表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/127

I am a trpe...


無数の金剛虫がマイに向かってくる


金剛虫はカラティナの精神分離体。分離しているとはいえ天使は天使。ただのAIが相手にしていい存在ではない


だがそれは...()()()A()I()ならばの話...


「天力ってこんな感じなのね。うん、これなら問題なさそう」

天力の基礎的な感覚を瞬時に理解したマイは、とりあえず金剛虫に向けて圧縮させた天力弾を放った


「雷霆弾」

マイの放った蒼白の天力弾は突撃してくる金剛虫の一匹にあたり相手と共に相殺された


真長が自身を改造してようやく使えるようになった『天力を圧縮する技術』をマイはこの一瞬で習得し成し遂げて見せた


「たいして差もないし、これなら使っても問題ないさそうね」


マイは両手から蒼白の粒子を放出し、その粒子を集めクラゲの形を作り出した

そして、その触手で近寄ってくる金剛虫を砕いていく


幻想兵器 海月

マイが感覚で作り出した天力兵器


天力をある程度圧縮すれば拡散せずに物理的な干渉をすることができるようになる

その技術は練度にもよるが、極めれば創生の力がなくとも数分間は武器を生み出すことができる


そしてマイは、1つの形に固定されず様々な形に変化することが可能な調整をした圧縮をおこなった

これによって、常時形状変化が可能な物理干渉天力を作り出した


1つ問題があるのだとしたら、ここがリースの心創世界であるため現実世界で問題なく機能するかを検証することができないことぐらいだろう


「分離体だし、やっぱり弱いわね」

そんな金剛虫を侮りきっているマイの発言に、金剛虫達の中にあるカラティナのプライドが本能的に反応する


興奮した金剛虫達が一斉にマイに自爆覚悟で飛んできた

だが、近づいてくる金剛虫は海月が全て打ち砕くため、マイは両目を閉じて片手を腰にあてて自信満々な笑顔を見せていた


その自信に満ちた顔に苛立ちを感じた金剛虫たちはさらに興奮しながらマイに突撃するが、その突撃がマイに届くことはない。近づかれる前に海月の触手によって砕かれるからだ


どれだけ興奮しようが奮い立とうが、肉体を強化できず力を制御できなければ意味はない。そんな現実に叩き落とされていた少女をマイは知っていた


「真長、楽しめてるかしらね?」

マイは砕かれていく金剛虫を見ながら、そんなことを口にした



----------------------------------------------------------------


真長は、身体と心が軽くなっているのを感じていた


ついさっきまで、心も、身体も、限界に達していたというのに、今ではそれが嘘のように思えた

それもこれも全部、マイとリースのおかげ


リースが真長の身体を軽くしてくれた


マイが真長の心を軽くしてくれた


今の真長は天力を惜しむことなく使うことができる

なんなく天力を制御することができる

マイから教えてもらった()()()()を試すことができる


重要な局面とわかっていながら、真長はワクワクを押さえつけられないでいた



カラティナが真長の背後から金剛の槍を放つ。だが、真長は振り向くこともなく身体を反らして槍を避けた


単純に敵の天力の接近を感じて避けた…ただそれだけのことなのだが、今までの真長はそれすらもできなかった

敵の天力よりも、自身の天力が暴発しないよに調整をしなければならないからだ


しかし今は、暴発の危険がなくなり、意識を敵に向ける余裕が生まれた


この技術は天使殺しであれば誰でもできる普通のこと

ようやく真長は『普通の天使殺し』になることができたのだ


そう…この戦いは『普通の真長』の初陣なのだ

これが、何にも縛られない初めての戦いになるのだ


真長はマイに言われたことを思い浮かべる...


(戦いを楽しむ...か)


真長の顔に笑顔が浮かびだす...


その笑顔は極限まで追い込められた者の笑顔ではなく、カラティナからしたらそれが不気味だった

その不気味さは、真長から感じる『余裕』からなのだろう


真長の肉体は天力を許容できるようにはなったが、それでも、ここはカラティナの天域内のため真長が劣勢なのに変わりはない


さっきまでの真長ならば、その事に不安を感じ、意識を張り詰めていただろう。しかし、今の真長はそれでも勝ちを確信している…そんな余裕が垣間見える


本気にならなければ負ける、そんな未来が見えた気がしてカラティナは警戒を強める


そんなカラティナを見て、真長は余裕の表情で

「かかってきなよ、天使」

と息巻き、それが開戦の合図となった



カラティナが天力を高めさらに輝きを増した

それに呼応するように天域のステンドグラスから醸し出される微弱な光も、極才色の強い輝きへと変化しステンドグラスの中で渦巻きはじめる


だが真長はこの程度の天域でビビったりはしない。これよりも膨大な天力を身に宿しているのだから、怖い訳がない


さっきまでの不安や恐怖は全て自身の暴走に向けたものであり、真長はカラティナにたいして恐怖を抱いたことはない


カラティナは倒すべき敵、ただそれだけにすぎない


無数の槍が真長の周りを囲むように生み出される。しかも、槍から感じられる天力がさっきよりも強く濃いものだった


しかし、真長の感想は…

「またそれ?」

だけだった


その言葉にイラついたカラティナは真長に狙いを定めて、一斉に槍を放った

槍は音速にも匹敵する早さで真長に向かって飛ばされた


真長は、最初の槍が脳髄を貫く直前に首を傾げてその槍を避けた

そして、これから飛んでくる槍を回避するために、とある電気を纏った


「ふぅ...っ!!!」


纏った電気が激しくハジけ始め、無数の稲光が真長の動きをカラティナに見せずらくする


ここまでで一瞬…

無数の槍が真長の間合いに到達する


音速で飛んでくる無数の槍

昔の真長ならば速攻で串刺しだっただろう

だが、今の真長ならば天力を感知して、適切な火力と適切なタイミングで処置すれば難なく防ぎ切れる


だが、この槍の本当の力はそこではなかった…

天域は使用者の権能の力を拡張させる。天域によって拡張されたカラティナの『予知』は物に宿すことが可能となる


故に、真長を囲う槍は『動きを予知して自動で追尾する槍』なのだ

そして、最初の一槍をわざと避けさせることによって真長は普通の槍だと油断している


適切な処置をしようとすれば即座に真長は串刺しとなる


(SA A HUSEGE SOREDE OMAEHAOWA OWAREDA)


真長は雷の短剣を生み出し、それで槍を弾こうとする…


しかし、短剣の刃が槍先に触れる直前、槍が軌道をほんの少しずらし雷の短剣を回避する


真長はとっさに天術でバリアを展開しようとした

だが、その行動を予知していた槍は速度を上げて真長がバリアを展開するのよりも早く彼女を貫いた


一槍刺さった途端、一気に真長の身体を多い尽くすような量の槍が彼女のことを串刺しにし尽くした


真長は全身槍に貫かれ、身体中から槍が生えていてハリセンボンのようだった。それを見てカラティナは勝利を確信した


「Ta a i na i.wa ta si no ti ka ra wo wa su re ta ka?」


そう言いいながら、カラティナは串刺しとなった真長に近づき、彼女のことを見下した


その時、死んでいると思っていた真長が口を動かした…


I am a trpe


それが聞こえた瞬間、真長の身体が光輝きカラティナから視界を奪った


「?!」

何が起きたかを理解できず困惑するカラティナ。そんなカラティナの近くから再度真長の声が聞こえてきた


「力を忘れていたのは、そっちだったね」


そう言い切ると同時に、カラティナの腹部に天力を帯びた打撃が打ち込まれ、カラティナは上のスタンドグラスに打ち付けられる


しかし、真長の拳がカラティナを打ち上げれるほどの衝撃を持っていることは確認できたが、たいしたダメージにはなっていなかった


だが、それでいい

なぜなら、元から真長の目的は殺害ではなく時間稼ぎだからだ


そして、その時間稼ぎもたった今、完了した


「お帰り、マイ」

真長の頭の中にずっと一緒にいた隣人が戻ってきた

マイが戻ったということはリースの心創世界のほうの問題は終わったのだろう


『ただいま。けど、もう出ないといけなさそうね』


「うん、任せたよ」


『任されたわ。私が戻るまで色々頑張りなさいよ』

真長の切り札『テンノヒカリ』を起動するために、マイを大気圏の先に浮かんでいる『テンノヒカリ』の本体に接続させなければならない


そうなると、マイが『テンノヒカリ』から真長のもとに戻るまで約一ヶ月ほどかかってしまうらしい


マイとそれほど長い期間バラバラになるのは初めてのことだ

もちろん不安はある。だけれど今カラティナを倒せる兵器は『テンノヒカリ』以外に思い当たらない


だから、しかたないと割り切った


『それじゃ、テンノヒカリ起動準備開始よ』


「決戦...といこうか!」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ