基礎の月
月の放った斬撃波をパルファムが霧を纏わせて放った斬撃によって相殺し、その爆風を突き抜けてレフレクシオンは月と同じ高さまでの距離を一気につめる
「舐めないでよねっ!」
月は身体を横に回転させ、シッポを使ってレフレクシオンをなぎ払おうとした。しかし、レフレクシオンは宙を蹴り、月よりも高い地点へと避ける
「甘いな」
レフレクシオンはさらに宙を蹴って、その勢いで月へと斬りかかった。月はその斬撃を剣で防いだが、斬撃の衝撃で地面へと落とされる
そして、月が落とされた場所は、狙っていたかのように霧が毒の霧が立ち込めていた
「作戦通り…ってことかな。ムカつく」
霧の一部が揺らめき、そこからパルファムが斬りかかる。だが、月はその突撃を両翼で受け止め、弾かれたパルファムをシッポでなぎ払う
なぎ払いの衝撃か、はたまたパルファムにダメージが通ったのか、周囲の霧が弱まり今度はレフレクシオンが現れる
レフレクシオンは剣を構えて、次の瞬間には月の間合いに入っていた。パルファムとは比較にならない程の速さ。だが、月はその速さに対応できていた
レフレクシオンの剣がくる場所に遠隔操作の伝剣を三本を置き、その攻撃を受けさせる。そして、その隙を突いて月と残りの伝剣二本を使い、レフレクシオンに一斉に斬りかかる
しかし、レフレクシオンの速さは月よりも一段上だった。レフレクシオンは三本の伝剣を押し退け、二本の伝剣を弾いたのちに月の剣を受け止めてみせた
「殺れると思ったんだけど」
「これでも、長生きだからな。これぐらいなら対応できる」
「あっそ」
二人は一旦距離をとり、互いに剣を構える...
「師匠の剣術、貸してもらおうかな...仙霊空剣・天翔千舞」
「魔空流 デュベル・タクティ…」
レフレクシオンの逃げ場を無くすように四本の伝剣が彼を囲む、しかしレフレクシオンはそんな物は気にせず月に斬りかかり、二人の剣技がぶつかり合う。そこから、月とレフレクシオンの近接戦が始まった
筋力は拮抗。速さはレフレクシオンの方が上だが、宙を舞う四本の伝剣に両翼とシッポなどで手数は月の方が多いい。そのため、見た目だけなら実力は拮抗しているように見えた。だが実際は違う
(ここまでやって、なんで互角にも届いてくれないのかな…)
月とレフレクシオンでは目に見えない部分の差があまりにも大きすぎた。経験、一つ一つの技や動きの技量、判断速度に刹那の駆け引き…それらの全てで月は負けていた。手数以外ではレフレクシオンを出し抜くことができていない
それに、たとえ数で勝てていたとしても…相手は一人だけではないのだ
再度、周囲に霧が立ち込めはじめる。パルファムの所在を確認したいかったが、あいにく、今の月にそんな余裕は無かった。ただ目の前の剣撃を防ぐので手一杯
そして案の定、レフレクシオンの動きが変わり攻めることよりも隙を作るろうとする動きへと変化した
途端、"カッカッカッカンッ"と音を鳴らし、宙を舞う四本の伝剣が一瞬のうちに弾かれた。そして、月の持つ剣を弾くために、レフレクシオンは低い位置から斬り上げるように突技を繰り出す
魔力によって淡く輝く剣先が、月の身体ごと伝剣を上空へと打ち上げる
今の月とレフレクシオンの筋力は拮抗している…だが、剣の技術はレフレクシオンの方が上。レフレクシオンは剣先に魔力を圧縮させ、伝剣に触れた瞬間に上空に向かってその魔力を放った
月もその一点に力を集約させれれば防ぐことはできるのだが、とっさにその判断ができなかったのだ。レフレクシオンの動きがきが変わったと肌で感じたときには、すでに周囲の伝剣は弾かれ、相手は突きの姿勢に入っていたのだから動転して判断が遅れるのは仕方ない
月は弾かれた剣に目を向けない。それをしてしまえば、本当に詰んでしまうからだ。ここからの流れを月はなんとなく読めている
そしてその読みは、射線を通すために横に飛ぼうとしているレフレクシオンが裏付けてくれた
月は空中でクルクル回っている剣に宿している伝剣を解除し、手元にそれを呼び戻す。これで、一応の武器は確保できたが、月はまだ地面に足がついていなかった
レフレクシオンが横に飛び、その背後に立っていたパルファムが月の視線に現れる
パルファムは月の方に向けた剣先に、周囲の霧を圧縮さ
せて球体にしていた。摩擦も発生しているのか、球体の中で雷らしき光がピリピリとしている
月の予想通り、レフレクシオンが時間を稼ぎパルファムが高火力技を作る。確かにダブルスでの常套手段であり王道戦法のため、月もパルファムが姿を消した時からなんとなくこうなることを予想していた
しかし、月はまだ空中で回避は不可能。打ち勝つこともできない。ならば、月にできるのはできるだけその火力を抑えることのみ
パルファムの剣先から球体が放たれる…
「毒花香 雷毒香」
濃紫色の稲妻を帯びている霧玉が月を呑み込むように覆い被さる
(やるしかないかな!)
レフレクシオンに剣を弾かれた衝撃で月には姿勢を整える余裕はない。だが、直撃するのはマズいので不完全でもいいからと剣技を放つ
「極線!」
月は片手で剣を振り下ろし、広範囲の剣波が放たれ雷毒香とぶつかり合う。だが、不完全な剣技で相殺できる訳もなく、月の足掻きは容易に突破され、月は雷毒香に呑み込まれる
「ああああぁ! ああぁぁぁっ!」
月の全身に焼けるような痛みが広がる。いいや、月の身体は実際に焼けていた
雷毒香…霧の一部を圧縮し凍らせて霧の内部で稲妻を発生させ、それにより敵の皮膚を焼き剥がし毒を染み込ませる
毒は少しの傷からでも入り込むため、人竜化によって全身ガチガチの月であっても今までの戦闘でのダメージに加えて稲妻による傷によって、物凄い量の毒が月の身体中に流れ込む
「ぐっ…ああいあぁぁぁ!」
毒による痛みと痺れで月は自身の感覚がうまく感じ取れない、というかそれどころじゃない。月は完全物理特化のステータス(『伝剣顕現』『伝剣抜刀』『竜の血』『基礎の月』)をしており回復技を持っていない…つまり、解毒の方法が無い
大抵の毒やさっきまでの毒霧は『竜の血』のお陰で効果が大幅に抑えられるが、今回の毒は流石にキャパオーバーだった
どれだけ基礎的な部分が強化されても、それ以外のところで差が生まれる。それが、月の最大の欠点…
次第に月の悲鳴が聞こえなくなっていく。そしてパルファムは霧の制御を解除し、霧は自然と霧散していった
「驚きましたわ…まさか、人の形が崩れているとはいえ、まだ命の花が咲いているだなんて」
霧散した霧の中には、ボロボロな月が両膝を地面につけていた。服は稲妻に引き裂かれ、露出した左肩から左腕の部分や顔の右半分、右足などがとても人の肌とは思えないような、ゴツゴツとした灰色の鱗絵へと変容していた
生きてはいるが解毒ができない以上、月が死ぬのは時間の問題。本人も気を失っているように見えた…
レフレクシオンは万が一のために月の首を跳ねるため、ゆっくりと月へと近づいていく。そして、剣を構える…
「君は強かった。一対一ならパルファムには勝てていたかもしれないな」
そう言って、レフレクシオンは剣を振り下ろした…
そして、その瞬間…月の手元に光が集まり、剣の形となった。そして、ボロボロの竜人はその光の剣を握り、残った力の全てを込めてレフレクシオンに斬りかかった…
「まっ…だぁっ!!!」
2つの剣と剣がぶつかり…
最近、カクヨムのアカウントも作ったンだすよ
で、気まぐれでシリーズものを書き始めたんですよ
こっちもままならないのに、あっちが書き進められる訳もなく、投稿頻度が終わってるンだよなぁー




