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オアシスを求めて


異常な程の暑さに真長は目を覚ました

「暑い...暑い...流石におかしい」

暑すぎて肌が少しひりついていた、天使と契約して身体が強化されているにもかかわらずだ。一般人では数時間も持たないだろう

「マイ、いま何度」

『100℃ね』

「なるほどね...」

真長は寝起きのため頭が働かず、ことの重要性に気付いていなかった

そして、寝起きの一杯を飲もうとスーツケースの中からペットボトルを取り出し、水を口にした瞬間に気が付いた

「あっっっっつい!?」

口いっぱいに熱湯が広がった、100℃は水の沸騰する温度である。すでに、手持ちの水はすべて沸騰してお湯となっていた


天使契約のおかげで口も喉も強化されており、火傷することはない。それでも痛みは感じるし、体温は上がり汗もかいてしまう

「マイ! どうする?!」

『我慢すればいいじゃない?』

「無理」

『超高温の中でも楽しそうに作業ができる、あなたが?』

マイは機械工房を作った際に特別制の地熱発電機を作るため、普通に超高温の水蒸気を浴びながらも満面の笑みで作業をしていた真長の姿を思い出した

「好きなことなら話は別なの、精神的に辛いの」

真長の言ってることは理にかなっているが…結局、無限砂漠内すべてが100℃だとしてら、どうにもならなかった


『とりあえず、日陰を探しましょうか』

「いや、ここはオアシスを見つけるべきでしょ?」

『暑さでおかしくなったか...』

「至って平常で冷静でまともだよ!」

『じゃあなんで、オアシスを見つけるべきなの?』

「汗を洗い流したいから」

気温が100℃のこともあり、真長はかなりの汗を搔いていた。薄着を着ているため、そのあたりの事が気になってしまう

それに加えて砂のベットで眠っていたため、体中に砂が纏わりついていて気持ち悪い状態だった


理由としては十分だったが、マイはあまり納得しなかった

『あなた...そういうの気にするタイプだったっけ?』

真長は昔から何かに没頭していると、普通に風呂や歯磨きなどのルーティーンを抜きにする、酷いときにはペットボトルを使っていた時もあった

そんな奴が、今更汗を掻いてることを気にするのか? いや、気にするようなことがなにかあるのか?

「一応、いつでも外面になれるようにしてたい...からかな?」

『本当かしら』

一応、真長も外行の時はそれなりにオシャレはする。だが、所詮それは社交辞令のようなもののためだ、本人としては面倒だと思っていたはずだ

「『女の子らしくしろ』って、いつも言ってるじゃん」

『今は緊急事態でしょ...まあ、いいわ』

オアシスは別として、何かを探すことは案外最善の行動かもしれない。日影で休んでいたところで何も状況は変わらない、なら理由はどうであれ動いた方がいいのだろう


「よし、それじゃあ出発しよう」

真長がそう意気込んで、充電が切れて太陽光発電モードになっている名無しドローンをスーツケースに乗せて砂漠を歩き始めた...しかし、この砂漠はヤバかった


正午、気温が120℃を突破した、木々が完全に燃え始めた、水もボトルごと蒸発した。幸い機械類には天力が混ざっているので溶けることはなかったが、熱され過ぎて触るのも辛くなっていた

休憩のために真長は砂岩の日陰で休み、オアシス捜索は名無しドローンに任せていた

「...辛い...です」

気づいたら水が蒸発していたため、朝の一口以外水を飲めておらず。さらに、移動中にも何度か聖獣に襲われ真長は満身創痍となっていた。流石の天使殺しでもこの状況では脱水症状になってしまった


意識が薄くなっていく、真長を起こすためにマイが脳内にエマージェンシーコールの音を鳴らし始めた


わお?! 死にかけの汗だく美少女じゃん


最後にそんな声が聞こえたが、思考が回らない。頭痛と熱と睡魔に負けて真長は炎天下の中、意識を失ってしまった




数時間後、冷たい水が頭に直撃した衝撃で真長は目を覚ました。目の前には名無しドローンが飛んでいて、中身の抜かれている真長のスーツケースを機体に乗せていた

そして、スーツケースはびしょびしょに濡れていた。おそらく、水源を見つけることが出来たのだろう

真長が起き上がろうとすると、自分にかけられていた毛布と手元の一枚の紙切れに気がついた、その紙にはメモが書き残されていた


そこから東に1キロ

そこが、君が求める場所だよ

親切な美少女より


メモにはそう書かれていた


寝起きでボーっとする意識の中、状況を確認する

外は星空がこんにちはしているが、気温は変わってないように感じた

しかし、毛布を外すと急激に気温が低下した、とっさに毛布を被ると、周囲の温度が丁度良い温度に変化した

この不可解な現象は今の科学技術では再現不可能、となれば自然と天使の神秘によるものだろう。しかし、重要なのは「誰が」これをくれたのかだ

意識を失う前に、誰かが居た気がしたがすでに頭が限界だったため顔を覚えられなかった


『真長? 真長!』

寝起きと頭の中に私と瓜二つの声が響きわたった、おかげで一気に目が覚めた

「うるさいな…どうしたの?」


『どうしたの? じゃない! あなた一度心肺停止まで追い込まれていたのよ?!』


予想外の言葉に真長の思考は静止してしまう。心肺停止…ということは一度心臓が止まったということ…つまり

「えっ? 私、死んでたの?」


『まさしくその通りよ! 私も機能が停止していたわ!』

マイは一応真長の脳の補佐的な役割で作られているため、真長が意識を失えば自動的にマイの人工知能機能はスリープモードに入る

真長もマイの機能の全容は把握できてないので「死亡した際は全機能が停止」のようた機能が備わっていたのかもしれない

「そんなことより、マイは意識が停止する前に何か見なかった?」


「そんなこと」なのかは置いといて、真長はさっきまでの疑問をマイに聞いてみた。マイも真長の思考ログを確認し何を考えているかを理解した

ちなみに、思考ログとは文字通り思考がログとして残るシステムで、脳に住み込んでるマイにしか読み取ることができない

普段は真長のプライベートもあるため使わないようにしていたが、流石に事情が事情だったため使うことにした

『一応、かなり画像が乱れていたけれど、一人の人物のことを停止の直前に確認したわ』

そう言うと、真長の視界に一枚の画像が出された

かなり乱れているが、ギリギリ髪型と背丈と片目は確認することができた

髪型は白寄のピンクの髪をワンサイドアップにしており、背丈は真長よりも少し低いぐらい、片目は紫寄のピンク。服装はボロボロの布を纏っていたため確認できなかった


「こんな子、対天使局に居たっけ?」

『いえ、いないはずよ。おそらく、個人の天使殺しじゃないかしら? 彼らの情報は私たちでは覗けないから』

「そっか…お礼を言いたいんだけど。まあ、とりあえず今はこっちが優先か」

そう言って真長は名無しドローンを呼んで、スマホを取り出してPCモードに変化させ、映像データの解析を始めた


「ん~??」

解析した名無しドローンの映像には…

何もない砂漠を探索していると突然場所が変化して、辺りを見渡すと近くにオアシスがあるのを発見した


真長にその事を伝えるために戻ろうとしたが、急に空から降ってきた真長のスーツケースにぶつかった


真長が水を欲しがっているのを思い出した名無しドローンは、オアシスの水をスーツケースに入れて帰ろうとした


再度、場所が変化して真長の休んでいる場所の近くに飛んでいて、真長の元に戻ると倒れており焦って水を全部ぶっかけて今に至る…というものだった


あまりにも不可解なことだった。位置をあべこべにする天域の変化に巻き込まれた可能性が高いが、求めていたオアシスの近くに飛んで帰る際にはもといた場所の近くに飛んだ、流石に幸運過ぎる


真長を助けた恩人の力だとしたら、強力過ぎる気がする。こんな異常な天域結界の中で、ここまで高度な空間移動を誰かにすることができるなんて高等テクニックが可能な人物なら少しでも対天使局にも情報があるはずだが…マイのデータベースにも情報は無かった


「謎は深まるばかり…私のことも蘇生したみたいだし」

『それなのだけど、あなたの体の状態を調べたところ、解析不能な術の痕跡が見つかったわ』

「解析不能? マイにも無理なの?」

『無理だったわ…体内の情報を弄ったってことはわかったのだけど、それがどんな力によってかはわからなかったわ』

「えっ?! 体内の情報を弄られてるの?」

『そうね、それだけは解析できたわ』

「洗脳とかされてない?」

『わからないわよ、あなたがされているのなら、私もされているのだから』

「そっか…まあ、されていても他の天使殺しの人がなんとかしてくれるでしょう」

『他力本願』

「今はオアシス優先、さあ行くよ」

真長が立ち上がろうとしたとき、立ちくらみになってしまい頭を押さえる

蘇生されたといっても、少し前まで死ぬほど弱っていたのだ、いきなり全回復というほど甘くなかった

真長は未だに重症、オアシスの場所が書かれたメモも確証はない、しかしここで休んでいても状況は変わらない


真長は電圧圧砲を杖代わりにして、メモに書かれた方向に向かって動き始めた

承認欲求お化けのオレは再度言おう…イイネクレ(*σ>∀<)σ

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