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似た者同士

深夜1時10分 地下 下層


「ちょちょちょちょぉぉぉ?!」

ボレロの意思を汲み取り下層まで行くことまでは予想していたが、ボレロが作った滑り台がここまで適当だとは予想できていなかった。滑る部分はスベスベにされているがそれ以外が凸凹な岩石で手や足を擦りむいていしまっている


その後もぶつぶつと悪口を言いながら滑っていると急にお尻に衝撃が走った

「いってぁ!」

真長はゆっくりと立ち上がり辺りを確認する、すると回りは砂岩でできた真っ暗な廊下であった


とりあえず手からプラズマで構成した球体を生み出し辺りを照らした。すると廊下の向こうから腐敗臭がすることに気がつき、臭いのする方向にプラズマを飛ばし何があるのかを確認した


「これは…聖獣の死体?」

腐敗臭の出本は白い狼の姿をした聖獣の死体であった。それ以外にも多くの聖獣の死体が続いていた


「う~わ」

単純に嫌いな雰囲気に嫌気を感じながら、嫌々廊下を歩き始めた

腐敗臭に鼻を塞ぎながら死体を避けて奥へと進んでいく。そんな真長の背後で白い狼の死体が静かに立ち上がり真長へと飛び掛かった


腐りかけている狼の牙が真長の首元に…

「って!わかってるよ!」

ゾンビ狼が真長の体に食らいつく直前で体を回転させて、その勢いでゾンビ狼の顔を手の平で壁に叩きつけた。真長の反撃でゾンビ狼の顔は完全に潰れその場に倒れた


しかし、狼以外の死体も次々と立ち上がり真長に向かって来はじめた。暗闇のせいでよく見えないが死体達は体の至るところが崩壊しており、何かしらの液体を滴りながしていた


「趣味悪いな…」

向かってくるゾンビに生理的な拒否反応を感じてはいたが恐怖は感じることはなかった。真長は右手を銃の形にしてゾンビの方を向けた


「私の相手の確認とれたし、倒すとするか」

真長の指の先端にさっきまで光源として使っていたプラズマを移動させた。そして、真長が銃を撃つ動作をするとプラズマが廊下を覆うほど巨大化し、そのまま向かってくるゾンビ達を飲み込んだ


『よく死体が動くってわかったね?』


「聖獣は死んだら消滅するから死体にならない、ならゾンビにでもなってるのかなってね。これで敵はわかったね」

事前に司教についての情報はマイを通して仕入れており、その中に『呪い』や『災い』を扱う司教がいることを確認している。今回真長の相手となるのは彼女であろう


真長と同い年の16歳でありながら教団のトップofトップに君臨している天才。データベースでの情報では呪術を得意とする後方嫌がらせタイプの呪術師


自分と似ている点が多い…しかし残している結果が違いすぎる。真長が天使殺しになったときには相手は司教としてすでにいくつかの死線を越えていたであろう


「本当にやだなぁ~」

犯罪者であっても同年代で結果を残している人に嫉妬するのは、人間として普通なことだろう、相手が同い年ならば尚更のことだ


同時刻 


真長が一匹目のゾンビ狼を倒していた時、真長とは別の廊下を歩き死体や呪いを仕込んでいる者がいた。煌めくような紫色の髪をした、ありとあらゆる裏組織に目をつけられるほどの美少女…モーセである

敵の潜入に感づき、ゾンビからこぼれ落ちた眼球を通して真長のことを覗きプラズマで細胞ごと破壊されるまでの工程を観察していた


そして、自分の相手が光希真長だということに少し喜びを感じた。同い年で同じように天才と呼ばれた才女と戦えるのだ、潰したくなるのが人間というものだろう

むしろ絶対に潰す、自身の痛みに満ちた今までの人生は単純な才能を上回ることを証明したい。そんなモーセの願望を満たすのに真長は丁度いい相手であった


「やってやるの...」

そう意気込み、手に持っている紫色の杖で地面を叩き呪術を刻み込んだ。この場に近づいたものが金縛りに遭う呪いだ、それに加えて腐敗の呪いも仕掛けてモーセはその場を後にした


同じ頃。真長はモーセの罠を解除し、同じように罠を仕掛けていた。こうして、嫌がらせが得意な二人による罠の戦いが始まった


----------------------------------------------------------------


深夜1時15分 地上


無数の光が飛び交うなか、一人のヤマト女子が刀片手に天に浮いている一人の少女目掛けて走り抜いていた

四方八方からの光線を無駄のない動きで避けて、避けることのできない光線は剣で弾いていた


「ただの光じゃ切られるかぁ~」

無数の光線が飛び交う上空。神喜はそこで逆さま飛行をしながら彼岸を見つめていた

とりあえず様子見ということで『オラクルム』は控えて、ただの光の光線…『絶光』を放っていた


彼女の力量であれば数で押しきるのは難しいだろう、しかし『オラクルム』を使えば速攻で勝負が決まってしまう

しかし、ここで神喜の絶対攻撃力に彼岸が対応することができれば勝負はより面白くなる


「オラクルム」


そう言った神喜は満面の笑みを見せ、手の平から光の球体を生み出して…握りつぶした。次の瞬間神喜の周りから5柱の純白の光線が彼岸を囲うように放たれた、回避は不可能だ


足掻いてくれ、防いでくれ…相手への期待が神喜の中で膨れ上がる。過去にオラクルムを防いだ人物は片手で数えられる程しか存在しない、その指の一本に彼女も加えたい


そして彼岸は神喜の期待に応えてしまった…

彼岸の持つ刀が一瞬の合間に、全てのオラクルムを真っ二つに切り裂いたのだ。その事に神喜の顔は喜びを隠せないでいた


「流石『看破』の権能を持っているだけのことはあるね!」


「嬉しそうですね」


「強くて賢い者は正義だからね。私はその者達を生かして何を成すのかを見たい…あなたは合格」

そう言って神喜は彼岸を指差した。彼岸は不愉快そうな顔をして、再度神喜に刃を向けた

「余裕ですね、うざいです」


「そ~だね~。それが嫌なら、もっと頑張ってね!」

そう言いながらクイクイと腕を動かし、彼岸のことを挑発した。しかし彼岸は、それに触発されて攻め手に出ることはなく、冷静に上空からの攻撃を避けながら隙を伺っていた



地上で残像を残しながら疾走する黒い影を撃ち抜くのは、至難の技であった。夜空に瞬く星々のような光の光線を持ってしても、その影にかすりすらしなかった


彼岸は加速と減速のタイミングと加減が上手い。そのうえ加速と減速の際に残像を残すことでそれを相手に悟らせなくしている、そのため動きを予測して光線を放っても彼女に当てることはできない


このまま光線で攻撃を続ければ、彼岸の体力と神喜の神力の我慢比べになる。そうなってしまえば、全天使殺しの中で最も神秘力の総量が多い神喜が勝つのは間違いない、それは神喜の求める戦いではなかった


頭の中での試行錯誤の結果、ある賭けをしてみることにした。それを思い付いたタイミングで彼岸が物凄い跳躍を見せて神喜に斬りかかった


だが神喜は、ギリギリのところで体をくねらせて彼岸の刃を回避し、光の槍を生み出してカウンターをいれようとした


「わかっていますよ、罠だって!」

しかし、そんな動きは『看破』の前では簡単に見透かされていた。彼岸も空中で体をくねらせて神喜のカウンターを避けて、さらなるカウンターをいれた


「『わかってる』って…わかってるんだなぁ~」

神喜は彼岸がカウンターを読んでカウンターをしてくることをさらに読み、その攻撃を槍で受け止め彼岸の背後からオラクルムを放とうとしたが…


「それも読んでますよ」

神喜のその手すら彼岸は読み、槍に刀が当たる直前に刀を手放して体勢を低くしてオラクルムを回避、そのまま懐刀を取り出し神喜の足に切り傷をつけ、地上に落下して地面に落下してきた刀をキャッチした


読み合いに負けた神喜は、切られた自分の足をから流れる血を見ながら嬉しそうに笑っていた

今のやり取りこそ、神喜が求めていた戦いであった。自分が負けた部分を含めて神喜は今を最高に楽しんでいる


さて、次はどう攻めようか…

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