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逃亡の取引


あの場から逃れた金星は、そのまま魔族拠点から逃げ出すのではなく、当初の目的通り"捕虜"となっている天使から情報を聞き出すために地下への入り口があるテントへと忍び込んでいた


(神秘が乱れていて『調和』が上手く発動しないな…)


月と大魔族達の膨大な神秘のぶつかり合いが原因で周囲で神秘が吹き荒れている。それが原因だろう。さっきまで使っていた『精神調和』も使うことができない。今、金星が敵と遭遇したら戦うしかないということになる


これでも金星は何度も修羅場を潜ってきたのた、この程度で臆することはない


ハッチを開けて、金星は地下へと降りていく…



----------------------------------------------------------------


魔族拠点の地下は予想外の姿をしていた。辺りに灯りが無いためハッキリとは見えないが、どうやら拠点の地下は洞窟となっているらしい


だが、地下へと降りる途中に神秘の膜を破る感覚があった。おそらく、この洞窟は結界なのだろう


幸運なことに、この結界は外の空間と隔絶されており、神秘が乱れていないため『調和』を使えるようになっていた。これで直接戦闘を回避することができる


金星が調和の精度を確認していると、頭の中に直接声が聞こえてきた。これは、昔の天否が使っていたので脳驚きはしなかったが、警戒はした


『ハロー金星さん、待ちくたびれてたよ。流石に5epも温めるのは、やり過ぎじゃないかな? 私は大層な天使だけど隠されるような存在じゃない』


(お前は…捕虜の天使か?)


『その通り! でも本当かはわからないよ?』


この天使は何がしたいのだろう。信用されたいのか疑われたいのか…


(判断は実際にあってからだ。取引をしたい)


『よし! 情報は500000000(5億)円で売ってあげるよ。私って優しい』


(助けてやるから情報をよこせ。これが取引だ…)


『ふーん…じゃあ情報は教えるとして、私を助けて500000000くれたら、上の子を助けてあげるよ?』


その言葉に、金星の思考が一瞬乱れた


(お前にそれができるのか?)


『おっ、いま一瞬揺らいだな。このタイミングでアピールポイントを稼いでおかないとだ』


この天使は何を言っているのだろう…


『倒すのは~…めんどくさい。けど、あの二人から助け出す程度なら余裕自由FOR YOUよ。私は逃げ上手な天使なのでね、逃げて勝つのさ』


(…)


ずっと気になっていたことが一つあった。それは、なぜこの天使だけは捕虜として捕らえられているのかだ


ヨーロッパの秩序天使は、神隠し異変の前に唐突にヨーロッパから姿を消した。それはおそらく、最初の標的が秩序天使だったからだ。そして、敵の目論見通りヨーロッパの天使は一掃され、次の標的である天使殺しへと的が移った


そんな中、この天使だけは捕虜として捕らえられている。明らかに胡散臭い…だが


(確認したいことがある。お前はヨーロッパに残っている最後の『秩序天使』なんだな?)


『んー? まあ…所属で言えばその通りだよ』


(趣味は?)


『犯罪!』


(おいこら秩序)


『ふっ、犯罪によって守られる秩序もあるんだよ。つまり私はdark heroてことだね! カッコイー』


それとなく、この天使のことが分かってきた。こいつは常識から逸脱している思考の持ち主だ、そして皮肉なことに、こういう奴の方が真面目な人間よりも優秀なものなのだ


この天使の人格は分かった、もういいだろう。次で最後の質問にしよう


(お前の名前は?)


『もう、分かってるんじゃない? まあ、あれは名前とは別ものなんだけどね...』


その回答を聞いて、金星は彼女の取引に乗っかることにした。金星が彼女を信用した要素はただ一つ、彼女が何度も対天使局を裏で助けていたからだ


そう…ヨーロッパには一人、神隠し異変が起こってからも活動していた天使がいた。その天使は話によると、神隠しが起こるタイミングで様々な場所で別の異変を起こし対天使局から人を一人でも多く離れさせたり、対天使局陣営の最高戦力の一人である「シーレ」と戦い神隠しに巻き込まれないように足止めをしていた


それと同時に、ちゃっかり宝石とかも盗んだりしていたが、基本的にこちら側が有利になるように動いてくれていた天使…


『怪盗、今はそれが通ってるんじゃないかな』

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