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超高電圧圧縮波動球砲


砂漠をさまよい始めて数時間。何の進展もなく太陽は沈んでしまい、満天の星空が広がっていた


「少し休むとしようかな」

真長は、見つけた木に背中を預けて、星空に目を向けた

「ねえマイ、いつでも()()()()()ようにしてくれる?」


『もうしてるわよ』


「ああそう、ありがと」

夜の砂漠は思ったよりも寒く、スーツケースからカーディガンを引っ張り出して羽織った

薄着にカーディガンだけで暖は十分だった、これも天使との契約のおかげだろう。しかし、暖のせいで眠くなってしまった

「マイ...眠い」


『死にたいの?』


「わかってるよ...でも、連日徹夜してたから...」


『はぁ...まあ、徹夜を止めなかった私にも責任はあるし、二時間だけ見張っててあげるわよ』


「サンキュー、じゃあ...」

そして、真長は砂に身を任せて眠りについた

『まったく、全身砂まみれじゃない...さて、名無しドローン、私たちでこの子を守るわよ』

そうドローンに指示を送ると、相槌をうつように機械音を鳴らして飛び上がった。マイもドローンのカメラ機能とリンクして周囲を警戒し始めた


そして、一時間後。真長の脳内にエマージェンシーコールが響き渡り、目を覚ます

「ななな?! え?! ななな」


『敵襲...というか、聖獣たちの出現を確認したわ。十時の方向、デカいの二匹』

言われた方向を見てみると…そこには、ドラゴン型とライオン型の大型聖獣が砂漠を徘徊していた

二体の聖獣は目から不気味な赤い光を発しながら辺りを見渡している


「明らかに監視してるね。逃げるとしようかな…」

この場をあとにしようと立ち上がったが、そこで真長の動きが止まって、なにかを考え込んだ


そして、ポケットから片手サイズの箱を取り出して「トラッパータイム」と言った…



咆哮が砂漠に響きわたる。ライオン型の聖獣が真長の存在に気づいたのだ

咆哮によって四方八方から数多の聖獣が集まり始めた

「マイ、何匹いる?」


『合計、40匹』


「40か…まあ、なんとかなるでしょ」

聖獣達が真長に向かって一目散に突っ込んでくる

しかし、真長の半径50mのラインには電撃の罠が仕掛けられていた。弱い聖獣は、その電撃だけで倒れていった

「うっし! トラップ成功! 何匹殺れた?」


『30匹は倒せた。残りは中級聖獣と上級聖獣だから、この程度じゃ致命傷を与えられないわよ』


「なら次の策」

そう言って、スーツケースから細長い形のドローンを2つ取り出して電源を入れた。すると、電線の部分が水色に光って宙に浮かんだ

このドローンは、高圧のレーザーを放つことができる攻撃特化型のドローン。重さの都合で2つしかもってこれなかったが、真長のメインウェポンの一つだった


「マイ! 意識リンク」

意識リンクとはマイの機能の一つで、真長の意識をマイと繋がっている機械とリンクさせて、体の一部のように機械を操ることが可能となる

『了解よ』

意識リンクによって真長の視界がゲームの画面のように変化する。そして、近づいてくる聖獣をロックオンし、ドローンで次々とレーザーを放ち、2匹を残して全ての聖獣を討伐することができた


「やっぱコイツらが残ったね」

8匹の中級聖獣はレーザーで殺すことができたが、やはり上級聖獣の2匹は耐えてきた


『今のドローンの出力じゃ、あの装甲は貫けなさそうね』


「ならば、最後の策を使うまで」

そして、真長はずっと片手に持っていた棒の先端の布を外した。その部分にはロケットのエンジンのような機械が付けられており、中心には緑色の球体がつけられていた


「超高電圧圧縮波動球砲、略して電圧圧砲の初陣です!」

真長がずっと片手に持っていた棒は、エジプト出発前に徹夜で作った新兵器の一つ

電気を限界まで圧縮し、それを放出する超高火力兵器にして超高燃費兵器であった

そのため、いま残されている電力と天力では一発しか放つことが出来ない。要は外せないし一匹しか倒せない

だが、それでも十分だろうと判断した

「チャージ開始…マイ、足止め頼んだ」


『任せなさい』

電圧圧砲が起動し、青白の電気が圧縮され始めヒンポンボール程の大きさの圧縮球が生み出され、その大きさは増していく

それに反応するように、2匹の聖獣が咆哮をし突撃してきた


マイは高圧レーザードローンで足を集中的に狙い撃ちをし、2匹の聖獣は転倒した。そして、砂に足を捕られてしばらく立ち上がることができなかった


「チャージ完了!」

そう言った、真長の手に握られている電圧圧砲。その先端の青白い電気の圧縮球の大きさはすでに二十倍以上に膨れ上がっていた

ライオン型の巨大聖獣に電圧圧砲の照準を合わせる...

「バースト!」

圧縮球が聖獣に向かって放たれる。青白い光の圧縮球は地面をえぐりながらも、勢いを落とすことなく進み、ライオン型聖獣に直撃した


物凄い電気爆発が起こり、真長達は少し吹き飛んでしまい、ドラゴン型の聖獣は逃げてしまった。そして、ライオン型の聖獣は塵も残らず蒸発しており、その場所に小規模なクレーターができていた


「んー、工房で試し打ちしなくてよかったぁ~」

そう、徹夜でギリギリまで作っていた兵器のため、使ったのは今回が初めて。そのため、どれほどの火力が出るかもわかっていなかった


もし、今回の仕事がなければ、真長の特撮コレクションが犠牲になっていたことだろう。真長は高火力兵器を試すときはリンナに相談すると心に誓った


「それじゃあ、ドラゴンを追うと...」

立ち上がろうとしたが、足に力が入らず砂にダイブしてしまった


「う? マイ~?」


『天力切れよ。思っていたより電力を使ったみたいね』

真長は契約天使の権能で電気を生み出すことができるため、それを利用し莫大な電力を補っていた

しかし、汗をかかないように天力を使った特殊な電子バリアを纏っていて天力を失っており、罠にもそれなりに天力を使っていた

よくよく考えると、天力が切れるのは当たり前のことなのだ、なのだが...


「天力がなくても人は動けるよね?」

そう、天力切れても身体能力が一般人と同じになるだけ、さっきまで休憩していたため体力がない訳ではない

腕を使って起き上がろうとしたが、手の感覚がなかった。両手両足の感覚がマヒしてしまっているっぽかった


「これって...もしかして、痺れてる?」

電圧圧砲の余波に含まれている電気を直に浴びて身体が痺れしまっていた

『もしかしなくてもそうよ。電気系の対策していなかったでしょ』


「いや、こんな火力になるとは...」

冷静になって考えてみると、電圧圧砲の設計者は真長

事前に試さずに持ってきたのも真長

なんなら安全機能を付けることができるのも真長

(これ、全面的に私のせいじゃない?!)

自業自得に気付いたところで、そろそろ治っただろうと思い立ち上がろうとしてみるが...案の定、手足は真長ゆうことを無視していた

「ねえ、これいつ治る?」


『明日までには治るわよ』


「なるほど...砂のベットは初めてかも」

そして真長は、名無しドローンに警戒を任せて砂に埋もれて眠りについた

ちなみに、名無しドローンには太陽光発電が搭載されていたため電力には余裕があったため、無事に朝まで真長を守ることができた




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夜の砂漠を一人の老人が歩いていた。小さな背丈、よぼよぼな黒い肌に手入れがされていない白髪、手にはいくつもの豆ができていた

無限砂漠という異常地帯でありながら、足にはサンダル履かれており、なに一つとして荷物を持っていなかった


少し離れた場所から物凄い電力の爆発が発生した。その電力からは昼に公園で会った天使殺しの天力を感じ取れた


「流石に生きているか」


すると、爆発の方向からドラゴン型の聖獣が怯えるように飛んでいくのが見えた。おそらく、さっきの爆発に怯えて逃げているのだろう


基本的に聖獣は天使の使い魔だ。逃げる先は主のもと、追えば敵の本拠地を特定できるだろう…


だが、そんなことはとっくに完遂していた。それに加えてあの聖獣は新人のことを報告するだろう、生かす価値はない

「少しは、後輩の面倒をみてやるとするか」


老人は聖獣に手の平を向ける、すると聖獣のことを黒い霧を包んだ


そして、月と重なった瞬間に手を握る。すると、無数の黒い槍が聖獣のことを貫いた。そして、刺された場所から徐々に聖獣の体が黒く溶けていった…


「さて、いくか」

そして、老人は何事もなかったかのように歩き始めた...

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