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悪魔たち

前話でユリーノのことを「水星」にしてましたけどミスでした

本当は「月」でした。ごめんなさい


「水星」は絶命契約編に登場した「■■■■」の方でした




照明の落ちた部屋で、1人の男が私『月』に向けて拳銃を向けてくる。その男の手は酷く震えていた、死を見るのに馴れていないのだろう


部屋のあちらこちらには、全身がばらばらに切り裂かれたマフィア達。その血はまだ生暖かく、それが逆に死の感覚を強めていた


「くるな! くるな、くるなぁー!」


そんな風に叫びながら、男は背後に後ずさっていく

恐怖まみれの表情をしているのだろう。しかし、部屋が暗いためその表情はよく見えない


「うるさいなー、わめかないでよ。ただ聞きたいことがあるだけ、それを教えてくれるなら…」


私が言葉を言い終える前に、数発の弾丸が私に向かって放たれた。やはり、こういう状況では何を言っても油になってしまうらしい


私は権能『伝剣顕現』を使い光の剣を生み出して、軽く弾丸を切り裂いた。それを見た男は、後ずさるのではなく、後ろを向いて壁まで全力で走り始めた


しかし、それがどうと言う訳ではない。どうせこの男は詰んでいる、何をしたって無駄なのだ


私はゆっくりと一歩一歩男へと近づいていく。足音を鳴らす度に男の恐怖は段々と強まっていっているのだろう


男は壁にもたれ掛かりながら、腰を抜かしてしまい床に座り込む


私が男の一歩手前まで近づいた時には、恐怖で身体からありとあらゆる液体が流れていた、色々と大変なことになっていた


「あ、ああ…あっあ…」


もう悲鳴も出せなさそうだ。これでは情報を聞き出せないではないか、めんどくさい

とりあえず気絶させて、持ち帰ってから()()()するとしよう


そう思った矢先、紫色の弾丸が男の頭を吹き飛ばした

私の動体視力よりも早い弾丸。そして一瞬だが、窓の方から神秘の波動


どうやら、相手の方から私に近づいてくれたらしい


私は、自身の身に流れている『幻想種』の血を一部開放し、人としての肉体限界を突破し身体能力を大幅に向上させる


「『その神秘なる血肉を開放する』…」


力を開放したら即座に窓を打ち破り、外の屋根へと飛び移る。その際、強化された視力によって500m程離れた高台にいるフードの人物を捕捉した


「そこだね」


獲物を捉えればあとは狩るのみ。私は屋根を飛び繋ぎながら、一直線に高台に向かって走り出した

相手も捕捉されたことに気が付き、高台から降りるが逃がす気はない


十秒ほどで高台に辿り着いたが、すでに暗殺者の姿は無い


時刻は深夜。街には街灯と星明り以外の光は無く暗闇に包まれていて、相手は私と同じく暗闇に紛れられるように黒いフードを身に着けている


しかし、そんなものは関係ない。どれだけ隠れようが、そんなものは実力者の力業の前では無意味なのだ


私は自身の神秘を圧縮させ、感知できないほど薄く、街全体に届くほど広く、その神秘を放った

こうすることによって、街全体の生物の位置をすべて捕捉することができる


「...みっけ」


1人だけ、私の放った神秘を弾いた奴がいた。神秘が薄すぎるあまり、無意識に弾いてしまったのだろう

あとは、そいつの位置を捕捉し続け、先回りをすれば…


「なっ、貴様!?」


「この程度の隠密じゃ、私からは逃れられないよ」


光の剣を生み出し、暗殺者に近づいていく。暗殺者は後ずさり隙を窺うだけで臨戦態勢にはならない、どうやら接近戦には自信がないのだろう


また逃げられても面倒だ、一撃で足を潰すとしよう


暗殺者が瞬きをした瞬間、私は一瞬で間合いに入り剣を横に振る。暗殺者は反射的に能力でマスケット銃らしき物を生み出して防ごうとする


「竜式剣術 白線」


白き一線が、暗殺者の腰をマスケット銃ごと切り裂いた。暗殺者は上半身と下半身が真っ二つとなり、血がどばどばと流れている


「ああああぁぁぁぁ‼‼」


高い悲鳴が街中に響き渡る。こんなところ見られたら面倒なのでやめてほしいが、確かにこれは暗殺者に対しては良い嫌がらせになる…良いことに気づけた


「さてと...」


私は剣を引っ込めて、暗殺者の上半身の方に近づく

声と体躯で分かってはいたが暗殺者は少女。だが黒い角が生えているのを見るに、どうやら天使ではなさそうだ。となると…この子は魔族なのだろう


もし、この少女が例の組織に所属しているのだとすれば、今回の異変の主犯は『秩序の天使』ではなく『自由』側の犯行ということとなる。なら、ヨーロッパ各地で天使の活動が消極的になった理由は、なにかを企んでいるのではなく『自由』陣営に消されただろう


自由陣営はまとまりは無いが、数は多いいヴィラン。もし、その戦力がヨーロッパに集中しているのだとすれば、秩序の天使が全滅してもおかしくない。それに、表向きの立場を作っていたのだとすれば対天使局の管轄から離れることが可能となる


「固く考え過ぎてた...本当に少しはラズを見習うべきだったのかな」


あの柔らかさも、支部長として必要なことなのだろうか? あの人のことはよくわからない


「ああ、あああっ」


流石は魔族、子供といえど生命力が凄まじい。もう切断された切り口が塞がろうとしている

それじゃ、この子を連れ帰って色々と聞くことにしよう。そう思ったのだが、相手側も彼女をお持ち帰りされるのは困るらしい


「はぁ、案外『自由陣営』って仲間思いなんだね」


暗闇の中から10人程フードを被った人物が現れ、私のことを取り囲む

顔はよく見えないが、どうやら仲間が傷つけられて怒っているっぽい、案外良い奴らだ


「こんな大勢にお出迎えされるなんて、これは盛大なおもてなしが必要かな?」


私のことを取り囲んでいる奴らが、一斉に迫ってくる

しかし、次の瞬間その者たちは、無数の宙を舞う光の剣によってバラバラに切り刻まれた


『月 ユリーノ』は天使と契約したのではなく、この世界に存在した『あらゆる伝説上の剣』の集合概念『伝剣』と契約をしており、無数の聖剣や魔剣を再現した光の剣を生み出すことが出来る

しかも、一度再現した剣は私の中に収納されるため、再度生み出す必要がなく神秘力を消費する必要がない


だから、これだけの剣を同時に生み出すことができる。今使っている力は剣を嵐のように回転させている力だけ。それだけで、大した力を持たない相手なら簡単に倒せる


流石に殺せたと思い、周囲の伝剣を私の中へと戻す

辺りから生物の気配は消え、到底人のものとは思えない色の血や臓器が辺りに散らばっていた。しかし…


「やっぱり、そうするだろうね」


私を囲ってきた敵の死骸はそこら辺に散らばっているが、最初に見つけた少女姿の魔族の姿が無くなっている。どうやら逃げられてしまったらしい


「処理班を呼んで戻ろ…」

私は事後の処理を担当する部署の人を呼んで、そのまま最初に居たマフィアの事務所へと戻った。なにか書類が見つかるかもしれない




部屋の前に辿り着きドアノブを握ったところであることに気が付いた。確か、私がこの部屋を窓から飛び降りた時には扉は開け放たれていたはず…にも関わらず、今は私はその扉を開けようとしている


つまり、部屋の中に誰かいる...


私はゆっくりと扉を開ける...

部屋の中は月光に照らされていた。そんな光に照らされていたのは1人の男だった


その男はマフィアのボスのディスクに座りながら、静かに月を眺めていたが扉の開く音で私のことに気が付いた


「やあ..遅かったな」


クマの付いた細眼に整えられた美形の顔に黒色まみれの対天使局の勝負服

この男こそ私の同僚である『星』所属の暗部『金星』本人だ...









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