしれないが、そこから得られるものもある


そしてなにより、確認したかったものがあった。それは、駅の路線図だ


「なるほど…」


期待半分だったが、やはり普通の路線図ではなく、クモの巣状のものに置き換わっていた。駅名もすべて変化している


明らかにおかしい線路の配置には元々気づいていた

不完全ではあったが自分の脳内マップと、この路線図の形は一致していた


だが、形がクモの巣状のだとは気づけていなかった。自分もまだまだ現役時代にはとどいていないらしい


「坊主、何かわかったか?」


「まあ…そうですね。クモの巣状ってことはクモがいるってことになるんじゃないですかね?」


「クモかぁ…粘着性の高い糸は苦手なんだよな」


そう言って神楽は頭をボリボリと掻く

確かに、もしも俺が神楽と戦うこととなれば、まず第一に機動力を削ぐ。神楽には概念的な拘束が効きにくそうだし、クモの糸は普通に選択肢に入ってくる


もし本当に、相手がクモだとしたら、前衛はシーレに任せることにして神楽は俺の護衛を任せることにした方がいいだろう


そんな戦略を考えていると、横で路線図を見ていたシーレがある地点に指を指す


「師匠、ここは…?」


そう言って指を指した場所は、すべての路線が繋がっている中心の駅


あきらかに怪しく、罠の匂いが凄い。しかし、間違いなく敵に干渉することが可能であろう場所


「そこが次の目的地。このクモの巣の主に会いにいく」


「なるほど、了解です」


シーレは深くは聞かない。そこには、俺に対する絶対的な信頼があるから…


一瞬、シーレと出会った時のことがフラッシュバックした。あの北欧の絶対零度の果てで、死んだ顔をしたシーレを見つけたときのこと


あれから8年の時が流れた。2年前、別の目的のために嫌々コンビを解消したが、なんだかんだで一番行動していた期間が長いのは彼女だ


自然と動きを合わせられるようになったし、アイコンタクトだけで大抵のことが理解できる


それに、俺が感情を失ってから出会ったってこともあって、シーレは昔の俺との比較をしない


それが、やりやすかったのだと今では思える…のだと思う


感情の輪郭は…いまだぼんやりとしたままだ


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赤音の幻影を追いかけて入った地下鉄。もはや、幻影も見失い、自分がどこにいるのかもわからない


この場所には「純獣」がいる。なのでさっさと離れたいところなのだが…


地下鉄という変わらない景色のなかでのマッピングなんて、できるわけもなく…現在進行形で迷子となっていた


幸い、この場所にも天獣などの使い魔がいない。そのため監視を警戒する必要は無い


だが、たまにやってくるトレインストライクを避けるために、線路は駆け足で進み、できるだけ早く次の駅へと駆け抜ける必要があった


そのため、1駅走って少し休憩。またもや走って、これまた休憩と、少しずつ進んで行く


そして、休憩中の私はある気配を感知した

あまりにも小さく、勘違いと言われても仕方がないような微細な空気の変化…


天否の能力『指輪の悪魔』であるシアが伝えてくれた

今のシアが感じ取れる気配なんて1つしかない…


「白姫、天否がきたわ」


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